日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

写狂人の旅 アラーキーと歩く4日間

2018-09-24 14:35:56 | 趣味
プレミアムカフェ「写狂人の旅 アラーキーと歩く4日間」
2017.11.27放送 NHK-BS(初回放送2009年)



「アラーキー」といえば「ヌード」のイメージ。
彼のカメラマン人生を追ったこの番組は、それだけではないことを証明するのに十分すぎる内容でした。

カメラマンデビューは「さっちん」。
東京の下町を彷徨しているときに出会った少年を、自分の少年時代に重ね合わせて撮影しまくった作品です。
一見して「土門拳か?」と見間違うような“昭和の腕白小僧”を捉えた表情に魅せられます。

それから電通に入社し、ヌード写真を初めて居づらくなり退社し、陽子さんと結婚してカメラマン人生を歩くことになります。

使用しているカメラはフィルムカメラなんですね。
手軽なスナップ写真はライカ。
三脚を使うときはペンタックス。

番組作成当時は「日本人ノ顔」プロジェクトに取り組んでいました。
彼の言動で耳に残ったコメント;

モノクロ写真は過去になってしまう。
不機嫌な顔は時間を止めてしまう。

カラーは現在を表現できる。
笑顔は時間を止めない、動いている。

家族の中の笑顔が最高。
大人の顔は人生を表す。
そしてその顔は家族と周囲が作る。

顔は魅力的である。
顔は人間の体の中で一番「ヌード」である。


番組を通して感じたことは、「彼が撮るとふつうの風景が作品になる」という事実。
もはや「センス」としかいいようがない。

何気ない町並みがセンチメンタルに写る。
女性のふとした表情が、秘めた美しさを垣間見せる。

なぜなんだろう?

もしかしたら、被写体に恋して被写体が愛しくてたまらないという感情が込められているからかもしれない、なんて番組終了後にふと思いました。

写真家・石川竜一

2018-09-24 14:34:40 | 趣味
ハートネットTV「フィルターの先に〜写真家・石川竜一〜」
(2017.8.16放送:NHK-Eテレ)



アラーキーのドキュメンタリーの後にこの番組を見ました。
ん、この人の撮る写真、“作品”になっていない。

彼は「俺は石川竜一というフィルターなんだ」とつぶやきます。
ふだんは目にすることのない人々、風景をありのままに伝えるという意味でしょうか。

しかし私には、被写体が変わっているというインパクト以外、特に何も感じられませんでした。

番組内容
2年前写真界の芥川賞と呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞した石川竜一(32)。彼が写す沖縄の風景と人が織りなす強烈な世界は衝撃的だ。密着取材で素顔の石川竜一に迫る。

脳死と脳始の意義とは? 〜最後の講義「生物学者 福岡伸一」

2018-09-09 17:27:30 | 趣味
 このブログに4年ぶりに登場する福岡伸一先生。

□ (2014.8.30)「動的平衡」(福岡伸一 著)

 今回もNHKの番組です。



□ 最後の講義「生物学者 福岡伸一」
2018.8.18:NHK-BS
<番組内容> 
 「人生最後だったら、何を語り残すのか?」。アメリカの有名大学で行われる「最後の講義」が日本にも登場。今回は「生物と無生物のあいだ」などベストセラー著書で知られる生物学者・福岡伸一さん。「生命とは?生物とは何か?」を問い続けて数十年。「1年前の自分と今は別人。実は完全に入れ替わっている…」固定概念を揺さぶる目からウロコの刺激的なメッセージの連発。福岡ハカセと「生命」を考える知的エンターテインメント!


 「動的平衡」の概念は既に知っていたので、驚きはありませんでした。

 心に残ったコメントの一つに、「脳死と脳始」がありました。

 「脳死」とは「死」の定義を変えて寿命を短くした行為。
 そのメリットは、「まだ温かい体のパーツを移植に使える」という医学的&経済的行為。

 「脳始」とは「生」の定義を変えて寿命を短くする行為。
 胎児の脳が意識を持つまでは「命」と捉えないこと。
 つまり、それ以前は「命」ではないので科学的・医学的実験に使えるということ。

 結局「脳死」も「脳始」も人間の都合で人間の命の定義を変えて寿命を短くしただけ。

 なるほど。