日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

珈琲豆の銘柄

2019-05-04 08:38:17 | コーヒー
珈琲豆の品種に続いて、銘柄(≒生産地)についても整理を試みました。

珈琲豆の銘柄

キリマンジャロ
・キリマンジャロ(アフリカ大陸最高峰の山)の麓で栽培。
・上質な酸味と珈琲の苦みのバランスがよく調和し、甘いコクと上品な香りに優れている。
・焙煎度(浅い〜深い)により様々な風味が楽しめる。
・栽培地の標高が高いほど香りがよく品質が高いとされている。

ブルーマウンテン
・“珈琲の王様”と称される。
・カリブ海に浮かぶ島国のジャマイカの山が名前の由来で、日本で流通しているブルーマウンテンの8割がジャマイカからの輸入。
・癖のない風味と口当たりの良さ、のどごしのバランスがとれたテイストが日本人好み。

ハワイコナ
・ジャマイカのブルーマウンテンと並んで世界最高の珈琲と称される。
・酸味が特徴的で、苦みが少なく甘い香りとスッキリさわやかな味わいはとても上品。
・ハワイ島南西部のコナ地区でのみ栽培されている。希少性が高く世界の珈琲生産量の1%以下(少々値が張る)。
・収穫は機械を使わず人の手で一粒一粒完熟したものだけが摘み取られる。

モカ
・ヨーロッパ諸国へ珈琲豆を輸出していたイエメンの港町の名前が由来。
・最も古い品種。
・独特の強い酸味と、モカ特有のフルーティーな豊かな香りが特徴で、甘みとコクを堪能できる。
・「モカ・シダモ」「モカ・ディマ」など収穫地の名前で呼ばれるが、どれも苦みより酸味が強いという味の特徴は共通している。

コロンビア
・生産国コロンビアは、美味しい珈琲を作るために必要な環境条件の「温度差」「降雨量」「日照量」が整っている。
・芳醇な甘み、柔らかな苦みとコクでフルーティーな味わいが特徴で、バランスのいいマイルドな珈琲。

マンデリン
・インドネシアのスマトラ島で生産。
・インドネシアではロブスタ種が多く生産されているが、マンデリンはアラビカ種。
・強めの苦みがコク深い。酸味が少なくほろ苦さのバランスが絶妙。
・ブレンドやカフェオレで飲まれることが多い。

エメラルドマウンテン
・アンデス山脈の麓に広がる地域で栽培され、栽培地はほとんど急斜面のため、機械ではなく人の手によって丁寧に作られている。
・コロンビア珈琲に分類されるが、その中でも厳選された、わずか3%未満の高級豆だけに付けられる呼称。
・甘い香りとコクに酸味と甘みがうまく調和した上品な味わい。

グァテマラ
・グアテマラ共和国は適度な降雨量と日照時間に恵まれ、ふかふかして耕しやすく廃水がいい火山灰土壌の性質を活かし、水はけのいい山の斜面や高原地帯での栽培が盛ん。
・甘い香りと少し強めの上品な酸味、ほどよい苦みのバランスがいい芳醇な味わいが特徴の珈琲。

コスタリカ
・コスタリカの気温は一年を通して低めで安定した日照量と降水量、適度な気温が保たれている地域。
・芳醇な香りとしっかりした苦み、控えめな酸味がとても上品な味わい。フルーティーでさっぱりした後味が癖になる。

コピ・ルアク
・世界一高価で希少な珈琲。
・インドネシア産でジャワ島やバリ島などで栽培されている。
・完熟した珈琲の実のみをジャコウネコが食べ、その排泄物から採取する豆を集め、それを洗浄し乾燥させたもの。
・独特な香りが特徴的で、珈琲特有の酸味や苦みが少なくさっぱりしていて飲みやすい味。


<参考にしたHP>
コーヒー豆って何種類あるの?人気の品種とおいしい飲み方をチェック(MACARONI)



それにしても、なぜ品種で呼ばれず銘柄・生産地で呼ばれるのか、不思議ですね。
それに答えてくれるHPを見つけました;

品種ではなく、産地の名前で流通するコーヒー豆(通販コーヒー完全ガイド)

