日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「鞄が欲しい」

2008-12-01 23:31:52 | 時計・鞄・靴
「鞄が欲しい」ー万年筆画家が描いた50のカバン遍歴ー、枻出版社、2005年発行

万年筆画家&鞄オタクが書いた&描いたカバン遍歴の本です.
私もオタクではありませんが、鞄が好きです.
特に年月を経て味わいを増す革の鞄に魅かれます.
私の理想とするスタイルは、カントリー・ジェントルマン.
デザイナーズ・ブランドではなく、トラディッショナル・ブランドで固めたいですね.
ハリス・ツィードのジャケットにパンツ、靴はトリッカーズのカントリーライン、そして手には革のグローブと飴色の光沢を帯びた茶色の鞄・・・考えただけでにんまりしてきます.

さて、本の内容に戻りますと・・・さすがに本を書いてしまう程の鞄好きは違う.
そのコダワリの広いこと細かいこと.
紹介される鞄は有名ブランドものに留まらず、大正時代の初期ランドセルから、農作業で使うお婆ちゃんが作った籠、特注で作った万年筆ケースとキリがありません.
コダワリのポイントは、まずは全体の美しさ、デザイン、職人の手作業が生きる縫製の丁寧さ.
次に機能性.ハンドルが手に馴染む程度、バックルの使い勝手、ポケットの数と位置.
そして長年の使用に耐え、孫の代まで伝えられる頑丈さ.

読んでいてゴックンとつばを飲み込んだ箇所を挙げてみます.
エルメスのオータクロア→「革はいいですょぉ! がっちり、しっとり、ブルンブルンという感じ」
ルイ・ヴィトンのトランク→「金具は凄い.とにかく丈夫! ああ凄い!」
ロイドフットウェアのドクターズバッグ→「(側面の)えくぼがすてきというのはあるけど、この革のくぼみの作り方がすてき」

やっぱり革が好きなんだなあ.
最初に皮をなめして革にしたヒトは偉大だと思います.