【誕生日】
☆マルセル・レルビエ Marcel L'Herbier (1888.4.23~1979.11.26)
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サイレント時代に美術的過ぎるフォトジェニー映像で映画芸術を極めたフランスの映画監督です。
パリで建築家の家庭に生まれました。1910年に文学士号を取り、1913年に最初の詩集『秘密の遊びの庭園にて』を出版して
戯曲や詩などを書き始めました。
1914年に勃発した第一次大戦で陸軍の映画班に所属したことで映画に強い関心を持つようになり1918年にはルイ・メルカトン
監督の『呪の瀧』の脚本を執筆、1919年には陸軍映画班の戦意昂揚映画『ローズ・フランス』を監督しました。
1920年に第二作目の『真実の謝肉祭』をとった後、彼の代表的初期作品『海の人』の監督に当たりました。この原作小説は
バルザックのブルターニュ地方の海辺を背景にした『海辺の悲劇』で、レルビエは自然描写と人間描写の激しい対立から
悲劇感を強調するとともに印象派絵画に通じる視覚の美しさによって美術的過ぎるフォトジェニー系の作品に仕上げました。
これは同じ時期にフランスのルイ・デリュツク監督の提唱したフォトジェニー説を映画で実践したものでもありました。
翌1921年のアンダルシアの踊り子の母性愛をテーマにした『エル・ドラドオ』においてもスペインの地方色のデフォルメ
された絵画的な美しさに加えて技術的な工夫を凝らし、スペインの街並みや酒場の描写では映画の造形美をいかんなく発揮
させました。
1924年の『人でなしの女』では造形美に文学的ファンタジーを盛り込みましたが俗小説的な仕上がりに終わり、1925年の
『生けるパスカル』においても独特の造形美を武器に、映画における自然美の描写は反演劇の主張であるという自己主張を
実践させましたが、それ以降は商業的に折り合うような作品となっていきました。
しかしながら、映画芸術が輝いていたサイレントのモノクロ時代に、造形美に対する鋭敏な感覚やデフォルメによって真実を
掴もうとする創意は将来の映画の世界において大いなる暗示を与えたとして現在でも高く評価され、視覚的なサイレント
映画に先駆的な芸術実験を行った功績はあまりにも多大でありました。
【主要監督作品】
1919年『ローズ・フランス』Rose France
1920年『真実の謝肉祭』Le carnaval desvérités
1920年『海の人』L'Homme du Large
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1921年『エル・ドラドオ』El Dorado
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1924年『人でなしの女』L'Inhumaine
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1925年『生けるパスカル』Feu Mathias Pascal
1926年『幻影』Passionate Love Le Vertige
1928年『春来りなば』Le diable au coeur
1934年『かりそめの幸福』Le Boonheur
1935年『戦ひの前夜』Veille d'Armes
1938年『佛蘭西座』Adrienne Lecouvreur
☆フランク・ボザーギ Frank Borzage (1893.4.23~1962.6.19)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/85/cc8a0786af49ba9b940acffee451b8c8.jpg)
サイレントからトーキーをまたいで感傷的な雰囲気作家として活躍したハリウッドの映画監督です。
ユタ州ソルトレイクシティで生まれ、少年時代に旅役者の劇団に入り俳優を目指して1913年にハリウッドに入りました。
そこで西部劇のエキストラや端役を演じていた時に、トーマス・H・インスの指導によって監督に携わるようななりました。
サイレント時代の1920年に『ユーモレスク』で初監督になると、1927年の『第七天国』、1928年『街の天使』と感傷的な
ヒット作を連発して一気に名声を高め、トーキーに入ってからも『戦場よさらば』や『歴史は夜作られる』などで観客の
涙腺を緩め、40年間抒情と感傷とロマンティシズムの世界一筋にひたり込みリリシズムの薫り高い快作を提供し続けました。
1950年代も監督として活躍していましたが、1959年の『聖なる漁夫』の制作で財政的に失敗して引退を余儀なくされ、
ロマンティックな職人監督の幕を閉じてしまいました。
【主要監督作品】
1920年『ユーモレスク』 Humoresque
1927年『第七天国』 Seventh Heaven
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1928年『街の天使』 Street Angel
1930年『リリオム』 Liliom
1932年『戦場よさらば』 A Farewell to Arms
