地球の「磁場」の動きが活発化、原因は研究者にも不明
地球の磁場は40億年ほど前に誕生したと考えられていて、最新の磁場モデルは2015年に発表されました。このモデルは2020年までは持続すると考えられていましたが、急速な磁場の活発化によって、モデル修正が必要な事態になっていることが明らかになりました。「磁場」の存在は、日常生活で強く意識することはありませんが、生活の中で用いられている技術にとっては非常に重要な存在です。たとえば、Googleマップのナビゲーション機能で自分の向いている方向がほぼ正しく表示されるのは、GPS(全地球測位システム)と地磁気センサーを用いて現在地と向いている方向を割り出しているからです。
ところがいま、この磁場の急速な変化が起きているのだそうです。原因の1つと考えられるのが「地球の磁極の移動」です。
磁石に必ずN極とS極が2つ一対で存在するように、巨大な磁石である地球にも2つの磁極があります。北半球にあるのが「北磁極」、南半球にあるのが「南磁極」で、それぞれ極点(北極点・南極点)とは1000kmほど離れています。北極点・南極点があくまで地理学的に定められた地点であるのに対して、北磁極・南磁極は地磁気の変動によって移動することがあります。
京都大学大学院理学研究科附属地磁気世界資料解析センターが作成した、12世代の国際標準地球磁場(IGRF-12)に基づいた磁極の位置の変遷がコレ。
南磁極は南極大陸から南極海のインド洋側へと北西に移動。
一方、北磁極は1980年はカナダのヌナブト準州内にありましたが、ぐんぐん北進して2010年に北極海・北緯85度に到達。2015年はさらに高い緯度に移動。2018年の点は描かれていませんが、日付変更線を超えて西半球から東半球に入ったとのこと。
この北磁極の急速な移動によって、北極のように磁場が急激に変化している地点では磁場モデルの誤差が大きくなっています。磁場モデルの誤差が大きくなっているということは、そのモデルを使用しているデータでエラーが出やすいということです。
研究者らはさらなる原因として、コア深部から発生する「流体磁気」を指摘しています。北磁極は、カナダとシベリアの地下にある2つの大きな「磁場の斑点」による影響で動いていると考えられていますが、流体磁気のジェット波がカナダの地下の磁場の力を弱めた結果、北磁極がシベリア側に引っ張られているという見方です。
ただ、具体的なことはわかっておらず、これからの研究の進展が待たれます。
こんな映画があったような。。。。。。
北極は科学者が言葉にできないほど異常な状態にあることが判明......こんなこともありました
2018年1月から2月にかけては記録的寒波が日本列島を襲い、通常はほとんど雪が降らない地域でも大雪が降るなど異常気象に見舞われました。しかし、北極海では記録的な温暖化が発生しており、ベーリング海の海氷面積が異常なスピードで減少していることがわかっています。北極で発生している記録的な温暖化とベーリング海の海氷面積が減少している状況をカリフォルニア大学の気候科学者であるZachary Michael Labe氏がTwitterでいくつかの画像を使って伝えていいます。
約20年後の2000年には厚さが1.5m以上の部分の広さはほとんど変わっていないものの、全体的に海氷の厚さが薄くなっています。
2009年には1.5m以上の厚さの氷がほとんどなくなり……
2016年にはさらに範囲が狭くなっています。