任侠ヘルパー スペシャル ＊感想＊

＊　任侠ヘルパー　スペシャル　＊　　番組HP
「完全新作！介護への華麗なる転身を遂げたあの極道たちが帰ってくる！今の日本をぶっ飛ばせ！！」

あれから一年後・・の極道から足を洗った彦一（草なぎ剛）の生活と
彦一＆晶（夏川結衣）のラブストーリーに　りこ（黒木メイサ）の彦一への想い
りこや二本橋（宇梶剛士）らの鷲津組への憤懣と　隼會と鷲津組の対立
独居老人の孤独に　そんな老人を狙うビジネス・・・と
相変わらず　あれもこれもと　てんこ盛り状態のストーリーね(笑)。
そして　ずいぶんとエンターテイメント部分に重点を置いて描いているなあといった印象も受ける。

放送時間をギリギリまで使い　伝えたいコトを思いっきり詰め込んで作られる　
このドラマ特有のスタイルは好きだったので　このてんこ盛り状態は嫌いではないのだけれど
連ドラの時よりもエンターテイメント部分に力を入れているため　
独居老人にまつわる問題の描写が　若干薄い印象を受けるのが残念。
見るのは辛いけれど　決して目を逸らしてはならない老人の抱える問題に真正面から向き合い　
浮かび上がってくる問題に　彦一が歯に衣着せぬ物言いで切り込んでいくところが
このドラマの最大の面白さだったと思うのに・・・。
会社員時代の名刺を大切に持っているタチバナ（ベンガル）を見て　「こんなの、ただの紙切れだろ？」と呟いたり
自分の価値観を押し付けようとしがちな　さなえ（ミムラ）に　「孤独は選ぶもんだろ？」と語る彦一の言葉には
連ドラの時の彦一らしさは見られるけれど　連ドラの時ほどのインパクトは感じられないように思う。
（独居老人と呼ぶには　タチバナが若すぎるというのも違和感。
今の日本じゃあ　彼くらいの年齢では　老人とは言えないのでは？）

・・・などと　（連ドラが　とても良かっただけに）アレコレ不満をぶちまけてしまったけれど　
彦一ファンのアタシとしては　彦一のその後がタップリ見られる　今回のスペシャルドラマには満足もしているのよねぇ。　
「てめぇ、何ぬかしてんだよ！」などと園崎（大杉漣）に悪態をつきつつ　黄色いポロシャツに着替える彦一が可笑しい。
連ドラの時には　抑え気味に描かれていた彦一の晶への想いが　今回は　しっかり描かれていることも嬉しい。
晶を労わり優しい言葉をかける彦一と　そんな彦一をからかう晶のシーンや　二人が手を握りながら歩く海辺のシーン
晶が助かる見込みが無いと知り　涼太（加藤清史郎）と背中合わせになって涙を流す様子や
奇跡的に意識を取り戻す晶を見て　嬉しそうに仲間を呼びに行き　指輪をロッカーから取り出す様子などなど
彦一の晶への愛が伝わってくるシーンの数々に　胸が熱くなった。

やられたからにはキッチリやり返すという　彦一らしい落とし前のつけ方や
そんな彦一や息子の三樹矢（薮宏太）　かつての舎弟・五郎（五十嵐隼士）らの尻拭いを引き受け
「元気元気・・」と意に介さぬ顔で呟く大物ぶりを見せてくれる鷹山組長（松平健）の様子など
これぞ任侠モノ！といった　このドラマのもうひとつの魅力は堪能できたし　楽しめるドラマだったと思う。

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