乳児検診に出かけていって、
お母さんの心配事のビッグ2が「かんしゃく」と「偏食」です。
偏食について深めたいと考え、現在情報収集中です。
まずはYouTube動画のレクチャーから拾ってみました。
(注意)発達障害系の特性がある子どもは、「感覚過敏」「こだわり」「食感が苦手」「ニオイが苦手」などが前面に出てくることがあり、紹介する方法では解決できない場合があります。主治医にご相談ください。
<ポイント>
・ヒトは甘み・うま味・塩辛い味は脳が本能的に「おいしいもの」と認識し、苦みと酸味(すっぱい)は脳が本能的に「危険なもの(毒・腐敗物)」と認識する(⑫)。
・2歳児の50%が偏食とされているが、これは異常ではなく本能であり、発達段階における“自己防衛行動”である。「この食べ物は危険ではない」ことがわかると口にするようになる(①)。
・食べる以前に“その食べ物に慣れさせる”ことが大切、聴覚・視覚・嗅覚に訴えて興味を持たせる工夫をする(①②)。
・調理を工夫して食べさせる試みは、5回以内であきらめてはいけない、10〜20回(①)出し続けると成功率が上がる(⑬では30-50回と紹介)。
・苦手な食材の価値を下げる行為は避ける;“ご褒美形式“は、その食べ物の価値を下げるイメージを植え付けてしまう(①)、子どもの偏食に関する親の会話を子どもに聞かせない・・・“自分は〇〇がキライ”というイメージを植え付けてしまう(②)。
・苦手な食材克服その1“選択ボード作戦”・・・調理法を書き並べたボードを用意し、子どもに選ばせると興味が湧いて食べる確率上昇(⑥)。
・苦手な食材克服その2“お手伝いエプロン作戦”・・・こども用のエプロンを用意し、調理(無理な場合は配膳でも可)に参加させると興味が湧いて食べてくれる確率上昇(⑦)。
・実際に食べさせる際に「食べやすいかどうか?」という視点も必要(②)、味ではなく調理法(バラバラになりやすいか?)や食感(例:固い食べ物、ヌルッとした食べ物、パサパサした食べ物)が嫌いな場合もある。
・「一口だけ食べて」は賛否両論・・・ハードルが高い(①)、繰り返して安全であることを保障する(⑬)。
・“ささくれ作戦”・・・食材を指先のささくれより小さくカットし、それを1個食べられたらほめる(③)。
・食卓・椅子に座ろうとしない子ども対策その1“食券作戦”・・・その子用の特別な食券を作りお店屋さんごっこを演出する(④)。
・食卓・椅子に座ろうとさえしない子ども対策その2;“お手伝い作戦”・・・ちょっとしたお手伝い(箸を並べる、ソース・ドレッシングを置く)をさせて参加させると俄然興味が湧く(⑤)。
・自分で食べようとしない子ども(食べさせて〜)対策は“くじ引き作戦”・・・食べ物の絵や名前を書いた紙を箱に入れ、くじを引かせると「自分で選んだ」感が生じて食べてくれる確率上昇、子どもが使う食器を一緒に買いに行き選んでもらうだけでも効果あり(⑧)。
・・・要するに、
・食材になれさせる。
・子どもが主役の食卓(食事環境)を提供する。
ことに尽きるようですね。
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・2歳児の50%が偏食とされており、これは異常ではなく本能である。
・偏食が始まる時期は1歳〜1歳半であり、行動範囲が広がる時期に一致する、何でも食べてしまうと危険であるから、自分の身を守るために食べるものを子どもなりに取捨選択する行動が、大人から見ると“偏食”になってしまう傾向がある。
・本能的に避けている場合、その食べ物が危険でないことがわかれば、子どもは食べるはず。
・ある食材を食べなくなった2歳児に対して、母親はあの手この手で工夫して食べさせようとする、しかし5回程度であきらめてしまう。某研究ではめげずに10〜20回出し続けると「その食材は危なくない」と認識が変わり食べる確率が上がると報告されている。
・偏食は大人の忍耐力と粘りで解決することがままある。「この子は〇〇は食べないんだ・・・」とあきらめないことが大切。
・「〇〇(苦手なもの)を食べたらおやつを食べていいよ」というご褒美形式は子どもの偏食を悪化させる可能性がある。〇〇という食材が価値が低いものというイメージを植え付けてしまい、食べたくなくなってしまう。
・食卓以外の日常生活の中で、苦手な食材と接触する機会を増やす。買い物に行って子どもに選んでもらう、買ってきた食材の絵を一緒に描く、など。すると子どもはその食材に慣れてきて危険でないと思うようになる。
(例)ピーマン