珈琲豆の品種

2019-05-04 07:33:09 | コーヒー
私は珈琲好きです。

学生時代から缶コーヒー好きで、新しい製品が発売されると飲み、自動販売機で飲んだことのない缶コーヒーを見つけると飲み・・・何時の頃からか(働き始めた頃?)毎朝缶コーヒーを飲む習慣が定着しています。
そして10年ほど前からドリップパックを飲むようになり、その後豆を購入して自分で挽いてドリップで入れるようになりました。
珈琲豆は主に通販で購入。
その変遷は、まず土井珈琲、その後伊東屋珈琲、そしてしげとし珈琲などなど。

最近は珈琲豆を売る喫茶店として、地元の「珈琲処 晴れ晴れ」にお邪魔して珈琲談義を楽しみながら自分の好みの珈琲を探すところまできました。
先日はこだわりの頑固オヤジ健在の「珈琲音」にもお邪魔しました。

珈琲談義をしていて、自分が珈琲豆についてあまり知らないことに気づきました。
銘柄ではなく、品種と由来ということです。
そこで、ちょっと整理しておきたいと思い、ネットで情報を集めてみました。

いつも思うのですが、味の表現方法があやふやでイメージが湧きません。
(例)「際だった風味」「舌触りが軽い」「独特の風味」「香水みたいな香り」等々。
それに焙煎の深さで酸味と苦みの味わいはコントロール可能なので、ほんと味表現は参考になりません。
各品種を比較した表のようなものがないか、検索したところ、下の図を見つけました(Burg Kaffee, ブルグコーヒーのHPより)。苦みと酸味を座標軸にしてプロットしています;



んん、よく見ると品種と生産地がごっちゃになってますね。
もう一つ、こちらの図はコクと酸味/苦みの座標軸で表現しています(Bishop Coffee, ビショップ・コーヒーのHPより)。



う〜ん、こちらも品種と生産地、それからお店のブレンドがゴチャゴチャ。
これらを眺めながら、以下の説明を読むとわかりやすい・・・かな。

ここまで書いてきて、ふと気づいたのですが、ワインも生産地の気候や土壌により同じ品種でも違う味わいのワインに仕上がりますから、珈琲豆も同じ品種でも生産地により異なる味になるのでしょう。
だから品種間での単純比較は不可能なのですね。
すると、以下の各品種の味の特徴は“原則として”という断り書きがつくと考えた方がよさそう。

つまり、珈琲の味わいは、
・品種
・生産地
・焙煎度
・淹れ方
など多要素の影響により変化するため、複雑怪奇になってしまう。
整理しようと思って書きはじめたけど、整理できないという結論に達しました。


珈琲豆の品種
三大種:アラビカ・カネフォラ(ロブスタ)・リベリカ
流通量は、アラビカ7割、カネフォラ3割(近年は6割:4割との情報も)

系統図を見ながら読むとわかりやすいですね(「Café des Arts Pico」のHPより)。


ん、こっちの方が網羅しているかな。


1.アラビカ種
・原産地はエチオピア。飲み物として15〜17世紀に世界中に広まった最初の品種。通常、珈琲豆の染色体数は22本だが、アラビカ種のみ44本ある(だからアラビカ種とカネフォラ種の交配は難しい)。
・酸味が強く花のような甘い香り。
・神経質で病弱:病害虫や気温の影響を非常に受けやすく、デリケートで扱いにくい品種(※)。
・一般的に売られている豆の6割程度を占める。
・ブラジル、コロンビア、モカ、グァテマラ、マンデリンなど。
※ 過去にスリランカではサビ病により珈琲生産が全滅した歴史がある。

