“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

プラネットベービーズ

2010年12月05日 20時06分48秒 | 育児
「今もどこかで誰かが子育てしてる」をキーワードに、世界の国々の子育てを紹介するNHK-BSの番組です。
テーマ曲はアン・サリーさんの優しい母性的なボーカル。実は彼女は現役の外科医なのでした。

その中で一番印象に残った国はアイルランド。
子ども達の生き生きとした眼差しを忘れることができません。

アランセーターで有名なアラン島での子育ての特徴は、父親が物語を語ること。
父親自身も子どもの頃、自分の父親の口から聞いた物語の数々を伝えるのです。

なんといっても、物語を聞く子ども達の輝く目が忘れられません。
そして、次は子ども達に「自分でお話を作ってごらん」と聞き役に回る父親。

たどたどしく話し始める子どもが、まわりにおだてられて話が止まらなくなる下りは圧巻!
なんと生き生きした目をしているんでしょう。
もう、人生の中で最高の黄金の時間としか云いようがありません。

両親に愛され、自分の存在を認められて自信をつけたひとつの人格が育まれる瞬間を垣間見たような気がしました。
物語を作る想像力は、将来の創造力に繋がるだろうと解説者がコメントされていました。すばらしい。

なぜこんな習慣・風習があるのかも解説されました。
出演した父親が子どもの頃・・・数十年前までアイルランドには電気が供給されていませんでした。娯楽の少ない孤島では、みんなが持ち寄った物語をかわるがわる披露することが大きな楽しみでした。

振り返れば、日本も同じ。
囲炉裏を囲んでおばあさんの昔話を楽しみに聞いた時代はそう昔ではありません。

出演した父親は、若いときにアメリカで働くためにアラン島を出たそうです。
そこで素敵な女性と巡りあい結婚し子どもを授かりましたが、仕事が忙しくて家族で過ごす時間が確保できません。
こんな生活をするために生きてきたのだろうか・・・自問自答の中、幼少期の想い出を辿り、あんな家庭を持ちたいと考えて故郷のアイルランドに戻ったのでした。

逆に、一番悲しかったのは香港。

英才教育の中、真剣だけど、どこかうつろな目をした子ども達。
プレッシャーに押しつぶされそうな彼らは肩こりや頭痛に悩まされ、ストレスを和らげる指圧法まで教えられるのです。

「一番の悩みは?」
との質問に、皆声を合わせて
「プレッシャー」
と答えた子ども達(涙)。

12月にセレクション・アンコール放送中です。
興味のある方はどうぞ。