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/31/209d66f59ff11eab714810f5ee2a4c88.jpg)
1936年『真珠の頚飾』 Desire
1937年『歴史は夜作られる』 History Is Made at Night
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1938年『三人の仲間』 Three Comrades
☆サンドラ・ディー Sandra Dee (1942.4.23~2005.2.20)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/72/05d32977649ddf9ac034e1b9ea021fe0.jpg)
1960年前後に青春アイドルスターとして輝いたハリウッドの女優です。
ニュージャージー州バイヨンで生まれ、ニューヨークのプロフェッショナル・チルドレン・スクールを卒業後、12歳で
少女ファッションモデルになり、TVコマーシャルなどに出ているときにユニヴァーサルのプロデューサーに見出されて
1957年に "Until They Sail" で映画デビュー、1959年の映画『避暑地の出来事』の主役でティーン・アイドルとして
人気者になりました。1961年の映画『九月になれば』で共演したボビー・ダーリンと19歳で結婚したのですが、その後
作品に恵まれず、お茶を濁す程度の軽いB級ロマンティック・コメディなどに出演、1967年の離婚で一気に仕事も減り
晩年はアルコール障害に悩んでいたようです。
【主要出演作品】
1959年『悲しみは空の彼方に』Imitation Of Life
1959年『避暑地の出来事』A Summer Place
1960年『黒い肖像』Portrait In Black
1961年『九月になれば』Come September
1962年『電話にご用心』If A Man Answers
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1963年『タミーとドクター』Tammy And The Doctor
1963年『恋愛留学生』Take Her, She's Mine
1964年『彼女は億万長者』I'd Rather Be Rich
☆ルート・ロイヴェリック Ruth Leuwerik (1924.4.23~2016.1.12)
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ドイツのエッセン生まれで1950年代の西ドイツを代表する人気女優です。
第二次大戦後に速記者として仕事をしていた頃に演劇に興味を持ちはじめ、ドイツ各地の舞台でゲーテやシェイクスピア劇を
演じて注目されました。1950年に映画界入りし、1955年の『帽子の中の13』で映画デビューを果たしました。
1955年『ルートヴィヒ2世 - ある王の栄光と没落』で西ドイツのトップ女優となり、以後は『菩提樹』などの音楽映画で活躍、
ドイツ映画界のファースト・レディと称されるようになりました。
1960年代は映画からTVへ転向して世紀を超えて活躍を続けていたようです。
【主要出演作品】
1955年『ルートヴィヒ2世 - ある王の栄光と没落』Ludwig II. – Glanz und Elend eines Königs
1956年『菩提樹』Die Trapp-Familie
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1957年『朝な夕なに』 Immer wenn der Tag beginnt
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1958年『続・菩提樹』Die Trapp-Familie in Amerika
1958年『鉄条網』Taiga
1960年『三色すみれ』Eine Frau fürs ganze Leben
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【ご命日】
★オットー・プレミンジャー Otto Preminger (1905.12.05~1986.4.23)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/89/2327ad12358887249605dc111d1350ee.jpg)
ウィーン出身で、ダイナミックな演出により数多くの異色作を残した俳優・映画監督。
主な監督作品として『ローラ殺人事件』『帰らざる河』『黄金の腕』『或る殺人』『野望の系列』などがある。
★ポーレット・ゴダード Paulette Goddard (1910.6.03~1990.4.23)
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モデル出身で映画界入りし、一時期チャップリンと結婚生活をともにしたアメリカの女優。
主な出演作品として『モダン・タイムス』『チャップリンの独裁者』『北西騎馬警官隊』などがある。