法事のために一週間くらい前から田舎に行ってる母親を迎えに行ってきたのである。
高齢でいろんなことが覚束なくなってるので母親一人だとあんなことやこんなことになってしまわないかと不安なのであります。
(ちなみに行きは我が妹が母親に付き添ってくれたのだ)
オレの家の最寄り駅で田舎までの運賃と新幹線のチケットを購入。
窓口の駅員さんに「平日の昼間なので自由席でも余裕で座れるでしょ?」と訊いたところ
「乗る予定の新幹線の指定席の空きの状況を調べてみましょうか?」と端末で調べてくれたのだ。
大昔の国鉄の頃の駅員は「切符買うの?売ってやらんこともないけど、ちゃんと礼儀正しく頼まないと売ってやらないよ」と大柄な態度でふんぞり返ってるヤツが多かった気がするけど、今のJRの駅員さんは丁寧だなぁ、民営化バンザイ!!
うんうん、サービス業というのはこうでなくてはいかんのだ。
売る方は「買ってくれてありがとう」
お客さんは「売ってくれてありがとう」
みんなが感謝の気持ちを持てば今のようなギスギスした世の中も優しく平和な気持ちがあふれてやがて世界中の戦争や民族紛争もなくなるであろう。
もう一度言う、国鉄民営化ありがとう、国鉄民営化バンザイ!!!
あ、話を戻さねば先に進まぬ。
端末をカチャカチャいじった駅員さんが言うには「その便は指定席の空きが後4つしかないですねぇ。混んでるみたいですよ。確実に座るのなら座席指定は取っておいたほうがいいですよ」
あやや、それはいかん!それは困る!
オレは旅をする時の最大の楽しみが列車で飲むビールなのである。
せっかくの新幹線、万が一自由席で座れない場合は回りの座席で大阪水了軒の八角弁当弁当やら、神戸焼き肉弁当を広げて「ウマい!ウマい!」と幸せ度100%の笑顔で食べてるの他の乗客を横目に立ったままグビグビとビールを飲むはめになるではないか。
そうなってはセッカクの旅情が台無しになるなぁ・・・・。
あ、そんなことを考えてるうちにも残り4席が売れてしまうかも。
逆上したオレは小さな穴が空いたプラスチックの板越しに「ください!ください!!買います!買います!!指定席ください!!」と絶叫。
結果、無事に指定席を購入できたのであります。
ありがとう!!JRの駅員さん!ありがとう民営化!!!(←まだ言うか)
手にした指定席のチケットを見ると「5号車13-B」
うむむむ、Bかぁ。
ってことは窓側じゃなく通路側だなぁ、ちょっと残念。
ま、これで確実に座ってビールを飲めるのだから良しとせねばいかんなぁ。
ってことで、新大阪まで移動。
まずは新幹線内でビールとともに食べる物を購入せねばならないのです。
ビールのつまみとして考えるならいろんな具をつまめる幕の内系の弁当が第一候補に上がるのであります。
しかし、思い切り新幹線でのビールを楽しむためには隣の席にどんな人が座るかも考慮せねばならないのですよ、ですよ。
幕の内弁当のように多種多様のおかずが入っている場合はビールのつまみとしてどのおかずをどの順番に食べるかはすごく重要な課題なのであります。
最初に何を食べるか、最後まで残しておくのは何か、おかずを食べる順番はそのひとの生きてきた人生そのものと言っても過言ではないのではないだろうか。
オレが幕の内弁当を食べる様子を隣の席の座った人に見られてると思うとなぁ・・・。
身も知らぬ赤の他人に弁当のおかずを食べる順番でオレの50数年の人生のあれやこれやを推測されてはたまらぬではないか。
ということで、ここは隣に座る敵に隙をあたえぬように食べる順番を考える必要のない単一のおかずの物を選ぶことにするのだ。
トンカツ弁当も考えたのではあるが、トンカツ弁当といえどもトンカツにご飯、さらには漬け物もあり、数こそ少ないとはいえやはり食べる順番を敵に見られる危険性があるのである。
なのでここはひとつカツサンドという究極の単品で攻めることにしたのであります。
新大阪の駅には何軒かのサンドイッチの店舗があるのだ。
一番美味しそうだったのは某店のビーフカツサンド。
ところがこれが1000円以上するのよね。
向かいの店のトンカツサンドなら700円、しかもトンカツサンドを買えば缶ビールが200円で買えるのだ。
貧乏人オリンピックがあれば金メダルは無理としても地区予選の一次予選くらいであれば一位通過できる自信のあるオレなので迷うこなくトンカツサンド+缶ビール900円を購入。
新幹線で飲むのが楽しみ、楽しみ「ぐふふふ」と含み笑いをしながらトンカツサンド+缶ビールが入ったレジ袋を手にホームに上がってオレの乗る新幹線の到着を待つのである。
ところがここで大問題が発生!
オレは時間ギリギリであたふたするのが嫌なので、普段からなるべく時間には余裕を持って行動するように心がけておるのだ。
この日もかなりの余裕を持って行動。
その結果、全ての準備を万端に整えて新幹線のホームに上がったとき、乗るべき列車の到着時間まで30分以上の待ち時間があったのだ。
いかん、いかん!このままではせっかく買ったばかりの冷えたビールがうだるような大阪の熱気に中でダラダラと缶の回りに汗をかいてどんどん中身がぬるくなってしまうではないか!
ぬるくなった缶ビールほど不味い物はないではないか!!
どうする?