・代表的な品種紹介;
(原種)風味はよいが育ちにくく耐病性が低い
ティピカ種
 アラビカ種の中で最も古い品種。現在の流通量は全体の0.01%と少ない。
 綺麗で上品な酸味と際だった風味が特徴(②)。
ブルボン種
 ティピカ種の突然変異種で、インド洋にあるマダガスカル島(現レユニオン島)にイエメンから移植されたものが起源(③)。
 ブラジルでは珈琲の原型とされている。
 豆が小さく隔年収穫、かつ安定性が低い。流通量は少ない。
 丸い味わいで舌触りも軽く飲みやすい(②)。クリーンさの中にも心地よい酸味・甘味もありバランスがよい(③)。
スマトラ種
 インドネシア、マンデリンで発見された品種で、マンデリンに含まれている品種(スマトラ種と別けずにティピカ種と表記していることもある)。豆が大きく、生産性も高く、スマトラ式という変わった精製方法で精製される。
 重厚感のあるコクと苦み、独特の風味が特徴(②)。
ゲイシャ種
 エチオピア原産。名前の由来はエチオピア南西部のゲシャという地名から(芸者ではありません)。1931年にエチオピアで発見され、ケニア・タンザニア・コスタリカの研究所を経て、1978年頃にパナマに導入されたが栽培に失敗、時を経て2004年にエスメラルダ農園がゲイシャ種を育て上げ再登場して有名になった。現在ではパナマの他にコスタリカ、グァテマラなどでも栽培されている。
 生産性が非常に低い。
 味わいは独特で爽やか酸味と香水みたいな香りがグッと感じる(②)。
マラゴジッペ種】(マラゴジペ、マラゴジーペ)
 ブラジルのバイア州マラゴジペという場所で発見された品種で、ティピカ種の突然変異。
 木も果実も大きく丈夫(ふつうの珈琲豆の2倍)ではあるものの、収穫性が低い。
 風味はクリーミー(③)。

(品種改良後)耐病性が強いもの、風味を特化して作られたものなど様々。
カトゥーラ種】(カツーラ)
 ブルボン種の突然変異でブラジルのミナス・ジェライス州で発見された。ブルボン種同様に隔年収穫であるが、ブルボン種よりも直射日光やさび病に強い。
 ブルボン種より際だった酸味がある(②)。ティピカに比べると酸味が若干強い(③)。
ムンドノーボ種
 ブラジルで発見され、ブルボン種とスマトラ種を組み合わせて作られた。ムンドノーボとはポルトガル語で“新世界”という意味。ブラジルの農家ではほとんどこの品種が作られており、ブラジルの珈琲生産の約40%を占める。
 耐病性に強く生産性が高く安定して収穫できる(ブルボンの+30%)。ただ、樹高が3.5m以上と高く作業場不便(なためカツアイ種が登場した)。
 風味が劣る場合がある(②)。
カトゥアイ種】(カツアイ)
 カトゥーラ種とムンドノーボ種を組み合わせて作られた新しい品種。病虫害に強く、標高が低くても育てられる、生命力と成長力を兼ね備えた強い品種。
 味わいはブルボン種と同じく軽くて飲みやすい(②)。改良品種でありながら甘味もあり風味もよい(③)。
パカマラ種
 ブルボン種の突然変異のパカス種とマラゴジッペ種を組み合わせて作られた品種。とても大きい。生産量が少なく希少豆。
 ゲイシャ種に似た香水のような香りと独特の酸味が特徴(②)。

2.カネフォラ種(の中の代表種がロブスタ種)
・中央アフリカ原産。
・苦みが強くて渋みがあり、酸味が少ない。麦茶に似た香ばしい香り(②③)。アラビカ種よりも風味が劣る。特有の“泥臭さ”(ロブスタ臭、ロブ臭)があり、ストレートで飲むことは好まれない。
・カフェイン量やクロロゲン量(苦み成分)がアラビカ種よりも多い。
・病害虫に強く低地でも栽培可能、収穫量も多い。成長スピードが速い。
・安価で手に入りやすい。
・主な生産地はインドネシアのジャワ島、ベトナム、インドなどアジアが多い。
・ブレンドして苦みや臭みを和らげ、あるいは苦みやコクを加えたいときにブレンドの脇役に使われる。
・インスタントコーヒーや缶コーヒーに使われることが多い。

コニロン
ウガンダ
ロブスタ

3.リベリカ種
・風味が少ない(アラビカ種、ロブスタ種に比べて)
・西アフリカのリベリア共和国原産、栽培地域内での消費が主で日本ではほとんど飲まれることがなかった。
・現在はベトナムやフィリピンでも生産されている。
・低地での栽培が可能で過酷な環境下でも育つ強い品種。
・地域限定だった3つの特徴;
1)果実が成熟するのに時間がかかってしまう。
2)大木になるので収穫が大変。
3)収穫量が少ない。



<参考にしたHP>
コーヒー豆って何種類あるの?人気の品種とおいしい飲み方をチェック(MACARONI)
コーヒー豆の品種をもっと知りたい!
コーヒー豆の品種(Café des Arts Pico)

コーヒーは有益か?有害か?

