goo

荒川洋治を知っていますか?

 文学には目に見える現実を超えた「現実」が描かれており、それを知るか知らないかで人生は一変する。文学は力を持っており、そうした実学の面にもっと注目すべきだろう。

 本を読むことは簡単ではない。それはコンピューターゲームのように誰かが作った世界を受動的に楽しむのではなく、(想像力で)能動的に世界を作りあげる必要があるからだろう。しかし、その過程こそが人間性をはぐくむのだ。実学としての文学の魅力はもっと理解されるべきだと思う。

 きのうの日経新聞夕刊文化欄に掲載された、詩人荒川洋治文学は実学 人生一変のなかの柱となるところです(全文は、教室にコピーして貼っています。ぜひ読んでみてください)

 荒川洋治は、’70年代から今日まで、文学の最前線をリードしてきた天才詩人(陳腐ではないですよ。他にふさわしい詩人などいませんから)です。

 氏はこの10年、自身を「現代詩作家」と名乗っています。「『詩人』という肩書きで、イメージが固定することを避けたかったから」という理由のようです。

 しかし、荒川氏の詩群に大きな(決定的な)影響を受けた者としては、「現代詩作家」などといういつまでたっても馴染まない、氏らしくもない造語よりも、天才詩人としての仕事の幅をもっともっと拡げていってほしいものです。もちろん、耳慣れないからこそ、が、氏の戦略のひとつなのかもしれませんが。

 秋の夜長、たまには、いまの日本語表現に大きな影響を与えた詩人の詩作品を朗読してみてください。

 
読みやすい
ものではないかもしれませんが、「一度二度読んでみる」のと、「全く知らないで生きていく」ではずいぶん違ってくる気がします。ひょっとすると、夕刊のタイトルのように人生が一変するひとがいたりするかもしれません

 大型書店ですぐに手に入る本は、

 ・思潮社,現代詩文庫75『荒川洋治詩集』  1165円+税

 ・思潮社,現代詩文庫103『続・荒川洋治詩集』 1165円+税

 です。

 2冊だけで半年、1年、いえいえ半永久、楽しめます。

 速読なんてくだらない! と思うかもしれません。でも、ユルユルと読む読書・遅読を知るからこそ、速読のチカラと重要性も理解できるようになってくるものなのです。  

 

 ※追記:2011-11-17文学は力を持っており、そうした実学の面にもっと注目すべきだ

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 修了証書 キルギス錐情 »