ポイント還元、ほぼ「減税」 与党内からもバラマキ批判
政府が来年10月の消費増税の対策として導入するポイント還元制度について、安倍晋三首相は22日、還元率を5%にし、増税後9カ月間実施すると表明した。これまで検討していた2%を大幅に上回る還元率を打ち出すことで、参加する事業者を増やすとともに、増税後の消費の落ち込みを防ぐ狙いがある。増税分を上回る大盤振る舞いの「官製セール」に、与党内からも「バラマキ」との批判が上がる。
消費増税実施後、クレジットカードなど対象のキャッシュレス決済で千円の商品を買い、10%分の消費税を含めて1100円を店に支払うと、50円分のポイントがたまる。結果的に1050円で商品を買えることになり、消費税率はいまの8%から5%に減税されるようなものだ。軽減税率が適用になる飲食料品などは実質的に税率は3%になる。
「2%では、消費を動かす効果は薄いという議論はもともとあった」。ポイント還元の制度設計を担う経済産業省幹部は解説する。
経産省は当初、増税後に中小小売店で現金を使わない「キャッシュレス決済」をした買い物客に、増税分と同じ2%分のポイントを還元し、その費用を国が補助する案を検討していた。増税時の駆け込み消費やその反動減を抑えるとともに、中小小売店にもキャッシュレス決済を普及させようとのねらいだった。
だが、当の中小小売店などからは「キャッシュレス決済をする客なんていない」との声が続出。経産省内でも増税分を相殺するだけでは店側も客もメリットを感じないとして、還元率アップが必要との意見が出ていた。
クレジットカードなど対象のキャッシュレス決済必要性ありますか
そんな仕組みで得をするのは誰