【砂に埋もれる犬】 著:桐野夏生
貧困と虐待。
愛情の無い中で生まれ、育ち、思春期を迎えた少年が主人公。
ネグレクトと言われる、育児放棄、育児怠慢、児童虐待の描写が続く重い内容の一冊でした。
食事も十分でなく、社会のルールも身についていない。
それどころか、入浴や歯磨きのやり方を知らない。
学校へ行けば、いじめや仲間外れ。
偶々知り合った方が里親となって引き受けてくれるけれど、
今までの生活とのギャップに生じる感情のねじれ。
そうこうする中で、犯罪になってしまう行動を抑えきれない。
やり場の無い感情に何とか手を差し伸べてあげられないものか...。
500ページからなる厚い本で、苛立ちを覚える場面もあったけど、桐野ワールドに引き込まれ、3日で読破。
信じがたい描写が続くけど、綿密な取材に基づいてて、実際にあることなんだろうね。
あの結末は、これからに希望がある終わり方なのか?
ハッピーエンドがよかったな~。
@ふると