第74期文演(20/2/29~10/17)アンケートからです。
きょうは、大学生のIさん。
2020-09-30「来年度新聞社をメインに就職活動することにしました」のIさんです。
Iさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 当初は司法試験で役立つ文章スキルを身につけるため。司法試験の受験をやめると決めた第2回目以降は、社会人として恥ずかしくない文章を書けるようになるため。終盤にかけては、いつか詩人になりたいと思い、小説家など文章の匠の表現方法を学ぶため。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 文章にはルール、思いやり、努力が必要だとわかった。
まずルールとは、●●●●●●●●●●や記号の使い方などだ。他人の文章を読むさいは、これらができているかをよく見るようになった。
つぎに思いやりとは、読み手にわかりやすい文章を書くことの心がけだ。受講前は自分が伝えたいことをただ並べるだけで満足しており、読み手の理解しやすいような文章を書くという意識はなかった。受講後、太宰治の文章をひさびさに読み、短文や読点、改段落の使い方の秀逸さに感心した。小説家はわかりやすい文章を書く天才だとあらためて思った。
最後に努力とは、推敲に推敲を重ねることだ。文演では文章の批判・検討を何度もくりかえした。そのなかで、細かな部分の欠陥や美点が与える影響力の多大さを実感した。美は細部に宿る。この言葉が最後の授業で頭に浮かんだ。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1「授業前」要約には自信を持っていた。
一回目の提出のさい、課題の文章を間違えてほんらいの二倍以上の分量を要約してしまった。量が多かったぶん時間はかかったものの、要約に入れるべき箇所は明確だった。二回目の提出ではほんらいの文章を要約したが、分量が少なかったぶん大切な点にくわえてどこまでムダを加味すれば良いのか苦戦した。
その後の松田さんの添削では段落ごとの字数配分など細かい指示を受けた。ただ、それらの背後にある意図を考えるまでには至らなかった。
A.3-2「授業後」最終回の松田さんとのやりとりを通じて、自分がおこなっていたことは要約ではなく要旨であることがわかった。要旨はいっさいのムダを排除するが、要約はそうしない。そもそも一流の書き手の書く文章にはムダなど存在しないのだ。一字一句、緻密に計算された文章のなかから書き手の情熱を感じとること、これが要約なのだとわかった。
授業前の添削に込められたメッセージは、文章もコミュニケーションということだと思った。文章は他人に読まれなければ意味がないし、他人に読まれるためには詳細な工夫をしなければならないからだ。自分にとってわかりやすい文章を書いて自己満足していたことを恥ずかしく思った。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 文演は勉強を続けていくにあたって、速読と切りはなすことのできないものだと思った。はじめてSEGの講習で受けた速読講座では、周囲の能力の高さに圧倒され、自分の無力さを痛烈に感じた。今回の文章演習講座では、周りの受講生とくらべて自分がいかに文章表現に関心がなかったのかに気づかされた。速読は勉強の天才たちと、文演は文章表現の天才たちと対峙するためにあるのだと個人的に思っている。
今回の文演での最大の収穫は、最後の授業で松田さんからいただいた言葉だ。センスに依存せず努力を怠らないこと。これは前から私がぼんやりと感じていたことであって、なんとなく言語化することを避けていたことだった。この言葉をズバッと言われたとき、木刀で頭を殴られたような感覚になったと同時に、これは私が高校生のときから松田さんが抱いていた言葉なのではないかと思った。また先日、文演の打ち上げをオンラインでおこなったのだが、参加者のみなさんが文演でも速読でも私よりはるかに努力していることがわかった。細かい努力を続けなければ良い文章が書けるようにならないことは間違いないので、小さなところから積みかさねていきたい。
最後になりますが、コロナ禍で不安定な情況のなか開講してくださり、本当にありがとうございました。文演で学んだことを日々とりこんでいこうと思います。今後一から文章を書く講座があれば、ぜひ受講したいです。
「木刀で頭を殴られたような感覚になった」とは、Iさんらしいです。
Iさんは、大学3年時、剣道四段の審査会に合格しています。
ふだん物静かなIさんが、もっとも段位認定に厳しいといわれる剣道という世界で、21歳で四段を取得しているというのが趣深いです
「努力」家もいいところ、ということになります。一緒に文演を受けた第74期生のみなさんは、全員驚くのではないでしょうか
「いつか詩人になりたい」は、ぜひぜひぜひかなえてほしいです。断念した者の切なる願いです。
Iさんは、再入会。さらに継続して51回(計96回)になりました。
最新スコアです
剣道四段への努力からすれば、まだまだ伸び代がありそうです。
「Iさんの再入会受講51回目(計96回目)の主なスコア20/11/29」よこサッケイド70 数字ランダム56・65 数字BP28-1(1分)・52-4(2分)漢数字一行〇→4,474、四→4,464、三→3,240 たて一行ユニット118・118 スピードチェック38/40(46秒)・38/40(47秒)ロジカルDタイプ28/30(2分48秒)・29/30(2分52秒)イメージ記憶14/40(30秒)25/40(30秒)イメージ読み83個(30秒) 倍速読書『アパレル興亡』10,500字/分・理解度A-「最初は目の動きが重かったが、51回のうちで一番ガッツが出た。あごをひくと視野が広がったので、姿勢が大事だと思った」※数字ランダム・漢数字一行は、前回のスコアです。
「あごをひくと視野が広がったので、姿勢が大事だと思った」は剣道の達人と知ってしまうと、別の味わいのあるコメントになるのではないでしょうか。
「来年1月末まで、卒論やテストで忙しいですが、通えるときに通います」とメールが届いています。
剣道に、速読に、Iさんに道をつけてくれた親御さんに感謝ですね。 真
※クリエイト速読スクールHP