小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

義母と義妹(下)

2015-08-26 14:53:36 | 小説
純の父親は、かねてからの要望が叶って、アメリカの××州立医科大学に行く事になった。
「一年で、もどってくる。お母さんと美子ちゃんと仲良くやるんだぞ」
父親は純にそう言いきかせた。
そして数日後にアメリカに旅立った。

その後も純はお仕置きという名目で美子を小屋に連れて行って、服を脱がせて裸にさせ、子供達に悪戯させた。
子供達もだんだん慣れてきて、美子が嫌がっても好きな事をするようになった。美子はだんだん元気がなくなっていった。

ある日の事。
その日、純は部活で遅くなった。家には静子と美子の二人である。静子は美子の部屋におやつを持っていった。
「どうしたの。美子ちゃん。最近、元気がないわね。何かあったの」
静子が問いかけたが美子は俯いてしょんぼりしている。
「何か悩み事があるのね。話して」
静子は美子の両腕を掴んで軽く揺すった。
「いいの。私がわるいの」
美子は小声でボソッと言った。静子の目に確信に近いものが宿った。
「どういうことなのか、美子ちゃんが話してくれなくちゃわからないわ。お願い。一人で悩んでいないで教えて」
静子は激しく娘を揺さぶった。とうとう美子は、わっと泣き出して母親にしがみついた。母親は美子を抱きしめて、やさしく頭を撫でた。美子はそれまでの経緯を述べた。
「あのね。私がお兄ちゃんの部屋に無断で入っちゃったの。無断で入らないように言われていたのに。それで、お兄ちゃんに、入っていないか聞かれたけど、私は入ってないとウソをついちゃったの」
「うん。それで」
「でも私のウソは、ばれちゃったの。それで私はお兄ちゃんに叱られて罰をうけてるの」
「美子ちゃん。よくわからないわ。具体的に言って。美子ちゃんは、お兄ちゃんの部屋で何をしたの」
「本を見たの」
「どんな本?」
「女の人が裸で縛られてる写真。引き出しの奥にしまってあったの」
静子はゴクリと息を呑んだ。
「それで美子ちゃんはどんな罰を受けてるの」
美子は極度の緊張と羞恥で顔を真っ赤にして全身をガクガク震わせた。静子は震えている美子の手をギュッと掴んだ。
「言って。美子ちゃん。お兄ちゃんには言わないから」
母親に促されて、美子は、それまでの事を恥を忍んで全部、話した。黙って聞いていた静子は聞き終わると、そうだったの、と深いため息をついた。
「お母さん。今日のことはお兄ちゃんには言わないで。お母さんに言った事がわかったら私、お兄ちゃんに嫌われちゃう」
「大丈夫よ。安心して。絶対、言わないから」
そう言って静子は美子の手をギュッと握った。

