英語な日々

京都在住の英語講師のと猫と英語と美味しいもののお話。
時々、脳動脈瘤のお話もね。

センター試験『英語』5番の『悲しい物語』(追記あり!)

2020-01-19 | 受験・生徒・勉強・学習
センター試験、1日目の夜、各学科の問題が発表される。
最後の発音問題(今年度で発音問題は姿を消す。)は、過去問に何度も出ている単語のオンパレードで、ホッとする。
直前の授業で、過去問の発音問題の徹底演習を行ったのは、正解だったな。

順に問題を見ていくと、いつも通りの問題構成で、去年よりもわずかに難しい気もするけれど、センター試験の王道の,
生徒にとっても、『いい問題』だと感じる。

大問5まで読み進む。
山で飼い犬とはぐれて以来、犬を探し続ける主人公の話である。

いつもの散歩で山に行って、主人公と犬はクマに遭遇する。
犬はおそらく飼い主を守ろうとして、クマを追いかけて、そのまま行方不明になる。
以来、飼い主は、山が呼んでいるような不思議な感覚に駆られて、山に登って犬を探し続ける。

ある日、いつもとは違う雰囲気を感じる中、慣れた山道で道に迷う。
どこからともなく老人が現れて、山頂まで誘導してくれる。
飼い主は『自分の犬を探して山に入った。』と老人に打ち明ける。
その犬は、ジャーマンシェパードで、以前警察犬をしていたが、怪我のせいで、自分の元にやって来た、以来ずっとそばにいてくれていたと。

老人は、笑いながら、自分もドイツ系で、以前警察官をしていたことがあったが、その後はずっと警備員をしていた、という、なんだか境遇が似ているね、と。
そして、飼い主が犬のことを嘆くと、『きっと犬は、諦めずに探してくれてありがとう、と言っているよ。』と語りかける。

飼い主は疲れが出たのか眠ってしまう。
目覚めると、老人はいない、待っても戻ってはこなかった。
その時、飼い主は、犬のタグが落ちているのに気づく。
そこには、その犬の名前が記されていた。
すると後ろから、小さな鈴の音がする。
振り返ると・・・

『そこで見たものは、私の中に様々な感情を湧き上がらせた。』
『しばらくして、私は『旧友』の首にタグをつけ、『山がくれた贈り物』を連れて山を降りた。』
(本文訳)


問題を解くのも忘れて、号泣です。
『動物もの』に極端に弱い。
うちのデブ猫が行方不明だった時のことを思い出す。
『あの子が戻ってこなかったら、そして、こんな風な再会になったら、どうだっただろう。』などと考える。
一も二もなく号泣です。

大学入試センターさん、こんな悲しい話を出すのはやめてくだされ!
最終文で、『My soul felt very much complete.(私の心は満たされた。)』って書いてあって、いい話風にはなっているけれど。
来年からは、センター試験は名前を変えて、リスニングと読解問題だけの『大学入学共通テスト』となる。
こんな読解問題を出されたら、また解くのを忘れて泣かなきゃならない。 ww


ー行方不明になったけれど「生きて」戻ってきた猫ー


ここから、追記です。
ところで、一晩中、いろいろ考えていた。
犬が死んでいたならば、この主人公(女性)は、40キロはあろうかというジャーマンシェパードの腐乱死体(行方不明になって日数が経っている。)を抱えて帰らなければならない。
犬が生きていたなら、主人公を助けてくれた老人は、一体何者?
犬の魂じゃなかったの!!?

今日になって、友人と色々話していて、結局こういう結論に至った。

鈴の音に振り返ると、そこには、愛する犬がいた。
様々な感情が溢れかえる。
その犬の首に、タグをつけてやり、『山の贈り物』に感謝しながら、私は山を降りた。

そうすれば、犬の言いたかった言葉を伝えた老人は、山の神様だということになるし、『山の贈り物』は『犬を生きて帰らせてくれた』ことになる。
センター問題の長文としては、めでたし、めでたし、的な?ww

けれど、私なら、 made my way home ではなくて、made our way home にするんだけれどな。 愛する犬と一緒に家に戻るのだから。

いずれにせよ、この部分は『設問』とは全く関係がないので、長文問題としては、問題なし、なのです。
コメント (10)
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