日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「いい絵って何だろう」 ~イラストレーター・安西水丸~

2017-08-17 06:19:11 | 趣味
■ 「いい絵って何だろう~イラストレーター・安西水丸~」
2015年3月15日:NHK日曜美術館
出演:嵐山光三郎さん(作家)
VTR出演:
松任谷由実さん(シンガーソングライター)
小山薫堂さん(放送作家・脚本家)
南伸坊さん(イラストレーター)





 私にとって、安西水丸さんとは、村上春樹さんの小説のイラストを描く人、です。
 一見「ヘタウマ絵」ですが、不思議な魅力と雰囲気を纏っています。
 真似できそうで、できません。

 その人物となりは全く知りませんでした。
 
 この番組を見て、あの飄々とした雰囲気は2年間のアメリカ生活がにじみ出ているんだなあと気づきました。
 作家の嵐山光三郎さんも時々イラストで登場しますが、なんと雑誌社で一緒に働いていたとのこと。
 村上春樹さんとの縁は、嵐山さんの紹介のようです。


<内容>
 昨年3月、71歳で急逝したイラストレーター、安西水丸。
 ユーモラスで、脱力系、どこか温かみのある安西のイラストレーションは老若男女、幅広い層から支持され、多くのファンを持つ。
 おびただしい数の書籍、雑誌の装丁挿絵、ポスター、漫画、絵本、文筆の分野でもエッセー、小説と作品は多彩を極める。「村上朝日堂」をはじめとする作家村上春樹との共作は今も人々の記憶に新しい。村上は「ぼくにとってのソウル・ブラザーのような人」とその死を惜しんだ。
 シンプルでヘタウマともいえる線と形と色彩。しかしそこにはちょっとシュールで不思議な哀愁や人間への深い洞察が潜んでいる。
 子どもの絵や、アメリカのフォークアートを好み、絵画にとって大事なこととは、いい絵とは何かを問い続けた。
 番組では代表作のマンガ集「青の時代」、村上春樹が「水丸の極北」と称賛したおもしろ普通常識マンガ「普通の人」、村上との共作絵本「ふわふわ」などの作品、雑誌の表紙を走る村上春樹など、イラストレーションの傑作を紹介しながら水丸ワールドの魅力に迫る。



花火撮影に初挑戦。

2017-08-06 10:13:55 | 趣味
 2017.8.5、第103回足利花火大会で撮影に初挑戦しました。
 場所は足利警察署観覧室。
 打ち上げ場所から少し北東で、絶好の場所と言えます。



 さて開始予定より30分前に現場に到着、テラスの席取りをと思ったらすでにほとんど埋まっていました(T_T)。
 仕方なく端っこに三脚を立てて準備開始。

 愛用のカメラは Canon EOS 80D です。
 広角レンズ(10〜18mm)とズームレンズ(18〜135mm)を用意してきましたが、広角レンズではちょっと遠いことが判明し標準ズームを選択。
 カメラの設定は基本の「Bモード」「ISO100」「F11」

 あれ? 
 メニューの「ISO感度に関する設定」では200止まりで100にならない・・・。
 どこかのHPに「長秒時露光のノイズ低減」をOFFにするとできると書いてあったので、その指示に従うと100に設定可能になりました(^^;)。

 セオリー通りAFモードでをした後MFモードに戻し(「置きピン」)、花火大会開始とともに試し撮り。


(試し撮り)

 まだ空は明るさが残ってますね。
 あとはひたすらリモートスイッチでシャッターを繰り返し押すのみ。
 しかし、プログラムがないのでどのような花火が上がるか予想つかず、構図に苦労しました。
 単発花火は縦長、まとめて上がる仕掛け花火やスターマインは横長で撮りたいところ。
 各スポンサーの1シリーズの花火が始まってから、その度に設定をし直す始末。


(写ったけど遠くて小さ過ぎ)

 また、1シリーズのはじめに構図を合わせると、後半のクライマックスの大きな花火が構図からはみ出ることに気づきました。
 う〜ん、難しい。

 それから、花火がまとめて上がるとずっとシャッターを開いていたのですが、明るすぎて白飛びすることに気づきました。


(花火の数を欲張りすぎて白飛び)

 う〜ん、欲張っちゃいけないんだ。
 少し短めにしても白飛びの回数が多いので、F11をF13に変更しました。
 今度は短めにシャッターを閉じると光量不足で華やかさが感じられない・・・。


(シャッター時間を短くしたら寂しい写真に)

 この設定で、4〜5個くらいの花火を入れる感じで撮影するとまあまあかな、と落としどころに気づきました。
 そしてひたすら撮ること約1時間。
 帰宅後、撮れた写真をみると、使えそうなのは10枚に1枚程度しかない(T_T)。
 初めてだからこんなもんかな、と自分を慰めました。

 では作品(?)をご覧ください。


<花火写真ギャラリー>

















 いかがでしょうか。
 えっ?

 仕掛け花火がない!
 ナイアガラがない!

 と気づいたあなた。
 実は後半の盛り上がりを前に、帰り道の渋滞に恐れをなして早めに撤収したのでした(^^)。

花火撮影の極意とは?