2017-12-04 06:15:49 | コーヒー
 この手の記事は忘れた頃にまた目にとまります。
 最近は「カフェイン中毒」も話題になりますね。
 今回紹介する論文では「コーヒーの飲用は、一般的な量であれば全般に安全で、1日3~4杯の飲用でさまざまな健康転帰のリスクが大幅に低減され、有害性よりも利益が勝る可能性が高い」とのことです。
 ただ、「高飲用量の妊婦は低飲用量または非飲用の妊婦に比べ低出生体重児の頻度が高く、妊娠第1期の早産、第2期の早産、妊娠損失が多かった」は気になりますね。

■ コーヒーは有益か?有害か?/BMJ
ケアネット:2017/12/04
 コーヒーの飲用は、一般的な量であれば全般に安全で、1日3~4杯の飲用でさまざまな健康転帰のリスクが大幅に低減され、有害性よりも利益が勝る可能性が高いことが、英国・サウサンプトン大学のRobin Poole氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年11月22日号に掲載された。コーヒーは世界的に消費量が多く、とくに慢性肝疾患における利益の可能性が高いとされるが、コーヒー飲用の利益や有害性との関係は多岐にわたる。コーヒーと健康との関連を理解することは、介入研究に先立つ、有害性との関連の探索において重要であるとされている。

飲用の健康転帰との関連をアンブレラレビューで検証
 研究グループは、コーヒーの飲用とさまざまな健康上の転帰との関連の既存のエビデンスを検証するために、観察研究および介入研究のメタ解析の包括的レビュー(umbrella review)を行った(研究助成は受けていない)。
 医学データベースを用いて、成人におけるコーヒー飲用と健康転帰の関連を評価した観察研究および介入研究のメタ解析の論文を選出した。コーヒー代謝の遺伝学的多形性の研究は除外した。
 67の健康転帰に関する観察研究のメタ解析201件、および9つの健康転帰に関する介入研究のメタ解析17件が同定された。

妊婦および女性の骨折を除き、高い安全性
 コーヒーの飲用は、摂取量の多寡、飲用の有無、1日の飲用杯数の1杯の差などのすべてで、健康転帰に関して有害性よりも利益との関連を示すエビデンスが多かった。
 コーヒーをまったく飲まない集団に比べ1日3~4杯飲用する集団は、全死因死亡(相対リスク:0.83、95%信頼区間[CI]:0.83~0.88)、心血管死(0.81、0.72~0.90)、心血管疾患(0.85、0.80~0.90)などの相対リスクが有意に低いことを示す要約推定値が得られ、飲用と健康転帰の間には非線形関係のエビデンスが認められた。
 飲用量の多い集団は少ない集団に比べ、がんの発症リスクが18%低かった(相対リスク:0.82、95%CI:0.74~0.89)。また、飲用はいくつかのがん種や神経疾患、代謝性疾患、肝疾患のリスク低下と関連した。
 高飲用量の妊婦は低飲用量または非飲用の妊婦に比べ低出生体重児(オッズ比[OR]:1.31、95%CI:1.03~1.67)の頻度が高く、妊娠第1期の早産(1.22、1.00~1.49)、第2期の早産(1.12、1.02~1.22)、妊娠損失(1.46、1.06~1.99)が多かったが、これらを除くと、喫煙で適切に補正することで、コーヒー飲用による有害な関連はほとんど消失した。
 また、女性ではコーヒー飲用と骨折リスクに関連がみられたが、男性には認めなかった。
 著者は、「これらの関連の因果関係の有無を理解するには、頑健な無作為化対照比較試験を行う必要がある」とし、「重要なのは、妊婦を除き、既存のエビデンスによって、コーヒーは害を引き起こす重大なリスクなしに、介入法として検証の対象となる可能性があることが示唆される点である。なお、骨折リスクが高い女性は除外すべきだろう」と指摘している。



<原著論文>
・Poole R, et al. BMJ. 2017;359:j5024.

