今まで子育て本やネット検索でいろいろな解説を読んできました。
現在自分の中で、
「子どものかんしゃくの原因はコレ!」
「そして対策はコレ!」
と整理されているとは言えません。
あえて書き出せば、
・子どもは言葉で表現できないから泣いたりかんしゃくを起こして伝えようとする。
・子どもがかんしゃくを起こして要求した際、「ダメなものはダメ」と毅然とした態度を貫く。
・怒りの感情は一過性なので、落ち着くまでその場所を離れる。
くらいでしょうか。
この記事は、少し深堀されていると感じましたので、
ポイントと思われる個所をまとめておきます。
<ポイント>
・怒りの感情は生きていくうえで大切なもの
・怒りをぶつける対象は、子どもにとって“信頼している大切な人”
・怒りの背景にある気持ちに向き合い、受け止めることが解決法
何も期待していない相手には、怒りの感情は湧きません。
「うるさく怒られるうちが華」
という格言も意味がありそう。
■ 怒りは、人間の自然な感情
・・・「怒り」は、自分の心が傷つけられたときや、自分の立場が脅かされたときなどに生じてくる自然な感情のひとつ。怒りの感情を抱くことは人間にとって自然なことですから、それ自体は何も問題ではありません。動物には闘争・逃走反応(fight-or-flight response)が備わっていますから、恐怖や不安に襲われると、脳が「闘うか、逃げるか」を瞬時に判断して反応が起こります。 ・・・
■ 子どもが癇癪を起こしやすい理由
そもそも子どもが怒ったり、癇癪を起こしやすいのには理由があります。それは養育者を困らせてやろうとか、悪いことをしてやろうと思っているからではありません。まだ幼いために、自分の感情や欲求を吟味して、言葉で表現することが苦手だからです。子どもは大人と違って、言語化や人間関係を構築するスキルが未発達で、発展途上であるということは、まず理解しておきたい点です。
・・・
何よりも、子どもは庇護されるべき存在ですから「わかってほしいのに、わかってもらえない」とフラストレーションを感じたときに、それを怒りで表現することがあります。こわい、つらい、寂しい、甘えたい、あるいは、困難が生じている今の状態を解決するために手助けをしてほしい、信じていたのに裏切られた――子どもが成長する上で、フラストレーションを感じる場面は常にあるわけです。そういった気持ちを大人にわかってもらったり、慰めてもらったりという受容を通じて、心が落ち着いたり、安心したりという経験を、赤ちゃんの頃から数えきれないほど繰り返していく。その積み重ねが、子どもの心の器を広げていきます。
■ 怒りの対象は信頼している人
実際に癇癪を起こして泣きわめいている子どもをよく観察してみると、一見「怒り」だけが前面に出ているようでありながら、その奥には「悲しい」「不安だ」「怖い」「理解してほしい」などのさまざまな感情が複雑に入り交じっていることがわかります。怒りはネガティブに捉えられがちですが、自分自身を守ると同時に、他人とコミュニケーションを取るために大切な感情でもあるのです。
その証拠に、私たちは見ず知らずの人に怒りを爆発させるということはあまりありません。自分を理解してくれていたり、受けとめてくれる相手に対して、怒りという感情が湧き上がってくる。そのベースには信頼や期待、甘え、親しみが存在しています。自分にとって必要な相手とさらに関係性を構築したい、より深く理解してほしいという思いがあってこそ、怒りという感情が生じるのです。
つまり、子どもが怒りをぶつける相手というのは「コミュニケーションを取りたい、より自分を理解してほしい」と望む、その子にとって大切な人ということになります。だからこそ、そういう相手に怒りを爆発させてしまうと、本来は自分にとって大切な人を傷つけてしまうわけですから、罪悪感や悔しさにさいなまれ、子どもの心が深く傷つくわけです。
■ 爆発の手前にある「本当の気持ち」
・・・少し立ち止まって考えてみましょう。その子の怒りの奥底に「自分を理解してほしい、コミュニケーションを取りたい」という欲求が存在していることを理解するだけでも、対応が少し変わってくるかもしません。
子どもの怒りが爆発する手前のところに、「本当の気持ち」が存在しています。たとえば「妹や弟と同じように甘えたい」という気持ちがあって、それが叶えられないときに怒りが爆発してしまう。その気持ちを理解して受けとめてあげることで、子どもの気持ちは楽になります。
・・・大人でも、自分が怒っている本当の理由や怒りの声にちゃんと耳を傾けられていないことが多い。そこを受け止めないままに、怒りを無理やりに収めたり、自分のなかから追い出そうとすると、怒りが本来伝えようとしている大切な感情に向き合えなくなってしまいます。
養育者からしたら理不尽で無理筋な言い分でも、その理由を理解したり、お互いの本当の気持ちを共有したりという経験を何度も重ねることで、子どもは自分の思いを伝え、相手から受け入れられることを学び、他者への信頼を育んでいきます。それもまた心の器を少しずつ大きくしていくことにつながります。そういった意味では、親子の衝突も、学びにつながる第一歩になることがあります。
■ 過度に心配しなくても大丈夫
それでも「うちの子は他の子に比べて怒りっぽい」と心配になる親御さんもおられるかもしれません。でも、怒りは子どもにとってありふれたものであり、心の成長に必要な感情です。子どもは感情をぶつけ、それを親に受容されることで、他者や社会への信頼感を育んでいくのです。
なかには、自分が子どもの思いに十分に応えていないから、子どもが怒ってばかりなんだと思う養育者もいるかもしれません。しかし、自分の子育てに問題があるとか、適切な対応ができていなかったんじゃないかと思い悩んでも事態は変わらないのです。怒りを心のうちにとどめる力が、まだ子どもには足りないだけかもしれません。むしろ、子どもが親に対して素直に怒りをぶつけられない状況のほうが、信頼関係を育んだり、受容されたりする機会を失っているとさえ考えられます。
たとえ一見ずっと怒ってばかりのように見えても、子どもはそれぞれ着実に成長し、その段階ごとの課題に直面しています。成長とともに、怒りの感情が発生する原因も複雑になっています。それは子どもの属する世界が広がっている結果で、ある意味では喜ばしいことでもあるのです。
■ 年齢とともに形を変える「怒り」
子どもは、年齢ごとに怒りの表現が変わります。幼い頃は「おもちゃ買って」などと癇癪(かんしゃく)を起こしますが、それは怒りというよりコミュニケーションの一手段。小学校の中学年から高学年になると、真正面から怒りを表すことが増えてきます。中学生以降になると、現実への不安や不満、怒りが内在化するようになり、怒りが怒りのまま素直に出るというより、不機嫌や口をきかないという形に表現方法も変わってくることが多いでしょう。
子どもが怒ってばかりいることを不安に思うのではなく、その子の怒りの理由を踏まえて寄り添い、それぞれの成長段階で直面している問題に対して、サポートをするという視点で関わってみるのもいいかもしれません。
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<参考>
▢ これを知れば、わが子の感情に振り回されなくなる…児童精神科医が解説「子どもが癇癪を起こす本当の理由」
2023/9/15:President ONLINE