2017-08-05 08:17:45 | 趣味
 2017年夏、足利花火大会を間近で鑑賞できることになりました。
 急遽、花火撮影の方法をネット検索&写真雑誌で勉強中。
 初めて知ったことがたくさん・・・(^^;)。

・B(バルブモード)を使うこと
・ISOは100に固定
・明るさはシャッター時間ではなく絞りで調節する
・「置きピン」を使う


 等々。
 読む資料により設定などは微妙に異なりますが、忘れないうちにポイントを書き留めておきます。

<参考資料>
①「今日から出来る!ステキな花火の撮り方 入門編」(Studio9)
デジキャパ!総集編 2017 Summer 「花火撮影超入門」
③「夢幻花火」(Canon)


<用意すべきもの>
□ カメラ:バルブ(B)を使えるカメラ
□ レンズ:会場では広角レンズ(画面からはみ出すので)、離れた場所では望遠も
□ 三脚:1万円クラスがお勧め
□ レリーズ(リモートスイッチ)
□ ミニライト:百均で売っているものでもOK
□ 黒うちわ(※)
□ 飲み物?

※ 黒うちわの使い方:
①B(バルブ)でシャッターを開ける前にレンズの前にうちわをかざし、シャッターを開ける。
② 花火が打ち上がり、開く直前でうちわをレンズの前からはずし、花火が開ききるまで露光する。
① ② の動作を繰り返し、いくつかの花火を写し込んだらうちわをかざすか、シャッターを閉じる。

<事前の準備>
□ 場所取り:周囲の迷惑にならないよう三脚使用の可否を確認。風上が鉄則。

<カメラの設定>
□ バルブ(B)モード
※ バルブ(B)が見当たらないカメラでも、Mモードでシャッタースピードを30秒以上に設定するとBモードに変わるものが多い(EOS Kissシリーズ、Sony αシリーズなど)。
※ オートや絞り優先(Av, A)などで撮影すると光跡が短くショボイ写真や明るすぎて白飛びした失敗写真に必ずなる。
□ 露出の設定:ISO100, F11が基本!
 ちょっと暗いなと思ったときは『 ISO 100, F8 』、逆にスターマインなどで明るすぎるなと思ったときは『 ISO 100, F16 』にセット。和火と呼ばれる日本古来の控えめな花火ならちょっと暗いのでF8~11くらい、逆にスターマインなど明るい花火がバンバン上がっているならF16~22くらいで調整。
※ F16やF22まで絞りたくない、またはF22まで絞っても明るすぎるという場合はNDフィルターを使うことも検討。花火ならND2やND4など薄めのフィルターが使いやすい。

②では
(撮影モード)MあるいはB
(ISO感度)100〜200
(絞り)F8前後(ND使用時)、F13前後(ND未使用時)
(シャッター速度)バルブ
(ホワイトバランス)「電球」(洋火)、「晴天」(和火)を使い分ける
(長秒時ノイズ低減)OFF
(手ぶれ補正機能)OFF
(ピント合わせ)AFでピントを合わせて、MFに切り替える

③では、「ピント合わせは「MF」「置きピン」 が基本!」
 花火のピント合わせは、AF(オートフォーカス)で行う。一度上がった花火に対してピントを合わせる。花火撮影では、長時間露光で何発もの花火を重ねて撮る。露光中に誤ってAFが作動し、ピント位置が動くのは避けたいところ。最初に合わせたピント位置が変わらないようにするには、レンズのフォーカスモードスイッチを「MF」に切り替える、いわゆる「置きピン」で撮る。

〈モードダイヤル〉はB:長時間露光(バルブ)モード
〈絞り〉はF11~F22(絞りで写真の明るさを調整)
〈ISO感度〉は低感度のISO100
〈ホワイトバランス〉はオートホワイトバランス(AWB)
〈ピクチャースタイル〉は「スタンダード」もしくは「風景」

<撮影の実際>
★ 花火撮影の場合、シャッタースピード(SS)は花火の明るさにはあまり関係がない。シャッタースピードは火花が散っていく軌跡や写し込む花火の個数をコントロールするために使う。花火の明るさは絞り(F値)とISO感度で決まる。