「コーヒー・フレッシュ」はミルクではありません、油です。

2016-02-22 05:54:12 | コーヒー
 コーヒーにミルクを入れる時、私は「クリープ」しか使いません。
 だって牛乳から作られているのは、この製品しかないからです。
 舐めてみても美味しい!

 喫茶店やコンビニのコーヒーについている「コーヒーフレッシュ」とか「ポーション」とか呼ばれているモノがあります。
 あれって“ミルクもどき”で原材料は油です。
 舐めても美味しくありません。
 豆にこだわったコーヒーを飲む時に、なぜあんな合成物を入れたがるのか、不思議でなりません。

 それを指摘した記事を見つけました;

■ なぜ、コンビニ“挽きたてコーヒー”にこだわっても、“ミルクもどき”に躊躇しないのか?
2015.12.26:ヘルスプレス
◇ コーヒーにこだわっても“ミルクもどき”?
 登場期は「薄利な客寄せ商材に過ぎないのでは」との過小評価もささやかれた、コンビニの「淹れたてコーヒー」。今ではカウンター商材の顔として君臨するまでの存在感を見せ、客も手馴れた感じでカップに注ぎテイクアウト。
 缶コーヒーに比べれば、挽きたて淹れたてのコーヒーは香りも豊かで、「○○コンビニがお気に入り」などのこだわり愛飲者も増えている。
 豆の種類やブレンド、ドリップ方法などに各社こだわりを見せるが、小容器に小分けされて備え置れた「コーヒーフレッシュ」はどれも似たようなもの。消費者もあまり関心をもっていないように感じるのは、気のせいだろうか。
 保存も簡単で便利このうえないコーヒーフレッシュだが、フレッシュでもなんでもない“なんちゃってミルク”。植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたものだ。その成分には、あまり注意を払っていないのではないか。

◇ 従来の名脇役から主役の座を奪ったが……
 「コーヒーミルク」とも通称される、あの液体クリーム。源流は米国カーネーション社(のちにネスレ社が買収)が1958年に開発し、そのブランド名がクリーマーの代表格ともなった『コーヒーメイト』。日本ではメロディアン社が1976年に『コーヒーフレッシュ・メロディアン・ミニ』を販売し、次いでめいらくグループの『スジャータ』が登場すると、数社が家庭用・業務用の競合商品で後を追いかけた。
 昔から“珈琲の名脇役”として君臨してきた牛乳や生クリームも、コストや日持ちの面での課題を抱えていた。それをクリアしたのが粉末タイプ(クリーミングパウダー)で、海外では後発の液体タイプとも区別なく「クリーマー」と総称しているという。
 通称の「コーヒーフレッシュ」が和製英語ならば、液体容器の小型カップも「ポーション」と名づけられた和製英語。前者の代名詞が定着した背景としては先駆のメ社が関西エリア、二番手のめ社が中京エリアで広めた影響が大きいそうだ。
 気になるのは、その中身。地域によっては「クリーム」あるいは「ミルク」とも呼ばれ、乳脂肪を主原料にしていると思われがちだ。ところが、一般的なコーヒーフレッシュは、牛乳(ミルク)や生クリームで作られてはいない。

◇ 「ミルク生まれ」は例外中の例外
 いわゆるネーミングの妙だろうが、市販されている大半の商品は「植物性油脂」に「水」と「乳化剤」を加えて作られる“クリームもどき”。さらに着色料で白の色合いを、香料で匂いをつけてミルク風に仕立てたしろもので、独特のとろみも増粘多糖類によるものだ。例外は森永乳業の看板商品『クリープ』で、ことさら“ミルク生まれ”をうたっている所以だ。
 直に舌なめずりすると歴然だが「ミルクもどき」ゆえ、まったくおいしくない。主原料が植物性脂肪のため、乳糖不耐症の人も飲めるとか、珈琲の味を左右しにくいあっさり風味がアメリカン向きであるとか、ひいき筋の声もある。だが、その原材料や製造過程を知れば、健康面を意識する人ならば、あまり多用したくなくなるはずだ。

