きのう24日・木曜、メール便で書籍が届きました。
生徒さんの山岡隆志さんからでした。
『顧客の信頼を勝ち取る18の法則 アドボカシー・マーケティング』 日本経済新聞出版社 定価1,600円+税
山岡さんは、『キャリアが高まる1日15分速読勉強法』でインタビューに応えてくれた7人のなかの1人です。
冒頭、はじめには、
正直に生きている人が最後は得をする、そんな世の中であってほしいと思います。
正直に経営する企業が最後は得をする、そんな世の中であってほしいと思います。-p1-
という、印象に残る2行からスタートします。
そしてはじめにには、
(中略)
今の時代、ビジネスを行なう上で必要不可欠な「信頼」を、顧客との関係でどうすれば築き上げることができるのか、欧米企業で導入が進んでいる「アドボカシー・マーケティング」と呼ばれる最新のマーケティング理論が、その答えを教えてくれます。
私はマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院(MITスローン)への留学時、アドボカシー理論を提唱するグレン・アーバン教授に出逢い、それから約5年間研究を重ねてきました。研究を深めれば深めるほど、理論の根本が人間の心と心を結ぶ信頼関係をどう作るかという、最も人間味のある部分を基礎としていることが分かり、信頼を重んじてきた日本の文化や商売に非常に合う考え方だと信じるようになりました。
(中略)
しかし、インターネット基盤が整備され、作れば売れる時代は終わり、ビジネスにおいて正直にマーケティングする企業が、最後には大きな収益を生み出す本物が求められる時代がやって来ました。-p3-
と書かれています。
「本物が求められる時代」の太ゴシックは、著者自身のものです。
本書に示される「企業事例」は、豊富です。きっと拾い落としも多いでしょうがここに挙げておきます。
ノードストローム(米百貨店大手)、ユニクロ、宝島社『sweet』、ネスレグループ、ヤマト運輸、MKタクシー、エンタープライズ(北米最大レンタカー会社)、スターバックス、信越化学工業、モスフードサービス、バンガードグループ(投資顧問会社)、オーケーストア、岡永(酒類会社)、テンアライド(居酒屋チェーン「天狗」)、セコム、GE、安川電機(産業用ロボットメーカー)、ローム(半導体メーカー)、シスコシステムズ(米大手通信機器メーカー)、キーエンス(産業用センサ・測定器販売)、ハーレーダビッドソンジャパン、USAA(保険会社)、ニコン、トヨタ自動車、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー、サウスウエスト航空、良品計画、マイクロソフト、リアルキャンパスパーク(特化系SNS)、Z会、TOTO(住宅設備大手)、アスクル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、シーメンス(ドイツ総合電機大手)、メイヨ・クリニック(米ミネソタ州ロチェスター市に本部を置く総合病院)、オービッツ、トラベロシティ、エクスペディア、ジョンディア(商用トラクター販売)、米プログレッシブ(自動車保険会社)、未来工業(電機設備資材メーカー)、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、SASインスティテュート、グーグル、日本マクドナルド、スカンジナビア航空、ベネッセコーポレーション、イケア(スウェーデン大手家具店)、インテル、アマゾン、セブン-イレブン・ジャパン、サントリー。
太ゴシックは、とくに詳しく取り上げられている企業です。
サントリーの「伊右衛門」は、3年前に発売され1年で生産中止になった「熟茶」の失敗が大きく貢献していたのだそうです。
アドボカシーという考え方は、こちらには馴染みやすいものでしたが、詳細な「事例」は知らないことがたくさんありました。
簡単に読み終えてしまうようなビジネス書とは違います。何回も繰り返し読み、自分のなかの知恵の柱を太くするような本です。
『キャリア~』でのインタビューで、山岡さんは、締めくくりに以下のように答えています。
「山岡 ええ、最近では書く立場になり必要とされる読書量は飛躍的に増えました。週にトータルで20冊は読んでいます。いまから思えば、私が速読能力を身につけようと思ったのは、必然だったと思っています。これからのビジネスパーソンにとっては、語学、財務、ITと並ぶ“基本スキル”なのではないでしょうか。一方で、速読さえすれば潜在能力が開花して、いままでと違う自分になれると過剰な期待をされる方がいます。しかし私は、速読は地道に高めていくスキルであって、自分の持つ能力を手助けしてくれるものだと思っています」
山岡さんのような方に、「速読」を「これからのビジネスパーソンにとっては、語学、財務、ITと並ぶ“基本スキル”」とご理解いただいていることが、何よりうれしく思います。 真
※クリエイト速読スクールHP
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