□ バルブモード(レリーズ必須)では花火が上がっている間好きな時間だけレリーズのボタンを押し続ける(5秒とか10秒)。秒数は適当でOK。
 打上げ時間が早く空がまだ明るい時は1~2秒が良いかも。また、スターマインなど同じ場所に連続で上がる場合は長すぎると真っ白になる。
 タイミングはドンッと鳴った瞬間にシャッターを押す感じ(打ち上げ場所が近いなら)。レリーズのボタンを放すタイミングは狙っていた花火が開ききったくらい。長くボタンを押して2個、3個と花火を入れるのも良い。
 レリーズを押している時間は5~10秒でOK、シャッタースピードを長くすればするほどたくさんの花火が入るので、慣れてきたら徐々に長くしてみるのも良いかも。(花火が重なって明るくなりすぎる場合はF16などにする)。
※ レリーズが無い場合はMモードで5~10秒くらいにセット。
※ 三脚がないけどどうしても手持ちで撮りたいときは、『 ISO 100, F11 』でシャッタースピードを1/10秒くらいにセット。
□ ホワイトバランスはお好みで。
□ ピントの設定:撮影前に遠くの街灯やビルの窓明かりにAFでいつも通りピントを合わせた状態でMF(マニュアルフォーカス)に切り換えておけばピントがズレがなくなる。AF(オートフォーカス)にしておくとシャッターを押したときにピントがずれてしまうので、必ずMF(マニュアルフォーカス)にしておくこと。
 もしくははじめからMF(マニュアルフォーカス)に切り換えておき、ライブビューを見ながら自分でレンズのピントリングを回し、遠くの建物や街灯に合わせておくのもOK。いずれにせよ、遠くの建物にピントを合わせて固定しておけば花火にもばっちりピントが合っているはず。
□ はじめの5分くらいは捨てるつもりでカメラの設定に費やすべし。
 花火の打ち上がる場所はプログラムの進行で微妙にズレていくので多少ゆとりをもった構図で撮っておき、あとでトリミングしてしまうと割り切った方が慣れないうちは落ち着いて撮れるはず。
また、構図が決まったら撮影結果を見て花火が白飛びしていないか(飛んでいる場合は設定を確認)、ピントが合っているかを始めの数枚チェック。
 焦って中途半端に撮影するとすべてピントがズレていたり、ぜんぶ白飛びしていたりと残念な結果になることも。
□ あとで編集できるならF16やNDフィルターを使うなどやや暗めに撮影しておく方が失敗が少ない。

□ 構図:単発花火なら縦位置、ワイドスターマインなら横位置が有効。下側には地上風景を入れ、昇火と花火全体を入れてフレーミングするのが基本。

「遙かな町へ」(谷口ジロー:作)

2017-08-01 06:10:01 | マンガ
遙かな町へ」(谷口ジロー:作)小学館、2004年発行



 ふとしたきっかけで知った漫画作品。中古で購入して読んでみました。
 あれ、この画見たことあるなあ・・・と思ったら「歩く人」という作品を昔リアルタイム(「ビッグコミック」連載)で目にしていました。
 セリフのないマンガで、成人男性が歩いていろんな光景・風景を目にしていくという、かなり実験的な異色作品でした。

 原作の発表は1998年のようです。
 第3回「文化庁メディア芸術祭」(1999年)マンガ部門で優秀賞受賞作品。
 海外でも評価され、なんとヨーロッパで映画化されています。

 さてこの作品、SFの分野で言えば、いわゆる「タイムトラベル」「タイムスリップ」ですね。
 仕事に疲れ、アルコールにまみれた中年男性が、突然中学生時代の故郷にタイムスリップ。
 そこには甘美な青春時代やファミリー・アフェアがあり、自ら中学生に戻った主人公は郷愁をそそられながらひとときを過ごしてもとの時代に戻るストーリー。

 父親が失踪し、母親が亡くなった年齢に達した主人公が、過去を振り返り自分の育った家族を見つめます。それとともに、当時中学生だった主人公から見た両親の生き様をも見つめます。
 大人目線と子ども目線が混じり合って不思議な心象世界を形成している点が評価されているのかな。

 アハハ、と笑って終わるマンガとは一線を画し、内容が深く濃く、一気に読ませる勢いに作者のスキルを感じます。

書籍の内容
●主な登場人物;
 中原博史(48歳のサラリーマン。34年前の中学生時代にタイムスリップしてしまう)
●あらすじ:
 48歳の会社員・中原博史が、京都出張の帰路にふらっと乗った列車。それは自宅のある東京へ向かう新幹線ではなく、故郷・倉吉へ向かう特急列車だった。だが、なんとなく途中で戻る気にもなれず、結局故郷にたどり着いた彼は、死んだ母の菩提寺へと足を運ぶ。母の墓前で突如激しい目まいに襲われた博史が気がつくと、なんと中学生の姿に戻っていて…(第1話)。
●本巻の特徴:
 34年の時を越え、中学生時代の故郷・倉吉にタイムスリップした博史。最初の戸惑いにも徐々に慣れ、かつて憧れていた少女と二度目の青春時代を楽しみ始める。だが、まもなく父が家族を捨て、失踪してしまう「事実」を思い出した博史は、これを思いとどまらせようと決意するのだが…。谷口ジローの名作シリーズが、リニューアル版全1巻で再刊行!
●その他の登場人物:
 中原和江(博史の母。34年前に夫に失踪され、22年前に48歳で他界)、
 中原京子(博史の3歳違いの妹。20歳のとき結婚している)、
 永瀬智子(中学生時代の博史の級友。男子の憧れ的存在)、
 島田大介(中学生時代の博史の悪友)


 まあ、マンガとしては秀作です。
 しかしSF小説という視点からすると、タイムトラベルの設定に破綻があります。
 私小説としてはありがちなストーリーであり、凡作の域を出ないと思います。