◇ トランス脂肪酸ゼロでも添加物のかたまり?
 植物性油脂ならば「それほど危険ではないのでは?」と思いがちだが、欧米の一部の国では全面禁止になっている「トランス脂肪酸」が含まれている。さまざまな加工食品に含まれるトランス脂肪酸は、多くの研究で冠動脈疾患との関連性が指摘され、健康への悪影響が懸念されている。だが日本では、トランス脂肪酸の使用に規制がない
 ところが最近、「トランス脂肪酸0.0g」を謳うコーヒーフレッシュが登場。つまり食品会社は、トランス脂肪酸が「体に悪いもの」と認識しているわけだ。しかし、そもそもコーヒーフレッシュ自体が、さまざまな添加物が複合している“ミルクもどき”。できれば健康面も考えて、コーヒーにもこだわりたいものだ。


 日本ではトランス脂肪酸の使用規制がまだないんですね。驚きです。


消えた「タルボ」という名の喫茶店

2015-07-17 13:34:32 | コーヒー
 「タルボ」とは栃木県足利市にあった珈琲の美味しい喫茶店の名前です。
 今から30年くらい前に、姉に連れられて店に入りました。
 その時はじめて見たネルドリップとコクのある珈琲の味・・・インスタント珈琲しか飲んだことのない私にはカルチャーショックでした。

 昨日、自分の子どもと買い物に出かけた際、彼が「珈琲飲みたいね」と言い出したので、おぼろげな記憶を元にタルボを探したのでした。
 路地を端からたどっても結局見つからず。

 途中で見かけた「珈琲蔵」というお店に入りました。
 私は珍しい「ペルー」を注文しました。
 そこそこコクがあり、冷めてきたときの酸味がよい感じ。

 お店の女主人に聞いてみました。
「この辺にタルボという喫茶店がありませんでした?」
「ありましたけど、先年店をたたみました。今は更地になっています。」
 「!?」
 ・・・そうなんだ、なくなっちゃったんだ(涙)。

 それからは地元話に花が咲きました。

 「珈琲蔵」の斜め向かいに神社があって、そこは「パンヂュウ」で有名な屋台が店を出す場所です。
 昨日は台風が来ていたせいか、屋台は見当たりませんでしたが。
 私が高校生の頃、確か2代目に替わったところだったかなあ。
「今も続いているようだけど、何代目がやってるんですか?」
「三代目と四代目です」
 ・・・すっかり、足利名物・伝統になりましたね(^_^)。

 もっと昔、私も知らなかったのですが、この神社に焼きそばの屋台も出ていたそうです。
 それが足利名物の「ポテト入り焼きそば」の元祖らしい。

 「足利は織物の町であり、お腹を空かせた女工さん達のおやつや食事として簡単に食べられるものが発達したんですよ」と女主人。
 そういえば、ポテトフライもありました。
 佐野のような衣が厚いタイプではなく、パン粉だけつけた感じで、私も小学生時代、たまり場だった駄菓子屋さんで買っておやつ代わりに食べてました。

 さて、この通りをもう少し北に行くと、珈琲屋台の「アラジン」が店を出す場所です。
 高校生時代の通学路だったので、「不思議な店だなあ」と横目で見ながら部活が終わって真っ暗になった帰路を急いだ記憶が残っています。
 当時、TV番組の「ぴったしかんかん」のクイズにも取り上げられて有名になりました。
「アラジンはまだやっているんですか?」
と聞くと、
「ええ、今は二代目です。」

 ぱんじゅうもアラジンも、世代交代しながら続いていることを知り、なんとなく嬉しくなりました。


苦いけど胃に優しい珈琲の秘密

2013-01-31 19:21:13 | コーヒー
 よく「いい珈琲は何杯飲んでも胃が重くならない」と聞きます。
 ホントかなあ・・・なぜなんだろう?
 と以前から素朴な疑問を抱いてきました。

 先日、「しげとし珈琲」の配信メールの中に答えの一部を見つけたので、一部を抜粋しておきます;

高品質なコーヒーとして代表的なアラビカ種は、カフェインの含有量が少ないんです。
その上、カフェインの消化する温度は178度ですから、深煎りまで煎るとカフェインがほとんど飛んでしまいます。