このまま列車の到着まで待てば冷え冷えビールはぬるぬるビールになってしまちゃうじゃないのよ、リンダ困っちゃう~
仕方ない、腹筋が6つに割れたキリリと引き締まった肉体のような冷え冷えビールがだらんとした中年オヤジのぽったりお腹のようなぬるぬるビールになるのを防ぐため、ここは潔く男らしくこの場で飲んでしまわねばならぬのである。
オレはレジ袋からサントリー黒ラベル350ml缶を取り出すとプルリングを引き、ちべたいビールを口の中に注ぎ込んだのだ。
んめぇ~~~~
新幹線の中でカツサンドを食べる時は車内販売でビールを買えばいいよね~~、と一人つぶやきながらビールをもう一口ぐびり。
缶ビールを飲み終わってほんわかいい気分になった頃、オレの乗るべき「さくら555号」が静々と20番ホームに到着。
5号車のドアが開いて乗り込むのだ。
えっと、13のB、13のB・・・お、ここだ!
すでに13-A(拙者の横の窓際の席)には先客が座っておりました。
サラリーマン風のおっさん・・・・・
見目麗しい若いお嬢さんが隣の席だったらなぁ、というオレの淡い期待は海の藻くずととなって消え去っていったのである。
(淡い期待に関しては前回の妄想日記を読まれるがよかろう)
まぁ、そのサラリーマン風のおっさんにしてもおそらくは「隣の席には30前後の色っぽい未亡人が座ってくれればなぁ。その後の展開次第ではあんなことやこんなことになって、むふふふふ」と妄想を膨らませていたであろうことを思えば、ここは引き分けということで話をつけようではないか。
隣の席のおっさんは、列車が動き出すやいなや駅弁を広げて食べ始めよった。
オレもカツサンドを、と思ったのだが、肝心のビールをさっき飲んでしまったので車内販売が来るまでは我慢我慢。
おっさんは弁当を食い終わるとすぐに腕を組んで居眠りの体勢に。
日本のモーレツサラリーマンはわずかな自由時間でも仕事のために体を休めねばいかんのであろうなぁ。
がんばれ!日本のサラリーマン!!!
新神戸を過ぎてしばらくしたらようやく車内販売のカートがやってきましたよ、嬉しい!嬉しい!
おねーさん、ビール!ビール!!!ビール下さい!!
え、売ってくれるの?
ほんとに?
嬉しい!!ありがとー!!
おねーさん大好き!!!
あまりに嬉し過ぎて車内販売のねーさんにキスしたくなったんだけど「中年男、新幹線内で車内販売の女性従業員に猥褻行為」というニュースタイトルが頭に浮かんだので、さすがに冷静になってお金を払って缶ビールを受け取ったのでありました。
と、ここまで書いて・・・・・・・書くのに飽きた(笑)
ま、この旅はハプニングもなく波瀾万丈の展開になるわけでもなく、もちろん旅先でのラブロマンスなどもないわけでこの先特に書くようなこともないのですよ。
とはいえ、タイトルを「2015ビールの旅」としたのでビールの記録だけは記しておこうと思う。
新幹線ではカツサンドを食べながら缶ビール1本。
広島から在来線に乗り換えて車窓から瀬戸内海の風景を眺めながら缶ビールを1本。
田舎の叔父宅に到着すると、酒好きの叔父が待ち構えており
「おう、よう来たのう。お疲れさん」と言いつつ冷蔵庫から数本のビールを出してきて「やれ飲め!それ飲め!すぐ飲め!どんどん飲め!」と攻め込んでくるので
オレも「やれ飲む!それ飲む!すぐ飲む!どんどん飲む!」と攻め返す。
テーブルの上には叔父が釣ってきた魚料理がずらり。
刺身、煮物、骨ごと叩いて揚げたさつま揚げ、叔父が最近凝ってるという薫製。
それらをつまみながら明るいうちから飲み始めて気付けば外は暗くなっておりました。
ビールから焼酎に移行してしばらくしたらテレビでサッカー日本代表のワールドカップ予選を見てる最中に叔父はつぶれて寝てしまいよったよ。
翌日になって本人曰く「あれは、つぶれて寝たんじゃなく。翌日の釣り(ほぼ毎日3時起きで釣りに行ってるらしい)に行くために早寝しただけ」だって。
翌日は母を連れて帰阪するために昼前の電車に乗るつもりだったので「新幹線でビールと駅弁だな、むふふふ♪」と思っておったところ、叔母が「それなら早めのお昼御飯を用意しちゃげるけん、それ食べてから帰りんさい」と言ってくれたのだよ。
せっかくなので厚意に甘えて叔母の手料理で昼食。
「冷蔵庫にようけビールが冷えとるけん、なんぼでも飲んでええよ」という叔母の言葉にさらに甘えて昼食を摂りながら缶ビールを2本。
母と一緒の帰りの新幹線。
既に昼食も食べてお腹は空いてはおらんのだけど、やはり電車でビールを飲まないと旅情気分が味わえないのだなぁ、これが。
なので、車内販売がやってきたときにビールとサンドイッチ買いました♪
約4時間で実家着。
さすがに母も疲れた様子だったので夕食は俺が近所のスーパーに行ってパックのにぎり寿司を買ってきた。
それをつまみながら飲んだ缶ビールがこの旅の〆であった。
※今日の記事がいつもと違う文体なのは旅行中に椎名誠の昔のエッセイを読んでた影響(笑)
ちょっと田舎で撮った写真も貼っておきます。
観光のために整備された「白壁の町並み」
町並みの保存地区らしい。
拙者が子供の頃はこんなんはなかったなぁ。
金魚提灯は昔からの名物。
拙者のじいちゃんも作ってたなぁ~
カレーの日々 6/14更新~
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