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クリエイト速読スクールブログ
莫大な科目数にどう対処するか?
公務員試験の科目数や勉強量のボリュームに圧倒されそうになるのは、殆どの公務員試験受験生に共通すると思われます(私個人も最初はそうでした)。
では、この莫大な科目数をどうこなしていくのが良いのでしょうか。私が思うに、他の科目への波及効果の大きい科目を最初に勉強することが大事だと思います。そのような科目として、経済原論、民法、世界史が挙げられます。
なぜなら、経済原論の学習は、ミクロ・マクロ経済学の問題を対処するだけに留まらず、財政学や経済事情、さらに時事問題の深い理解をもたらします。また、民法の考え方は、憲法の人権分野、さらに行政法といったあらゆる法学への理解を深めるのです。
そしてなにより、世界史の勉強(特にルネサンス以降のヨーロッパ史)をいち早く行うことをお薦めします。世界史は出題されても1問くらいだから捨てよう、とするのは大間違いです。なぜなら、世界史は他の科目への波及効果が一番大きいからです。憲法の統治機構、行政法、行政学系の学問(政治学・行政学・社会学)、哲学、芸術の問題でも、世界史の知識さえあれば簡単に解ける問題が多いです。受験生が多く使うであろう『スーパー過去問ゼミ』(実務教育出版)で難問と書かれている問題でも、世界史の知識さえ使えば、いとも簡単に解ける問題結構あります。法律学や行政系の学問、議会制民主主義など近代化がヨーロッパを基に発展したことを考えると、人文科目の深い理解を得るには世界史の知識が必要不可欠であることがお分かり頂けるかと思います。
このように波及効果の大きい科目をやることは、各科目の勉強をしている際に深い理解をもたらします。また、各科目の勉強をしている際にも、世界史の文脈の中で覚えるようになりますので、記憶の定着力を高めることが出来る、というメリットもあります。
余談ですが、最近の公務員試験の過去問を解いていると、出題者の「受験生は基本を押えているか」というメッセージが読み取れます。丸暗記だけで問題に対応しようとする受験生を、容赦なく叩き落すように問題が巧みに作成されています。問題が解けない理由を知識の不足に求め、また暗記に走る受験生はいくら時間を費やしても、安定した点数を取らせないように問題が作られています。
公務員試験の複数の科目をそれぞれ単独で学ぶのではなく、各科目の融合性を意識することで、理解力、記憶の定着力、更に問題処理能力の向上が期待できるのです。
このブログを読んで、世界史を勉強しようと思った方に推薦書を書いておきます。
① 岡田功著『図解雑学:世界の歴史』(ナツメ社)
② 祝田秀全著『忘れてしまった高校の世界史を復習する本』(中経出版)
③ 『詳説世界史』山川出版社
①の本は、見開き2ページ構成になっているのが特徴です。初心者にも分かりやすく書かれており、なにより右のページに地図が載っていますので、どの場所での出来事なのかが容易に理解できます。
②の本は、時代の特徴と展開を抑えているので、人物や出来事や王朝名の丸暗記になるのを防いでくれます。この本のほうが、①の本より公務員試験対策とう意味では適しているように思えます。
③の本は、高校の世界史の教科書です。ジュンク堂などの大きな書店の世界史コーナーで販売されています。教科書は世界史の初心者が手を出すと、用語の丸暗記にはしる危険性が高いので、①か②の本を読んだ後に、読むのが良いと思います。 大西隆
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