だから濃い目に抽出しても、胃に負担がないコーヒーが出来上がるんです。
中深煎り以下のコーヒーだとオススメ出来ません。


 なるほど、「土井珈琲」も深煎りが多い理由もこれかもしれませんね。


コロンビアのナブシマケを求めて

2013-01-22 22:48:06 | コーヒー
 知らない人は「何のこと?」とお思いでしょうが、これは珈琲豆の話です。

 5年ほど前から、私なりのペースで珈琲を楽しんできました。
 ドリップパックから始まり、デパート内の珈琲専門店で豆を購入し挽いてもらいペーパードリップで入れるようになり、ネット通販で珈琲豆を購入して自分で挽くようになり、水にも少しこだわり・・・。
 
 そして現在、以下のようなラインナップに落ち着いています。
・水は水道水をBRITAの浄水ポットで濾過 ・・・ミネラルウォーターより美味しい。
・ポットは「Russell Hobbs 電気カフェケトル」 ・・・必要な分だけお湯を沸かし、細い口から適量を注ぐことが可能
・ミルは「ポーレックス コーヒーミル」・・・静電気が一番起きにくかったので。
・ドリッパーは一つ穴の「コーノ式」を用いて「コーノ式かなざわ珈琲」の要領で ・・・かなざわ珈琲の入れ方で雑味が消えた!

 そして珈琲豆は・・・ここ数年は「土井珈琲」から半定期的に通販で購入してきました。
 それなりに満足し、珈琲のいろいろなおいしさを教えてもらいました。
 感謝しています。

 さて、私の好みの味は「上品な酸味」。
 珈琲は冷めるに従い酸味がより引き立ってきますが、冷めても最後の一滴まで飲み干したくなる味が理想です。

 それに当てはまったのが「コロンビアのナブシマケ農園」の豆だったのです。
 飲み干してもう一度注文しようとしたら「在庫なし」というつれない返事。
 しかたなくその後も同じ感動を期待して他の豆を購入してきましたが、ナブシマケ以上の味に巡り会えません。
 どうも、土井珈琲さんは苦み重視の傾向があることにだんだん気づき始めた私です。
 モカでさえ、深煎りシティローストで酸味より苦みが強調されている印象があります。

 ネットで他の店がナブシマケを扱っていないかどうか探してみました。
 いくつかのお店に振られた後、まじめな「しげとし珈琲」に出会いました。
 早速購入して届いた珈琲の袋を開けると、苦み・酸味・コクが一体となった香ばしい香りが漂ってきました。

 「これ、この香り!」

 毎日数杯飲んでいたら、200gがあっという間になくなりました。
 また注文しようと思いつつも、他の豆が残っているので我慢。
 珈琲豆の賞味期限は2週間くらい。
 それ以上保管しておくと、香りが飛んでしまい、ドリップした時に粉が膨らみません。
 鮮度の落ちた膨らまない珈琲を飲むのは哀しいものです。

 というわけで、在庫を早く消費すべく、最近1日3杯以上珈琲を飲む日々が続いています。
 不思議なことに胃が重たくなりません。

「バリスタ」(漫画:むろなが供未 著, 花形 怜 原作)

2012-11-15 06:12:35 | コーヒー
こちらもコーヒー関連マンガ。
原作者は「珈琲どりーむ」と同じです。

「珈琲ドリーム」はカフェを開く夢を描き、こちらの「バリスタ」は珈琲を入れるプロの人生を描いています。

「珈琲ドリーム」と比較すると、珈琲そのものに関するうんちくも披露されていますが、むしろ人をもてなす姿勢や微妙な人間関係も描き込むことによりストーリーに膨らみを持たせており、読み応えがありました。
原産地の貧困とフェアトレードもわかりやすく説明されています。

発売されている7巻まで読み終わりました。

イタリアでバリスタの修行をする主人公:香樹。
大手珈琲会社にスカウトされ、日本支店開店に伴い帰国します。
見習い扱いではじまったものの徐々に頭角を現し、WBCC(ワールド・バリスタ・チャンピオンカップ)の日本予選で優勝するに至ります。
しかし、ファミリーアフェアで失意のどん底に落とされて放浪の旅へ。
その途中にバーのママさんに拾われ、なんとカクテルを作るバーテンに転職してしまいます。あれれ?

