“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

「震災遺児1500人」by NHK

2011年12月25日 21時56分11秒 | 家族
シリーズ東日本大震災「震災遺児1500人」
(2011年12月11日(日) 午後9時15分~10時04分:総合テレビ)

~番組紹介より~
 東日本大震災は、1500人を超える子どもたちからかけがえのない父や母を奪った。それから9ヶ月がたった被災地の「震災遺児」たち。仮設住宅や親戚の家で落ち着いた生活を取り戻したように見えるものの、さまざまな形で苦しみと向き合っている。母を失った大きな悲しみを残された父と分かち合いながら、前に進もうと必死にもがく少年。両親や姉を失っても明るい笑みを絶やさず、悲しみに暮れる祖父母の生きる支えになっている少女。大切な人を失った子どもたちは、毎日を懸命に生きている。遺児たちを引き取った保護者も同じ被災者。子育てをするには高齢だったり、なかなか仕事が見つからなかったりと将来への大きな不安を抱えている。それでも子どもたちのため、復興が遅々として進まない被災地で一歩ずつ前に進んでいる。その姿をしっかりと見つめながら、子どもたちが希望を持って生きていける社会をどのように築いていけばいいのか考える。


 大変なことが起きている、と感じました。
 神戸大震災の取材経験のある司会者は「神戸大震災と違うところは、東日本大震災では地域が壊滅状態であり、子どもを支えるべき大人達の傷も深いこと」を指摘していました。

 子どものPTSD対策などが話題になりましたが、番組に登場する二人の子どもは賢くて頑張り屋すぎるくらい。

( 例1)小学1年生の女の子
 両親と姉が彼女を学校に迎えに来る途中で津波にさらわれました。
 お母さんの遺骨の前で泣きじゃくってから、人前で涙を見せないようになしました。心配する祖父母に無意識の中で気を遣ってのことです。
 平気な顔して陽気に振る舞う彼女、でも震災で亡くなった家族や津波の話題になると口をつぐみ不機嫌になります。封印している感情をつつかれたくないと言わんばかりに。
 臨時の学校に通う彼女が書いた一枚の絵。月見をしている家族3人と壁を挟んで泣いている女の子が描かれています。
 誰が見ても津波で流された3人の家族と残された彼女。
 しかし、女の子は「なんとなくかいちゃった」と言うのみ。
 震災以降、彼女が涙を流したのは、ペットの愛犬が死んだとき。
 自分の感情を少し出せるようになったのでした。
 そしてポツリポツリ、家族のことを話し始めました。
 「私を迎えにこようとしたからみんな死んじゃった。私のせいだと思ってた。

 涙が出てきました。

(例2)小学校高学年の男の子
 彼を学校に迎えに来た父親とともに助かり、一方避難所に向かった母と弟は津波にのまれました。
 父親が「一緒に行動していれば助かったのに」と自分を責めて涙する日々を横で見てきました。
 「自分が頑張らなければ」と言い聞かせて、涙を見せませんでした。
 父親が親類を頼って東京へ転居しようかと提案した際、彼は拒否しました。
 「弟が生まれた土地を離れることなんかできない。ふるさとを捨てることなんかできない。」と。
 学校の担任の先生が、父親に学校でのできごとを報告してきました;
 「彼は頑張りすぎている様子。頑張り続けなくてもいいのよ、と話しかけるとその場で泣き崩れてしまった。」
 
 なんということでしょう。
 時に大人はもろく、子どもは強い。