廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

広島観光の今(中編)

2020-05-05 22:22:22 | Weblog
 広島の観光について研究する上で私がもっとも参考にしている資料が普通に本屋で売られている観光ガイド雑誌です。 広島市や県が配布している観光関連の冊子やパンフレット、チラシなどと違い実際に旅行に行く観光客の視点で極めて客観的に書かれており、そして東京の出版社が作っているので役所などによる力が作用する事も無く旅行市場の実態に即していると言う点で信頼のおける資料ではと。



 大型連休中の掃除で探してたけど見付からなかったので一昨年版の『まっぷる広島・宮島』です。 タイトルと違って宮島が前面に出る表紙で広島市の平和記念公園や原爆ドームは呉や尾道などと一緒に表紙の端の方に写真が載っています。 広島市や県の発行する観光関係の冊子とかでは原爆ドームと厳島神社、2つの世界遺産が並び立つ様に描かれてますが”外の世界”の人達が創ると宮島が主役となって原爆ドームや平和記念公園は”その他”扱いになっています。 昔は本当に両者が並んでいたのですが宮島が観光客の増加と比例して魅力を増して来たのに対し広島市は平和一辺倒に近い情報発信で...



 先日、広島市内中心部に出た時に5月の連休明けで閉店となる廣文館金座街本店に立ち寄って『まっぷる広島・宮島21年版』を買いました。 因みに『るるぶ広島・宮島』は毎年の秋に最新版が出ています。 宮島の大鳥居が現在、補修工事で見られなくなっているのでどうするのか(去年発売の『るるぶ広島・宮島20年版』では厳島神社の本殿が表紙の中心)と思ってましたが意外にも今は見られない大鳥居をそのままですね。 宮島のシンボルである大鳥居が見られないからと言って原爆ドームが前面に出る事は無いと言う訳です。 楽しむ為の旅行先を探し本屋の棚を見てる読者に原爆ドームが真ん中に来ている様な表紙では手に取ってすら貰えないと。 この現実を広島の地元メディアは隠している。


最初で最後の超大型連休
 今日もカープはホームのマツダスタジアムでジャイアンツと対戦でした。 例によってテレビ中継ですが地上波でやってましたね。 試合はカープが二軍から昇格して来たばかりの中村(祐)投手、......

 広島城も昔は旅行ガイド雑誌の表紙に写真が載っていたりしたのですが広島市の扱いが小さくなるのと比例する様に表紙から消えて。 2年前の『まっぷる広島・宮島』を見ると広島城は原爆ドームや平和記念公園・資料館と周囲の紹介をした後のページで広島市内その他の観光名所ページに10センチ四方くらいの扱いで紹介されています。 広島城そのものは10数年前まで存在自体を忘れられている様な扱いでしたが近年、行政側が予算を付けたのか展示内容などを強化しているのですけど...



 去年の末、広島市は広島城を観光拠点施設として位置付け整備を進めると発表しました。 それに先駆けて去年の初めには広島城と隣接する中央公園北側広場にサッカー場を建設し4年後の完成後はサンフレッチェがここで試合をして観客の足を広島城にも向けようと言う思想も明記しました。 そう言う広島市側の姿勢が好感されたのか『まっぷる広島・宮島』での広島城の扱いが1ページに急拡大していました。 こうして見ると旅行業界は広島市が平和発信から離れた観光政策に舵を切るのを待っていたのではないかと。 同じく今まで10センチ四方程度の扱いだった縮景園まで1ページの扱いに。



 広島市が進めて来た「ピースツーリズム」も現状では広島市内に滞在してじっくりと見て周りたい魅力が無ければ旅行業界的にはとても薦められるものでは無いらしく私も『まっぷる広島・宮島』最新版を隅々までチェックしましたがピースツーリズムや被爆建物巡りとかは全く無かったです。 別に私もピースツーリズムそのものは否定しませんが、これを広島に観光客を呼び込む手段とするには魅力の面で無理かと。 別の魅力で人を呼び広島市内に滞在して貰った上で被爆建物巡りとかにも興味を持って貰える方向でやるべきでは。 因みに『るるぶ』や『まっぷる』など旅行ガイド雑誌の広島版でよく取り上げられる広島市内のスポットは川縁の店とか人気のある飲食店などで、観光資源は平和関連しか無いと思い込むのは良くないかなと。 広島城など名所旧跡の整備と街中の活性化で魅力のある街へ。

 ...以上です。

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