まあ、話を揺り動かしてまた元に戻るのだとは思いますが、7巻は意外な展開でした。
8巻は本日発売ですね。買わなくちゃ。

「珈琲記」(黒井千次著)

2012-08-16 20:48:06 | コーヒー
紀伊國屋書店、1997年発行。

小説家による珈琲関連エッセイ集です。
決してマニアではなく、珈琲好きの一男性が周辺の思索を記したもの。
この「マニア過ぎない」スタンスが、肩が凝らなくてよい感じでした。

■ 珈琲の味へのこだわり
・本格的な「アメリカン」はただの薄い珈琲ではなく、浅煎りで粗挽きの豆で淹れた贅沢な一品である。
・朝の珈琲は2杯飲みたい。西洋料理の最後に出てくるデミタスは量が少なくて物足りない。ちなみに「デミ」とは’半分’、「タス」とは’茶碗’の意味。
・インスタントも必ずしも嫌いではないけれど、感覚的には豆で入れる珈琲とは別の飲み物だという気がしてならない。ちょうど、「珈琲」と「コーヒー」くらいの差があるのだ。
・どちらかといえば、苦みのある珈琲より酸味の強い方が好みである。特に少し薄めに淹れる場合は、酸味の珈琲が適しているように思われる。苦みの品は薄いとすぐ味がぼやけるのに対し、酸味は薄いながらも尖った部分が残る感じである。
■ 紅茶派と珈琲派
・自分の中では紅茶は家の中の味、珈琲は家の外の味として育ってきたので、珈琲には飲んだ店の影がつきまとい、いわば店の雰囲気ごと飲んでいることになる。
・ロシアの珈琲は大味なので、これなら紅茶の方がまし。
・英語の辞書を引くと、「ティー・ブレイク」とは英国でのお茶の休憩時間を指し、米国ではそれが「コーヒー・ブレイク」となる、と記されている。珈琲好きのイギリス人に「なぜ珈琲ではなく紅茶を飲むのか?」と聞いたところ「安いから」との答えが返ってきた。
■ 器具へのこだわり
■ カップへのこだわり
■ ミルクと砂糖へのこだわり
■ 喫茶店に置ける珈琲の諸相
・その店の特徴を味わうにはストレートではなく「ブレンド珈琲」が最適である。うるさくいえばきりがないだろうが、ストレートの場合はどこの店で飲んでも同じ種類の豆ならほぼ似た味の珈琲が出てくる筈である。しかしブレンドとなれば、店によって味が異なるのが当然である。そこに客としての楽しみがある。
・ファストフード店の珈琲はあくまでも「セットの一部」であり、単独で飲むと味気なくなってしまう。

などなど、興味深く読ませていただきました。

ただ、黒井氏は自分で豆をひくのを面倒くさがり、粉の缶を購入してきてドリップしている様子。
これはいけません。ちょっと損をしています。
やはりオンデマンドで焙煎した豆を購入し、ミルで粉を挽いて香りを楽しみ、お湯を注ぐときに粉が膨らみ味が凝集していくのを眺めながら、淹れるまでの過程を楽しんでほしいものです。

「コーノ式かなざわ珈琲」

2010-09-04 05:23:48 | コーヒー
金澤 政幸 著、大和書房(2009年発行)

珈琲の本です。
題名になっている「コーノ式」とは、抽出液が落ちていく穴が1個だけのタイプのフィルターです。
一般には幅広タイプで小さな穴が複数個並んでいるメリタ式やカリタ式をお店ではよく見かけますね。

内容はいたってシンプルで、コーノ式珈琲フィルターを使って淹れる著者独自の方法を紹介するのみ。
それは、抽出を本来の1/3で止め、あとはお湯を足して完成、というもの。
この方が美味しいらしい・・・そんなもんかなあ。

で、実際に試してみました。
ホントだ、味が変わった!

口当たりは濃縮したエスプレッソのような感覚で、後味はスッキリ。
後半のコクがややおとなしくなりますが、胃に来るような重さが皆無なのです。
同じコーヒー豆を使っても、淹れ方一つでこんなに違うとは驚きです。

確かに「美味しい」。

自宅で淹れるコーヒーの楽しみがまた一つ増えました。
著者の金澤さんに感謝。