・ピーマンが苦手な子どもにピーマンの肉詰めを出すが子どもは食べない・・・親はピーマンの味が嫌いだと思いがちだが、実はピーマンの肉詰めの食べにくさが苦手だったりする。ピーマンの肉詰めを食べているとピーマンと肉がずれてしまい、落としたりしてしまいがち。この場合の解決法は、調理法を変えること、細かく刻んだり、ミキサーにかけたり・・・すると単純に“食べやすくなる”から食べるようになる。
・「一口食べてごらん」は結構ハードルが高い言葉。絶対に食べたくないものを「一口」と言われても、それは恐怖以外の何者でもない。
・苦手な食材を勧めるときは、聴覚・視覚・嗅覚に訴えて興味を持たせる工夫をする。例えば料理前のピーマンの形を子どもと一緒に触って観察する、ニオイを嗅ぐ、調理後のピーマンのニオイをまた嗅いで違いに気づいてもらう、ピーマンを食べるときの音を聞いてもらう、など。子どもがピーマンに興味を持てば、「舐めてみる?一口食べてみる?」のハードルが低くなるはず。
・両親が子どもの前で「この子最近、ピーマンを食べないのよ」という内容の話はタブー。大人の会話は子どもにとって重いもので、それを聞いた子どもに「あ、僕はピーマンが苦手なんだ」とダメ押しをしてしまう。ネガティブな会話ではなくポジティブな会話を聞かせよう。
・苦手な食べ物をムリして克服する必要はない(他の食材で栄養が補充可能、子どもの食事は楽しさ・うれしさが大事)。
・(ささくれ作戦)指先の“ささくれ”より小さくカットし、それを真っ白なお皿の上に一粒だけのせ、「こんなに小さいねえ〜」と声がけしながら大人と一緒に食べる、食べられたら褒める、おかわりできるなら同じ事をもう一度くりかえす、食べられたら褒める、成功体験になり子どもに「自分は苦手な〇〇が食べられた!」と自信がつく、次のステップは少しずつ大きくカットして出していくと食べてくれる確率が上がる。
・食券を使い、“お店屋さんごっこ”を演出する。
・「食券を渡すとご飯が出てくるから使ってね」と事前に用意する。丁寧に作るのがコツ。
・食券には「〇〇くんのカレーライス」など、名前を入れると「自分だけのための特別なチケット」になり、子どもの興味を引く。
・食券依存が心配になるかもしれないが、繰り返すと食券にはいずれ飽きて卒業する、その頃には“ご飯の時は食卓に座る”習慣が自然に身についているはず。
・子どもが席に着かない理由:自分に関係なく用意された環境なので興味が湧かない。過程に係わると俄然興味が湧くので、ちょっとだけ手伝ってもらう。
・お手伝いの種類は、料理を手伝うのはハードルが高いので、お箸を出して並べてもらう、調味料(ソース、ドレッシング)を置いてもらう、などが入りやすい。
・食べる・食べないの前段階として、まず興味を持ってもらうことが大切。
・苦手な野菜の味を嫌がっていることが多いが、食感や調理法など“なんとなくイヤ”と避けている場合もある。
・(選択ボード作戦)自分の好みの調理法を選択できるようにボードを作り(あつく・うすく、こいめ・うすめ、やわらかい・かたい、フォーク・スプーン、小さい・おおきい、やく・ゆでる等)、選んでもらうと料理自体に興味を持つとともに“自分が主役”になるので食べてくれる率が上がる。
・ポイントは、苦手な食材に親しみを持ってもらうこと。
・(お手伝いエプロン作戦)子どもの“手伝いたい”気持ちを上げる効果がある。エプロンをして料理のお手伝いをしてもらう。
・低年齢で料理が危なかったら、配膳を手伝ってもらうだけでも十分。
・料理に参加してつくる体験をすることで、苦手な食材に親しみ・愛着が湧く。
・自分で食べようとしないとき、「食べなさい」という指示や命令ではなく、子どもに「自分で決めた」という意識を持ってもらうことが大切。
・(くじ引き作戦)食事のメニューを書いた紙を箱の中に入れ、くじ引きで自分が引いたものを食べるルールを作ると、「自分で決めた」という意識を持ちやすくなるため、自ら進んで食べてくれる確率上昇。
・子どもがつ書く食器(箸、スプーン、お皿など)を一緒に買いに行き選んでもらうだけでも効果あり。
・スプーンやフォークが苦手な子どもには“遊び感覚の練習“がお勧め。
・(スプーン・フォークで運びごっこ)スプーン、フォーク、2cm角にカットしたスポンジを用意し、親子で皿から皿へ運ぶ遊びをして、楽しみながら練習すると苦手を克服できる。ていねいに運ぶとか、はやく運ぶとか、設定しても良い。
・うまくできたらたくさんほめて、うまくできなくてもがんばった姿をほめてあげましょう。
・成功体験を積み重ねることで、自信がついて自然と身につきます。
・食べることに対する集中力が続かないことが原因であることも多い。
・集中力を切らさずに食事を続けれもらう“どんぶり作戦”・・・残してしまったご飯類を別の器に移し替えて“どんぶり”を作りましょう。