その日の夕食後。
机に向かって勉強している純の部屋を静子はトントンとノックした。純が戸を開けると、静子が少し頬を紅潮させて、入ってきた。
「あの。純さん。お夜食をつくってきました。召し上がって下さい」
そう言って盆を机の上に置いた。盆には、おにぎり二つと茶がのっていた。純は勉強の手を休めて、おにぎりを食べた。静子は薄いブラウスに短いフレアースカートだった。純がおにぎりを食べおわると、静子は純の前に正座した。両手をきちんと膝の上にのせて。
「あ、あの。純さん。私、純さんに謝らなくてはならない事があるんです。聞いていただけないでしょうか」
静子の声には緊張した様子が現れていた。
「ええ」
純はきわめて平坦に言った。
「ありがとうございます」
そう言って静子は語り出した。
「純さんが学校へ行っている時、純さんのお部屋を掃除していましたが、ある時、引き出しの中にどんなものが入っているんだろう好奇心が起こって、それがだんだん募って、ある時、とうとう引き出しを開けてしまったんです。それで・・・写真集を見つけてしまったんです。悪い事とは思いながら私は、夢中で見てしまいました。純さんがああいうものに関心があると思うと、何だかすごくドキドキして、掃除の時は、いつも見るようになってしまったんです。そして、それ以来、純さんにああいう風に縛られたい、という欲求が起こってきて、一人悶々とした思いで過ごしてきたんです。純さん。私をああいう風に縛っていただけないでしょうか。お詫びであると同時にこれは私のお願いなんです。純さんに無断で見てしまって心よりお詫びいたします」
そう言って静子は深々と純に向かって頭を下げた。純は黙って聞いていたが静子が語り終わると口を開いた。
「静子さん。いいんです。僕も少し恥ずかしいですけど、天井裏とか、もっと見つからない所に隠しておかないと見つかっちゃうんじゃないかと思っていたんです。別に気にしてません。僕より今の静子さんの告白の方がもっと恥ずかしいんじゃないでしょうか」
純は淡々とした口調で言った。
「純さん。ありがとうございます」
そう言って静子は何度もペコペコ頭を下げた。
「でも、いいんですか。静子さんのお願い、というのは」
「ええ。かまいません。何でもなさって下さい」
「そうですか。僕も静子さんを見た時から縛りたいとずっと思っていたんです」
じゃあ、と言って、純は引き出しの中から縄を取り出した。
「では縛らせてもらいます。両手を後ろに廻して下さい」
「はい」
純に言われて静子は両手を背中に廻した。純は静子の引き締まった手首をしげしげと眺めた。
「ふふ。細く締まっていて形のいい手首ですね。これなら縛ったらはずれない。縛られるのに理想的な手首ですね」
純がそんな揶揄をすると静子の手がピクンと震えた。純は静子の手首をグイとつかんで、わざと荒々しく手首を捻りあげて重ね合わせた。
「ああっ」
静子は、予期せぬ純の荒っぽい行動に驚いたかのように声を上げた。純は荒っぽくグイグイと静子の手首を縛った。縛り終えると純は縄尻を持って正座している美子の前に座った。「どうです。こうやって縛られる気持ちは」
純は余裕の口調で言った。
「こ、怖いです」
静子は声を震わせて言った。それはその通りである。手を縛られてしまった以上、何をされても抵抗することは出来ない。胸の所でブラウスが大きく膨らんで、小高い盛り上がりをつくっている。今はブラウスで覆われているが、それを、どうされるかは、純の胸先三寸なのである。
「怖いのは、はじめのうちだけですよ。今に気持ちよくなりますよ」
そう言って純は静子のブラウスのホックを上から外していった。
「ああっ。こ、怖いわ」
静子は慄いた。ブラウスのホックが外され豊満な胸を覆う白いブラジャーが顕わになった。ブラジャーはあたかも熟れた果実を包んで吊り下げている袋のようであった。それは、あまりにも見事な乳房だった。男なら誰でも思わず触ってみたくなるような。純はそれをじっと見つめた。静子は純の刺すような視線に顔を赤くした。いつもは少し自慢している大きな乳房が今はなくなってしまってほしいと思った。美子は縛られた手首を力なくダランとさせていた。しばし純は美子の豊満な乳房を包んで無防備に晒されているブラジャーをしげしげと眺めた。静子は純の視線に耐えられず顔を赤らめて少しそむけた。

いきなり純が鉛筆の先で静子のブラジャーの乳首の所をつついた。
「ああっ」
静子は思わず声を出した。鉛筆の先はブラジャーの中にめり込み、そこだけが窪んだ。
「ああっ。や、やめてっ」
静子は思わず叫んだが、純は悪戯を楽しむように、鉛筆の先で美子の乳房を覆っているブラジャーを、あちこち、つついた。そうされても静子は抵抗できない。
「静子さん。立って」
言われて静子は立ち上がった。純は静子のスカートの中に手を入れた。静子は、あっ、と叫んだ。純は静子の太腿の感触を楽しみながら、静子の顔の反応を見た。純は指をそっと太腿に触れさせながら、気味の悪い節足動物が這うように動かした。
「ああー」
静子は眉を寄せて、足をプルプル震わせた。よろめいて、おぼつかない。純は太腿の内側から、足の付け根の方へ指をゆっくり這わせた。その度、静子は、
「ああー」
と叫び、苦しそうに眉を寄せた。純は目的地は決して触らなかった。静子は目的地の方へ指が動いていく、もどかしさ、いつ目的地に来るのかわからない恐怖感で、もう、そのじらす悪戯に参ってしまって、ヨロヨロと揺れて倒れんほどだった。だが後ろの尻の方の触手は念入りにパンティーの上から柔らかい大きな尻を電車の中の痴漢のように、いやらしく撫で回った。純は、パンティーの尻の方の縁を持ち上げて、離し、ピチンと音をさせたり、指先を少し縁の中に入れたりした。もう静子は、この焦らし責めに完全にまいってしまった。
「お願い。純君。もう許して」
静子は訴えた。
「静子さん。座って」
言われて静子は、座った。やっと、立ったままでの辛い悪戯から遁れて静子はほっとした。純は静子のブラウスのホックをはめた。
「どうでしたか。静子さん」
「は、恥ずかしいし、辛かったわ。でも何だかとてもワクワクドキドキしてしまって・・・こんな経験はじめて」
静子は顔を赤くして答えた。純は、ふふふ、と笑った。
「これからもっと刺激的な事をしてあげますよ」
そう言って純は静子の手首の縄を解いた。
「あ、あの。純君」
「何ですか」
「私には何をしてもいいです。私、純君の性欲処理のオモチャになります。でも・・・」と言って静子は言いためらった。
「でも、美子は許してやって下さい。性欲が起こったら、いつでも私で発散させて下さい」「はい」
純はニヤリと笑って言った。

