日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

消えた「タルボ」という名の喫茶店

2015-07-17 13:34:32 | コーヒー
 「タルボ」とは栃木県足利市にあった珈琲の美味しい喫茶店の名前です。
 今から30年くらい前に、姉に連れられて店に入りました。
 その時はじめて見たネルドリップとコクのある珈琲の味・・・インスタント珈琲しか飲んだことのない私にはカルチャーショックでした。

 昨日、自分の子どもと買い物に出かけた際、彼が「珈琲飲みたいね」と言い出したので、おぼろげな記憶を元にタルボを探したのでした。
 路地を端からたどっても結局見つからず。

 途中で見かけた「珈琲蔵」というお店に入りました。
 私は珍しい「ペルー」を注文しました。
 そこそこコクがあり、冷めてきたときの酸味がよい感じ。

 お店の女主人に聞いてみました。
「この辺にタルボという喫茶店がありませんでした?」
「ありましたけど、先年店をたたみました。今は更地になっています。」
 「!?」
 ・・・そうなんだ、なくなっちゃったんだ(涙)。

 それからは地元話に花が咲きました。

 「珈琲蔵」の斜め向かいに神社があって、そこは「パンヂュウ」で有名な屋台が店を出す場所です。
 昨日は台風が来ていたせいか、屋台は見当たりませんでしたが。
 私が高校生の頃、確か2代目に替わったところだったかなあ。
「今も続いているようだけど、何代目がやってるんですか?」
「三代目と四代目です」
 ・・・すっかり、足利名物・伝統になりましたね(^_^)。

 もっと昔、私も知らなかったのですが、この神社に焼きそばの屋台も出ていたそうです。
 それが足利名物の「ポテト入り焼きそば」の元祖らしい。

 「足利は織物の町であり、お腹を空かせた女工さん達のおやつや食事として簡単に食べられるものが発達したんですよ」と女主人。
 そういえば、ポテトフライもありました。
 佐野のような衣が厚いタイプではなく、パン粉だけつけた感じで、私も小学生時代、たまり場だった駄菓子屋さんで買っておやつ代わりに食べてました。

 さて、この通りをもう少し北に行くと、珈琲屋台の「アラジン」が店を出す場所です。
 高校生時代の通学路だったので、「不思議な店だなあ」と横目で見ながら部活が終わって真っ暗になった帰路を急いだ記憶が残っています。
 当時、TV番組の「ぴったしかんかん」のクイズにも取り上げられて有名になりました。
「アラジンはまだやっているんですか?」
と聞くと、
「ええ、今は二代目です。」

 ぱんじゅうもアラジンも、世代交代しながら続いていることを知り、なんとなく嬉しくなりました。