あちらにいる鬼 著:井上荒野
だいぶ前、満島ひかりさん主演の映画【夏の終わり】を観た。
昨年大往生された、瀬戸内寂聴さんの私小説が原作でした。
あの時は、主演とモデルのギャップが結びつかず(笑)、創作の物語のように観たのだった。
さて、この一冊。
今秋映画が公開されると言うので、図書館からお借りしました。
寂聴さんと、不倫関係にあった小説家の男性と、その妻との模様を
小説家の娘が執筆したと言う、センセーショナルな物語。
先日読み終えた【奇跡】とは、全く異なる不倫の顛末。
源氏の世から、好奇なネタではあるけれど、ほんと、色々。笑
「不倫は文化」的な発言をされた方がいましたけど、今になって、その意味を理解できたかも。
現実では認められない関係なのに、文学や映画・ドラマでは美しく描かれて、心を掴んでしまう。
著者は、生前の寂聴さんにこの物語を読んで頂いて、お墨付きをもらっているらしい。
納得のストーリ―だし、小説家ってスゴイ職業だな~と。
読んでいて感じたことは、それぞれが人としての愛を貫いただろうこと。
文中「私たちの男」という言葉が出てくるんだけど、それくらい魅力的な殿方だったのかも。
何であれ、著者が両親と寂聴さんをリスペストしていることが伺える。
というか、そうでなければ、こうは書けないでしょう。
【夏の終わり】を改めて観たいと思ったけど、残念ながらプライムビデオでは配信されていない。
実は、不倫相手を別の作家さんだと思い込んでいたので…、レンタルかな。
井上荒野さんの記事1
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@ふると