その二週間後の光景。
純の部屋に来た静子に純はSM写真集を開いた。
「今日はどれがいい」
「こ、これをお願いします」
静子は手を震わせながらある写真を指差した。それは蟹のように大きく足を開いて横に縛られている裸の女の緊縛姿だった。

その数日後。
その日は日曜だった。美子に対する性欲を自分に向けることで純の欲求を満たそうと思っていた静子だったが、純の巧妙な手練手管で、いつしか静子は純とのSMプレイを心待ちするようになっていた。
「さあ。静子さん。脱いで」
「は、はい」
静子は顔を赤らめながらブラウスとスカートを脱いだ。そしてブラジャーをはずした。豊満な乳房が顕わになった。静子はパンティーも降ろして足から抜きとった。静子の女の毛はきれいに剃られている。静子は純に言われて毎日、風呂に入った時、そこの毛を剃るようになっていたのである。一糸纏わぬ丸裸になった静子は顕わになった胸と秘部を両手で覆った。静子の頬は、こうして丸裸を見られていることに、興奮して、ほんのり桜色になった。
純は静子の両手をつかむとグイと背中に廻し、手首を重ね合わせて後ろ手に縛った。そしてその縄尻をとって静子を玄関に連れて行った。
「な、何をするの」
「ふふ。もっと刺激的な事を体験させてあげますよ」
純は意味ありげな口調で言った。純は玄関の鉄門を開いて静子を外に出すと、鉄門を閉めて後ろ手の縄尻を玄関の鉄門に縛りつけた。
「ああっ。純君。やめて。こんなこと」
静子は真っ青になって身を捩って哀願した。だが純はどこ吹く風と無視してポケットからマジックを取り出した。そして静子の体にマジックでこう書いた。
「私はマゾです。どうかよく見て下さい。何でも好きな事をなさって下さい」
「ああっ、やめて、純君、お願い」
静子は真っ青になって叫んだ。
「ふふ。いまにそれも快感になりますよ」
純は強かな口調で言った。
「では僕も用があるので出かけます。帰りは夕方になります」
そう言って純は出かけていった。
あとには丸裸を鉄門に縛りつけられた静子が残された。静子は人が誰も来ないよう祈るかのように、手をギュッと握りしめ、太腿をピッタリ閉じ合わせて腰を引いて体を縮かませようとした。

