□聖闘士星矢 冥王異伝 ダークウィング
第20話 偉大なる、決定
第20話 偉大なる、決定
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詠斗は、夜姫と春風を庇い、左腕に重傷を負った翔一郎を見て、
勝利を確信し、命乞いをし、俺に詫び、後悔し、そして、死ねと。
翔一郎は、これまで己の獰猛さ、凶悪な本性からずっと逃げ、
詠斗のような犠牲者のことも考えないようにしていたと自省します。
これから何度も何度も敵と戦うことになり、誰かの正義を破壊する。
ならば、自らの意思で戦おうと、覚悟を新たにします。
それが──あの時強い暗黒の翼を願った俺の果たすべき責任だとします。
そして、翔一郎が放った一撃は、山羊座の黄金聖衣を穿ちます。
これに対し、詠斗は、貴様の覚悟も大事な人間も全て切り裂いてくれると
エクスカリバーを放とうとするのですが、右腕の聖衣が砕け散ります。
翔一郎は、詠斗のいる場所が既に自分の小宇宙の内側にあると言い、
天猛星最凶の怒り、グレイテストディシジョンを放ちます。
この技は、グレイテストコーションを一直線に放つようなモノだそうです。
春風は、銀河を破壊する双子座の技と、一直線に斬り裂く山羊座の技を、
その身に受け、自分の技として取り入れたということかと驚きます。
翔一郎の剣撃は、詠斗を彼方に飛ばし、岩壁へと激突させます。
詠斗は、黄金聖衣により、一命を取り留めますが、重傷を負います。
翔一郎は、詠斗を歪めたのは自分の所為で、ずっと謝りたかったとします。
ただ、贖罪や後悔ではなく、挑んでくるのであれば、何度でも倒すと。
詠斗は、我が主とする存在に、さらに邪悪な力を求め訴えます。
しかし、主が詠斗に応えることはなく、黄金聖衣も詠斗を見放します。
夜姫は、黄金聖衣は、気高き小宇宙、強き信念を持つ者が装着してこそ、
我らの脅威になるとし、邪悪な力に頼り、卑劣な手段を講じ、
敗北しても尚、他者に頼るような者は、どの神にも闘士とは呼べない、と。
黄金聖衣に見捨てられた詠斗は、翔一郎に介錯を願います。
が、翔一郎は、殺さなかったのも僕の決意だとし、詠斗に背を向けます。
翔一郎たちは、煩悶する詠斗を後にし、冥界に帰還します。