“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

「若いママの輪に入れない」 アラフォーママ

2017年12月10日 18時31分29秒 | 母親・女性学
 子どものではなくお母さんのお話です。
 この時代、さもありなん、ですね。

■ 「若いママの輪に入れない」 アラフォーママ、悩み共有
2017/12/10:カナロコ by 神奈川新聞
 35歳以上で初出産した「アラフォーママ」のネットワークが広がりを見せている。女性の社会進出を背景に晩婚化や晩産化が進む一方、「若いママの輪に入っていけない」「地域に同世代の友達がいない」などと感じるアラフォーママは少なくない。介護、体力の低下、将来への不安…。同じような課題に直面する母親たちがつながり、悩みを共有しようという動きが、県内でも始まっている。
 6日、横浜市港北区の菊名地区センター。「港北アラフォーママの会」の初めての交流会が開かれた。集まったのは、1歳7カ月の長女を連れた横浜港北エリアリーダー・中尾愛子さんと4組の親子。子どもは生後5カ月から2歳半まで、母親は30代後半~40代前半だ。
 「若いママたちがジャニーズの話をしていて、ついていけなかった」「(ママ友に)年齢を教えたら敬語を使われるようになり、ショックだった」
 初対面ながら思い思いに語り合った参加者。共通するのは会社や学生時代の友達の中にアラフォーママはいるものの、自分の地域にはあまりいない点だった。こうした会を待ち望んでいた、との声も聞かれた。
 「(周囲より)年齢が上ということもあり、介護や子育てに不安を感じることもある。皆さんでつながり、交流していけたら」。中尾さんは呼び掛けた。
 晩婚化や晩産化が進む昨今。厚生労働省の人口動態統計によると、1980年の平均初婚年齢は夫27・8歳、妻25・2歳だったのに対し2013年は夫30・9歳、妻29・3歳。母親の第1子出生時平均年齢は80年の26・4歳に対し13年は30・4歳と、やはり上昇傾向にある。
 こうした中、奈良県で誕生した「アラフォーママ・ネットワーク」。両親が高齢のため育児を手助けしてもらえない、教育費がかかり続け自分の老後の資金が不安…など、アラフォーママならではの悩みを打ち明けられる場をつくるのが狙いだ。趣旨に賛同した人がエリアリーダーとなり、地域ごとに交流会を開くなどしている。中尾さんによると、県内では現在、横浜市都筑区と港北区で活動が展開されているという。
 「介護や更年期など今後、直面する課題もあると思うので、いろいろな人からアドバイスをもらえたら。職場復帰するママも多いので、要望があれば土日の開催も検討したい」と話している。

「ニッポンの母の肖像」by 香山リカ

2010年03月11日 06時48分20秒 | 母親・女性学
NHK-TV 知る楽シリーズ、2009年12月~2010年1月の火曜日コース「歴史は眠らない」のひとつ。
番組は見てませんが、タイトルが気になり本を購入して読みました。

筆者(演者)は精神科医師であり、著作も多い売れっ子作家でもあります。
1960年生まれというと、私の3つ年上・・・あまり変わらないんですね。
現在の肩書きは「立教大学現代心理学部映像身体学科教授」だそうです。

目次を見ると大体の内容がわかります;
前書き:子育ては母親の仕事でしょうか?
第一回:大江戸子育て事情
第二回:”良妻賢母”の光と影
第三回:孤立する教育ママ
第四回:”3歳児神話”の呪縛

というわけで「子育てを母親に押しつけないで!」という論調です。
この手の文章は最近よく見かけますが、「では理想の子育てとは?」との問いに答えを用意しているモノはほとんどありません。

香山さんの答えは・・・以下のような文章を見つけました;
「母と子が『それぞれが個として生きる』というのはかなり困難なことなのかもしれません。しかし、結局はそこにしか答えを見いだすことはできないようです。」
なるほど。

日本の子育ての責任が母親にのしかかってきたのは明治以降で、それまでは父親が責任を持っていたと分析しています。
ここでちょっと「?」
子どもに「安心感」や「生きていることの充実感」を与える子育てと、「教育」する子育てがごっちゃになっています・・・残念。

今不足しているのは「生きるって素晴らしい」と自分に自信を持たせる子育てであり、社会のルールを教える子育てではありません。
簡単に云うと「母の柔らかい胸に抱かれた安心感」・・・そう、マリア像ですね。

香山さんは歴史上事実、あるいは学説を交えながら「子育てを母親がする必要はない」と論説しています。

通読して、個々の内容は納得できることばかりでした。
ただ、気になったのは「女性から」「母親から」の視線で話が進められていること。

「子どもから」の視線が乏しいのです。

もちろん、母親が女性として充実した人生を送ることは育児上とても良いことです。楽しそうな母親の表情を見ていると、側で見ている子どももうれしくなることでしょう。
でも、母親が家の外で充実した仕事をしていても、疲れて帰ってきて子どもと喜びを分かち合えないのが悲しい現実。

明治以降、父親は殖産興業・富国強兵目的で労働力として家庭から奪われてしまいました。
間違いの始まりはココです。
母親は子育ての重責を担うに至り、さらに核家族化が進んで孤立し、耐えきれなくなってきました。

何とかせねばなりません。

母親の社会進出も時代の流れだとは思いますが、置き去りにされた子どもはどうすればよいのでしょう。
満たされない、寂しい心を一生抱えながら人生を送ることになります。
するといろんな精神的ストレスにもろく、幼少期から青年期に発生する諸問題と深く関わってきます。
現代社会の抱える大きな問題です。

母親の社会進出と平行して、子育ての担い手を家庭に用意する周到な準備が必要です。
他人に委託するのはいろんな意味で危険。
方向としては、周囲を巻き込む方法を模索した方が安全と思われます。

当然、父親も子育てを担う必要があります。
しかし、私には父親が母親の代わりをできるとは思えません。残念ながらマリア像の安心感を子どもに与えることは無理です(経験上)。
父親の役回りは、母親が笑顔でいられるようサポートすることではないでしょうか。
お母さんに抱かれて、それをお父さんが見守って・・・というのは理想論?

いずれにしても、父親を家庭に取り戻す努力が必要です。
準備として、残業禁止、夜間も働くなら交代制を義務づける、などの国としての配慮がなければ進みません。
そんな政策を打ち出した政府が今まであったでしょうか?
手詰まりです。