だが、ここは純と美子の学校の通学路だった。学校から補習がおわって帰りの生徒達がやってきた。裸の女性を見つけた彼らは、わらわらと駆け足でやってきた。四人は静子の前で立ち止まって、カバンを置いて、しげしげと裸の静子を眺めた。
「うわー。すげー。ここ。美子の家じゃないか。美子のお母さんて、マゾだったのか」
「それはわからないよ。純のお父さんがサドなのかもしれないよ」
「サドとマゾで相性があって結婚したんだろ」
「いや。純のお父さんがサドで美子のお母さんは、無理やり、虐められてるのかもしれているのかもしれないよ」
「そうかな。マゾ気がない人にここまでやったら、嫌われちゃうから、こんな事まではしないよ。やっぱり美子のお母さんはマゾなんだよ」
「ともかく女の人の裸を見るの生まれて初めてだよ。オレ興奮して勃起しちゃってるよ」
四人は目を皿のようにして裸で縛られている静子を眺めながら口々に言った。静子は中腰になってプルプル全身を震わせながら死にたいほどの晒し者の屈辱に耐えた。四人のズボンはみるみるうちに怒張しはじめた。
「おっぱいも大きいし、ヒップもムッチリしてていいな」
静子は真っ赤になって腰を引いた。一人が静子の前に回り込んだ。
「うわー。すげー。毛が剃ってあるよ」
どれどれ、と残りの三人も順番に覗き込んだ。
「本当だー。やっぱり夫婦でSMプレイしてるんだ。SMプレイする女の人って毛を剃られちゃうもんな」
言われる度に静子は真っ赤になって腰を引いた。だが、あまり腰を引き過ぎると尻の割れ目が開いてしまう。尻も女は何としても見られることから守り抜かねばならない。
「み、見ないで。お願い」
ついに耐え切れなくなって静子は真っ赤になって言った。
「うわー。静子さんが喋った」
生徒は吃驚して言った。それまで静子は石像のようにじっとしてた、し、じっとしているしかなかった。顔をそむける事もできなかった。見られる事から避けようとする、あらゆる嫌がる動作は、恥ずかしがっている心を見られてしまう事になってしまうことになってしまう。それは裸の体を見られる事に勝るとも劣らぬ恥ずかしい事である。静子は生徒達と関係性を持たずに生徒達が、去ってくれるのに一縷の望みをかけたのだが、生徒達がいつまでも去らないので、つい羞恥心に負けて喋ってしまったのである。一旦、喋って関係性が出来てしまった生徒達はウキウキして静子の体を眺め回した。
「お尻の割れ目もムッチリ閉じ合わさってて、すごくエロチックだ」
一人が静子の後ろに回り込んで言った。
「本当だー。割れ目がヒクヒク動いている。恥ずかしがってるんだ」
他の生徒も後ろに回ってプルプル震えている静子の尻を見つめた。
「触ってみたいなー」
「触ってもいいのかなー」
「何でも好きな事をなさって下さい、ってあるからいいんじゃない」
そう言って一人が手を伸ばして静子の尻をそっと触った。あっ、と静子は反射的に声を出した。だが生徒は柔らかい尻の感触を楽しむように、いやらしい手つきで静子の尻を撫で回した。他の生徒も、もうガマン出来ないといったように、乳房や太腿を触りだした。
「うわー。柔らかくて気持ちいい」
生徒達は図にのって静子の柔らかい体を揉み出した。
「や、やめてー。お願い」
ついに耐え切れなくなったように静子は声を張り上げた。
「お願い。お願いだからやめて」
静子は繰り返し言った。生徒達はビクッとして静子の体から手を離した。男と女の淫乱な関係は女が完全に拒否した時におわりとなる。
「お、おい。やめようぜ。もう静子さんに嫌われて話してもらえなくなるぞ」
「そうだな。PTAで問題になったら大変だからな」
「学校に知れたら退学になるかもしれないからな」
生徒達は、急いでカバンを拾った。
「静子さん。ごめんなさい」
そう言いながら子供達は駆け足で去っていった。

