気象庁によると、今回の熊本の地震は、地盤が南北方向から引っ張られたことによる横ずれ断層型とみられる。今後1週間は、最大震度6弱程度の地震に注意が必要となる。

 同庁の松森敏幸・地震津波監視課長は記者会見し、「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まる恐れがあり、今後の地震活動や降雨の状況に注意してほしい」と呼びかけた。

■気象庁「熊本地震の余震ではない」

 気象庁は熊本県で最大震度6弱を観測した地震について、震源が2016年の熊本地震の震源域から北に約20キロ離れていることから「熊本地震の余震ではない。別のもの」との見方を示している。

 3日記者会見した松森敏幸・地震津波監視課長によると、今回は地震活動が活発ではない場所で発生し、活断層の存在も確認されていない。発生のメカニズムは、南北方向に引っ張られて起きる「横ずれ断層型」と推定している。

 松森課長は今回の地震を「震源が浅いため、すぐ上は揺れが大きく、離れるにつれて急激に小さくなった」と指摘。熊本地震が誘発したかどうかは「分からない」とし、熊本地震の余震が再び活発になる恐れは「低い」と語った。

 被害の確認、本格化=震度6弱、熊本・和水町で27人が避難所に―九州新幹線が再開

最大震度6弱を観測した地震から一夜明けた4日、熊本県和水町では町職員や消防隊員らが被害状況の確認作業を本格的に始めた。3日夜までに人的被害は確認されなかったものの、同町は2カ所の避難所を設置。同日午後11時すぎ時点で、19世帯の計27人が身を寄せ、不安な夜を過ごした。

 町によると、空き家のブロック塀が倒壊したほか、神社の鳥居が損傷。小学校と中学校の1校ずつでガラスが割れるなどした。

 熊本県も4日朝から、災害対策本部を開催。被害やインフラなどに関する情報を収集し、対策を協議する。

 一方、地震の影響で3日の運転を取りやめた九州新幹線について、JR九州は4日始発から運転を再開した。