川田さんのミミが、いいんですよぉ・・・。
最初にこのお話を川田さんに差し上げた時、
川田さんは、迷っていらっしゃったんです。
ミミを全幕、歌ったことがなかったので。
ミミって、肺病なので、
透明感のある声で、
しかも、触ったら壊れてしまうような、繊細さを持っていて、
それでいて、プッチーニの音楽なので、
しっかりとした声と、テクニックを持って、
ちゃんと歌い上げなければなりません。
私もプッチーニは勉強中なので、
(最近、プッチーニに挑戦し始めたという話は
このブログでも触れていましたが)
まだまだ歌えるような声ではないと自覚しているのですが、
川田さんには、歌えるような気がしたんです。
初役だとお聞きしたので、多少の不安もありましたが、
彼女なら歌ってくれるという自信がありました。
で。
説得して色々なお話をして口説いて口説いて口説いて、
ようやくお引き受けいただいた訳です。
稽古を重ねるにつれ、
ミミに近づいていて、
ついに、演出の先生から、
「ミミは彼女のレパートリーだね」というお言葉を頂きました。
さすが、私が惚れこんで口説き落とした女性です♪
プロデューサーとしては、
オペラに、初役の人をキャスティングするのは、
爆弾をしかけるようなもので、
エクスプロージョン(大爆発)を引き起こすかもしれませんが、
不発弾に終わってしまうかもしれない可能性も含んでいます。
口説いている時点では、
不発弾で終わる可能性ももちろん考えていましたが・・・。
本番まであと10日の今日の稽古では、
彼女は確実に爆発する確信を得ました。
今回のオペラをご覧になったお客様は、
新しい、しかし理想的なミミの誕生を目にすることと思います。
かく言う私も、
ムゼッタを歌うのは2回目。
しかも、初回は学生時代。
右も左も分からず、
ただ必死に歌っていた時でした。
今はちゃんとプロフェッショナルとして、
ムゼッタに取り組んでいます。
そういった意味では、私も爆弾。
不発弾に終わらないように、
頑張って“はじけたい”と思います!!!