青春出版社、2011年。
最近気になる患者さんがいて、今まで手を付けてこなかった分野なので手元にあった入門書を読んでみました。
著者は心療内科医(専門は児童精神医学)、肩書きは福島学院大学教授で、発達障害関係の著作がいくつもあります。
この本も、わかりやすい言葉で丁寧に説明されており、好感が持てました。
著者は「発達障害」を「発達アンバランス症候群」と呼ぶべきである、と主張しています。
成人の痴呆症→ 認知症、精神分裂病→ 統合失調症と、マイナスイメージのある文字を消してきたのに対して、子どもの病気には「障害」とマイナスイメージを固定するような表現がされることに私も違和感を持ってきましたので、賛同します。
そして問題なのは、発達障害を抱える子ども達へのケアが不十分なために、合併症・二次障害を発症して将来の社会生活に支障が出ることを指摘しています。
発達障害そのものは遺伝的要因が大きいとされています。
しかし、近年の発達障害増加傾向や合併症・二次障害の発生は環境要因が大きいらしい。
著者は「脳の機能障害が増えたからではなく、発展途上にある子ども達に不適切な子宮内膜環境、社会環境、家庭環境があり、それらの要素が複雑に絡まり合っている」と推論しています。
大切なのは認識・受容してサポートすること。
サポートのキーワードは「母子関係」そして肝は「母親の笑顔」。
その母親の笑顔のためには「良好な夫婦関係」が必要と記しています。
まあ、他の児童精神医学の書籍と同じ論調ですね。
う~ん、ここでも父親が諸悪の根源のように書かれているのが残念です。
日本の年間自殺者は3万人、そのうち7割が男性です。
つまり、日本男性は社会に追いつめられ、家庭でも居場所が無く自ら命を絶つ傾向があります。
その事実に触れられていません。
その父親に「母親が笑顔でいられるようにサポートしましょう」と言葉で云ってもできるわけがないと思います。
すると、子どもの問題はやはり「社会的弱者にしわ寄せが来ている」と云うことになってしまう。
社会が父親に優しければ、母親も子どもも笑顔になれるはずなのに。
最近気になる患者さんがいて、今まで手を付けてこなかった分野なので手元にあった入門書を読んでみました。
著者は心療内科医(専門は児童精神医学)、肩書きは福島学院大学教授で、発達障害関係の著作がいくつもあります。
この本も、わかりやすい言葉で丁寧に説明されており、好感が持てました。
著者は「発達障害」を「発達アンバランス症候群」と呼ぶべきである、と主張しています。
成人の痴呆症→ 認知症、精神分裂病→ 統合失調症と、マイナスイメージのある文字を消してきたのに対して、子どもの病気には「障害」とマイナスイメージを固定するような表現がされることに私も違和感を持ってきましたので、賛同します。
そして問題なのは、発達障害を抱える子ども達へのケアが不十分なために、合併症・二次障害を発症して将来の社会生活に支障が出ることを指摘しています。
発達障害そのものは遺伝的要因が大きいとされています。
しかし、近年の発達障害増加傾向や合併症・二次障害の発生は環境要因が大きいらしい。
著者は「脳の機能障害が増えたからではなく、発展途上にある子ども達に不適切な子宮内膜環境、社会環境、家庭環境があり、それらの要素が複雑に絡まり合っている」と推論しています。
大切なのは認識・受容してサポートすること。
サポートのキーワードは「母子関係」そして肝は「母親の笑顔」。
その母親の笑顔のためには「良好な夫婦関係」が必要と記しています。
まあ、他の児童精神医学の書籍と同じ論調ですね。
う~ん、ここでも父親が諸悪の根源のように書かれているのが残念です。
日本の年間自殺者は3万人、そのうち7割が男性です。
つまり、日本男性は社会に追いつめられ、家庭でも居場所が無く自ら命を絶つ傾向があります。
その事実に触れられていません。
その父親に「母親が笑顔でいられるようにサポートしましょう」と言葉で云ってもできるわけがないと思います。
すると、子どもの問題はやはり「社会的弱者にしわ寄せが来ている」と云うことになってしまう。
社会が父親に優しければ、母親も子どもも笑顔になれるはずなのに。