・器を買えることで気持ちがリセットされ、食事に対する集中力が戻ります。
前提として、「全部食べなくても大丈夫」というスタンスでないと親の余裕がなくなって「食べる楽しみ」がなくなり親子ともどもストレスが生まれがち。
・「食べる」「食べない」の前においしさやどんな味かを話す → 「〇〇、おいし〜い!」
・あ〜ん、をして食べさせるときは、口に入れるまでの動きにいろいろなバリエーションを用意する → 「次は飛行機?車?」
・子どもが好きなキャラクターの話題で食事の時間も楽しく → 「ア〜ン、パンチ!でバイキンマンをやっつけよう!」
・少しでも多く食べて欲しい場合は、量を減らした上で、自分で選べるようにする → 「半分この、どっちを食べる?」
・ただ食べなければならない、というわけではなく、「自分のために言ってくれているんだ・・・と思わせる → 「おいしいから、ちょっとだけ食べてみる?」
・「ほめる」というより、食べられたという「事実」を伝えて次の自信につなげていく → 「お!食べられたね!」
・苦手だとわかっているものは最初から少ししか入れない、ハードルを下げて上げる → 「これで最後!!」
・あまり量を食べない場合は、最初から少な目に盛り付けて、全部食べる達成感を味わえるようにする → 「おかわりしよっか?」
・甘み・うま味・塩辛い味は脳が本能的に「おいしいもの」と認知し、苦みと酸味(すっぱい)は脳が本能的に「危険なもの(毒・腐敗物)」と認知する。
・思春期になれば食べる食材の種類が自然に増えるので、元気にしていればあせることはない。
1.「ひとくち食べてね」を30〜50回繰り返し続ける(この食べ物は安全と認識させる)。
→ 苦手な食べ物を出さないようにする、見えないように調理するのはNG。
2.嫌いな食べ物の価値を上げる。
→ 嫌いな食べ物の悪口を言うとさらに嫌いになるのでNG。
→ 嫌いな食べ物を食べたら好きな食べ物をご褒美にあげるのもNG。
→ 価値を上げる言葉の例;
「ニンジンを食べたらカゼを引かないよ」
「ピーマンはバイ菌をやっつけるパワーをくれるよ」
「お肉を食べたら髪がつやつやになるよ」
「ご飯を食べたらしっかり元気に走れるよ」
→ 子どもにとって神レベルの食べ物になったら食べてくれます。
3.たんぱく質をコツコツ摂取
・偏食の原因のひとつに“たんぱく質不足”がある。たんぱく質が不足してくると、消化酵素の作られる量が減ってしまうので「お肉が嫌い」「魚や卵が苦手」となりがち。また、肝臓の機能も低下して、臭いに敏感になる( → 魚の臭いがキライ)。
・肉・魚・卵・乳製品・大豆を積極的に摂りましょう。乳製品しか食べない子どもはカルシウム・マグネシウムのバランスが悪くマグネシウム不足になりがちなので海藻類・種実類・青菜類を一緒に食べさせましょう。
4.「あいうべ体操」をする。
・偏食の原因の一つに「食感がキライ」がある(例:固い食べ物、ヌルッとした食べ物、パサパサした食べ物)。
→ 味が苦手なのではなく、食感が苦手で食べられないパターン。
・赤ちゃんの時にあって成長とともに消えていく原始反射(柔らかいものだけ食べる)があるが、その中の「探索反射」が残っていると口の周りが敏感になり上記の食べ物が苦手になる。原始反射を消すための訓練が「あいうべ体操」。
(あいうべ体操)
大きく「あ」 → 横に「い」 → 前に突き出して「う」 → 下にベロを出して「べ」
・・・これを3-5回で1セット、1日3セットが理想。
★ あいうべ体操は表情筋が鍛えられるので、ほうれい線予防、肌のハリを与える、等のメリットがあり、親子で行うことをお勧めします。
・食育専門モンテッソーリ教師、いしづか かな先生
・「子どもを知って受け止める、そして安心させて上げる」
・まずは3つの生活習慣に注目して子どもを観察しましょう。
✓ 睡眠は十分か
✓ おなかが空いているか
✓ 体の調子(便秘など)は悪くないか
上記+「食事に集中できる環境か」も大切。
・解決しない場合は他に原因がないか考えるが、子どもの“食べない理由”はたくさんあり、“子どもの個性”という側面も;
✓ 感覚過敏;臭いを強く感じたり、口の中に入れたときの味が刺激的に感じたり。
✓ 発達の問題;噛む力が未熟、うまく飲み込むことができない等。
✓ 胃が小さい;ヒトはストレスがかかると胃が小さくなる。
・“子どもの気持ち“を考える。食べられない、食べたくない子どもに「食べて」と言われるのはつらい。
・食卓を楽しい雰囲気にして、子どもの「食べてみたいな」という気持ちを育みましょう。
・子どもと食べ物をつなぐ工夫として、一緒に買い物をする、一緒に料理をする、など工夫をしてみましょう。
<番外編>