小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

車嫌い

2009-02-06 10:23:19 | Weblog
私は中学生くらいの時から車が嫌いだった。しかし、オートバイは好きだった。それは単なる好みの問題ではなく、私の思想的なものも関係している。車は一つの完全な居心地のいい空間、何でも出来る便利な移動できる空間だからである。一言でいって私はマイホーム主義が嫌いだからである。完全に窓ガラスで遮断され、いくら運転しても疲れず、ラジオにクーラー、最近ではカーナビでテレビやビデオまで、しかもリクライニングシートを倒し彼女といゃつく事まで出来る。車の中で寝ることも出来る。つまり、小さな家みたいなもんである。これがマイホーム主義の象徴いがいの何であろう。車を大事にする愛車精神は悪くはないが、小さな傷にもカリカリするのはみっともない。所詮、他人のつくってくれた物じゃないか。私はこういう、みみっちい、ちっぽけなマイホーム主義が生理的に嫌いである。その点、オートバイは、それら全てが車と違う。オートバイは運転するための実用の機械である。風を切って走るから疲れるし、カーブも失敗すれば転倒する。ラジオもカーナビもクーラーも無い。女といちゃつく事も出来ない。そういう点が男らしい、マイホーム主義でない、格好よさを感じるのである。そして、それ以上に私はオートバイの構造美が好きなのである。正面のヘッドライト、真横に伸びたハンドル、流線型の燃料タンク、露出したキャブレターとエンジン。流れるようなマフラー。それらが一体となって完璧な構造美をつくりだしている。私は人の乗っているバイクより、バイクそのものに完璧な美しさを感じる。

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