“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

お母さんにやさしい国「ノルウェー」

2012年11月18日 06時16分28秒 | 育児
2012年11月15日のNHK番組「地球イチバン」で放映されました。

お母さんにやさしい国~ノルウェー~
<内容紹介>
世界165か国を対象にした “母親指標”調査で世界一になった国、ノルウェー。育児休業は有給で47週、父親が育休を取得する割合も9割を超え、会社の取締役も40%以上が女性!国会議員や大臣にも女性がイッパイというお母さんが活躍する国。かつては男尊女卑の慣習もあったノルウェーが、なぜイチバンお母さんにやさしい国になったのか。“男たちの意識”を変えた大胆な“作戦”とお母さんたちを支える様々な“チエ”を探る。


育児に関する、日本人にはショッキングな数字・内容が次々に提示されました;

・日本は女性就業率がアジアの中でも低いとIMF(国際通貨基金)に勧告された(★ 2012年10月「Can woman save Japan?」)。
・育児休暇はノルウェーでは夫婦合計47週取得することが可能であり、男性も90%以上利用している。47週のうち12週は男性(お父さん)専用。その間の給料は国民保険で100%保証されている。日本では給料保証は50%で、男性の育児休暇取得率は2.6%と話にならない。
・ノルウェーでは保育園は1歳から入園でき、かつ待機児童がいない。日本での待機児童は2万6000人。
・女性の会社取締役がノルウェーでは4割以上と法律で定められている(かつ男性が4割を下回ってはいけない)。


等々。

さて、このような番組では「だから男が悪い」という論調になりがちです。
しかし、問題にすべきは社会環境であり、すり替えてはいけません。

母親に優しく育児に優しい施策を実現できる条件、社会基盤は日本にあるでしょうか?
ノルウェーでは、
□ 消費税が25%と超高率、
□ 男性でも午後6時には帰宅できる労働環境

なのです。
菅首相が「消費税を5%→ 10%に上げる」と言った途端に参議院選挙で負け、ねじれ国会にして「決められない政府」にしたのは我々国民自身ですから、「社会で子育てを」と主張する資格があるかどうか自問自答すべきでしょう。

★ 「Can woman save Japan?」より一部抜粋;
 北欧の多の国々では、政策が変化をもたらした。例えば、スウェーデン政府は、包括的な育児休暇政策を整備し、育児制度に多くの補助金を出している。また、女性を対象とした短時間勤務の厳格な制度も確立している。これらのシステムにより、出産後に労働力として戻ってくる女性の割合が高く(90%以上)なった。一方オランダでは、パートタイムの仕事を、フルタイムと同等の時間給や福利厚生、雇用の保護を設定することで、フルタイムと同様に魅力的なものにする事に重点を置 いている。
 アジアでは、欧米諸国と比較して、政府の育児面への支援が極めて少ないという傾向がある(図4)。これは、一部はアジア諸国の経済の発展レベルを反映しているが、アジアの最先進国でさえ他の先進国との差がみられる。スウェーデンの育児に対する支出は、日本の3倍、韓国の5倍である。


自宅病児保育という発想 ~ NPO「フローレンス」

2012年11月17日 21時29分35秒 | 育児
 2012.10.29放映のNHKの番組「ハートネットTV-未来へのアクション」で取りあげられました。
 「”子育て”で未来を変える」という副題が気になって試聴しました。

 フローレンスが扱うのはちょっと変わった病児保育システムです。
 ふつう、病児保育とは病気の子どもを病院・医院など医療施設で預かることを意味しますが、フローレンスは保育士など保育経験が豊富なスタッフを派遣して、病児の自宅で看病するという発想。
 これは施設を作る必要が無いのでコスト削減になりますし、スタッフは朝病児宅へ行き子どもをかかりつけ医に受診させその後看病・保育するという念の入れよう。
 働くお母さん方がのどから手が出そうなサービスですね。
 ただ、形態としては欧米の「ベビーシッター」という慣習と共通するところがありそうです。「困った時のベビーシッター」制度といったところでしょうか。

 フローレンスの代表は33歳の駒崎弘樹という青年実業家です。
 社会をよく見つめて何が必要か、これをこうすれば皆助かる、幸せになるというパズルを解くようなセンスに脱帽しました。

 自宅病児保育の他にも「おうち保育園」と称して駅に近いマンションやアパートの空き部屋に保育士を常駐させる小規模保育園も展開しています。
 番組の会場となった青山学院大学での質疑応答の中に彼の興味深いコメントを見つけました。
苦情や希望を国に訴えてもなかなか実現しない・・・しかし自分でひな形を示して『こうするとうまく行くんですよ』と一歩踏み出して実行することで政治を動くのを実感しています。
 なるほど。

 女性就業の強い味方となる「自宅病児保育」「おうち保育園」は全国に広まることでしょう。