夜に姑のお世話に行った。
姑はいう。
頭が混乱してしもてな
大切なことを言いたいんやけど、分からへんねん
何から謝ったらええんやろ
かっこわるいことや
私の心がみんなに伝えられへんねん
心が繋がってるだけではあかん、ちゃんと口で言わなあかん
けどな
その言葉がでてこうへんねん
それが恥ずかしい
◯◯が家長やし、にぎやかで明るい家庭にしてや
みんなが安心する方法を考えてるねん
おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?
なあ、おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?
姑は、強く私の腕を握った。
すごい力だ。
落涙する。
おかあさん、みんな分かってるんだ。
言葉が出てこなくて、話そうとした途端に、口の端から言葉が逃げて行って、不甲斐ないのだ。
おかあさん、と言いかけたその時、姑が再び口を開いた。
お国の一大事なんやしな。
トイレにちゃんと座れたし、セーフや♪
お、おや?
なんだか切り替わっちゃった?ww
義理姉によると、姑の話すことは、どんどん記憶を遡っている。
少し前まで、恐らくは、独身時代のことが、話に混ざっていたのに、今日は、小学校の時のことになっているという。
学校行きたくないねん
連絡しといてな
おかあさん、女学校に連絡したらいいですか?
いや、小学校やて
もう今日は行かへんし
ちゃんと連絡してな
爆弾が落ちてくるねん
爆弾?
そこで、義理姉は、気づいたという。
姑が戦時中のことを話しているのだと。
けれど、戦時中にはもう20代だったはずだけれどな。
記憶が混乱しているのだろう。
年をとても重ねると、記憶はどんどん後退すると聞いていた。
幼少期の、特に女性の場合、結婚以前の思い出のほうが強く残るのだと。
その実例を目の当たりにして、考える。
幼い頃の経験って、一体どれほど、それ以降の人生に影響するのだろう。
一枚の写真が、夫から送られてきた。
アジアの犬です。
かわいいな。
けれど、なんだか哲学してる?ww

姑はいう。
頭が混乱してしもてな
大切なことを言いたいんやけど、分からへんねん
何から謝ったらええんやろ
かっこわるいことや
私の心がみんなに伝えられへんねん
心が繋がってるだけではあかん、ちゃんと口で言わなあかん
けどな
その言葉がでてこうへんねん
それが恥ずかしい
◯◯が家長やし、にぎやかで明るい家庭にしてや
みんなが安心する方法を考えてるねん
おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?
なあ、おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?
姑は、強く私の腕を握った。
すごい力だ。
落涙する。
おかあさん、みんな分かってるんだ。
言葉が出てこなくて、話そうとした途端に、口の端から言葉が逃げて行って、不甲斐ないのだ。
おかあさん、と言いかけたその時、姑が再び口を開いた。
お国の一大事なんやしな。
トイレにちゃんと座れたし、セーフや♪
お、おや?
なんだか切り替わっちゃった?ww
義理姉によると、姑の話すことは、どんどん記憶を遡っている。
少し前まで、恐らくは、独身時代のことが、話に混ざっていたのに、今日は、小学校の時のことになっているという。
学校行きたくないねん
連絡しといてな
おかあさん、女学校に連絡したらいいですか?
いや、小学校やて
もう今日は行かへんし
ちゃんと連絡してな
爆弾が落ちてくるねん
爆弾?
そこで、義理姉は、気づいたという。
姑が戦時中のことを話しているのだと。
けれど、戦時中にはもう20代だったはずだけれどな。
記憶が混乱しているのだろう。
年をとても重ねると、記憶はどんどん後退すると聞いていた。
幼少期の、特に女性の場合、結婚以前の思い出のほうが強く残るのだと。
その実例を目の当たりにして、考える。
幼い頃の経験って、一体どれほど、それ以降の人生に影響するのだろう。
一枚の写真が、夫から送られてきた。
アジアの犬です。
かわいいな。
けれど、なんだか哲学してる?ww