一難去って静子はほっとした。だが、それも束の間だった。

誰かが喋ったのだろう。商店街の主人達が走ってやってきた。いつも魚を買っている魚屋のおやじ、野菜を買っている八百屋のおやじ、肉を買っている肉屋のおやじ、が走ってやって来た。静子は冷汗を垂らしてビクッと体を震わせた。もがいてみたが縄尻はガッシリと鉄門につなぎ止められていて、どうすることも出来ない。静子は太腿をピッチリ閉じ腰を引いた。最恥の所は隠し守ろうとの女のいじらしさ、からだが、剥き出しの乳房と尻は隠せない。三人は静子を取り囲むとゴクリと唾を呑み込んだ。
「うわー。奥さん。すごいですね。奥さんにこんな趣味があったなんて。人は見かけによらないって言うけど本当ですね」
「み、見ないで」
「でも、どうかよく見て下さい、って書いてあるじゃないですか。とくと拝見させてもらいますよ」
「ち、違うんです。本当に違うんです。信じて下さい」
「マゾの人は男の欲求をかきたてるから、言う事は全部、反語ですよ。実際、私は興奮して、もう爆発しそうです」
「何でも好きな事をして下さい、って、ありますから、させてもらいますよ」
そう言って魚屋のおやじは、静子の胸を触った。そして乳房を思うさま揉みしだいた。
「ああー。柔らかくて温かくて最高だ。俺は、はじめて見た時から奥さんに憧れてたんですよ。何度、奥さんの事を想ってセンズリしたことか。まさに夢、叶ったりだ」
そう言って魚屋のおやじは静子の乳房を揉みしだいた。見ていた八百屋のおやじは、たまらなくなったというように静子のムッチリした尻に抱きついた。
「ああー。いい尻だ。私も奥さんの尻にいつも悩まされていたんです」
そう言ってムッチリした尻をいやらしく撫で回した。すぐに肉屋のおやじが飛び出して静子の太腿にしがみついた。
「ああー。いい太腿だ。私は奥さんの太腿に何度、目がクラクラしたことか」
そう言って三人は縛められた裸の静子を触りまくった。静子は、
「お願いです。やめて下さい」
と何度も叫んだが、彼らは、どこ吹く風と聞く耳を持たない。
「も、もう爆発しそうだ」
「オレも」
「オレも」
三人はズボンの上から怒張した男の物を扱き出した。
「山田。ここじゃあ、人目もあるし落ち着いて出来ないな。お前の家に連れて行ってはどうだ」
「しかし、かってに縛めを解いて連れ去ったりしてもいいのかな」
「なあに。ほんのちょっとの間、連れて行き、すぐにまた、ここに縛っておけば大丈夫なんじゃないか。だから、早く行け」
魚屋の山田は、
「よし。わかった」
と言って駆け足で走り出した。残りの二人は静子の髪を撫でたり、頬や首筋にキスしたり、抱きしめたり、と二人がかりで愛撫しまくった。
ほどなく、魚屋のおやじがライトバンに乗ってもどってきた。
よし、と言って二人は静子を鉄門に繋いである縄を解いた。肉屋のおやじは静子を後ろ手に縛ってある縄の縄尻をとって静子の背中を押した。
「ど、どこへ連れて行くというのですか」
静子は声を震わせて聞いた。
「魚屋の山田の家ですよ。ここじゃあ人目があるから落ち着いて出来ないですからね」
「そこで何をするのですか」
「奥さんの望んでることです。望みを叶えてあげますよ」
一人が後部座席のドアを開けた。肉屋のおやじは裸で後ろ手に縛られている静子を後部座席に乗せた。二人も乗り込んだ。
「それじゃあ行くぞ」
と言って魚屋のおやじは、車をだした。
ものの五分もかからず魚屋のおやじの家に着いた。三人は静子の縄尻をとって静子を取り囲むようにして急いで魚屋のおやじの家の離れに入れた。
「ふふ。これでもう安心だ」
「もう、こっちのもんだ」
「さて。まずどうする」
「さっきは、周りの目がきになって気が落ち着かなかったからな。もう一度、奥さんの素晴らしい体をたっぷりと観賞しようぜ」
「おう。それがいい」
そう言って、一人が椅子を持ってきて静子の後ろ手の縄尻を天井の梁に結びつけた。静子は後ろ手に縛られて、立たされる格好になった。三人は静子を取り囲むように胡坐をかいて座った。
「しかし、素晴らしいプロポーションだな」
「大きな、おっぱいといい、ムッチリとした尻といい最高だ」
「しかし、人は見かけによらないな。こんなきれいな奥さんがマゾだなんて」
「ち、違うんです」
「どう違うんですか」
「そ、それは・・・」
静子は答えられず口惜しそうに唇を噛んだ。
「ほーら。やっぱり奥さんはマゾなんだ」
「しかし、こんな事して大丈夫かな」
「奥さんが、何でもして下さい、って言ってるんだから、いいんだろ」
「いや。あれを書いたのは奥さんかどうか、わからないぞ」
「夫にサド趣味があって夫が書いたのかもしれないぞ」
「俺たちは、犯罪者になるのかな」
「少なくとも、夫が許可してるんだからいいんだろ。むしろ、おれ達に、こうさせる事を望んでいるんじゃないのか」
彼らは静子の夫が少し前からアメリカに行った事を知らない。
「まあ。奥さんは、つつましくて、やさしい性格だから、訴えて俺たちを犯罪者になんかしたり、しないだろう。ねえ。奥さん」
一人が静子に問いかけたが静子は黙っている。
「じゃあ、たっぷり楽しませてもらおうぜ」
「オレはこの奥さんがこの街に来て、初めて見た時からもうメロメロだったんだ。絶世の美人なのに、つつましく、やさしく、明るく、もう奥さんがうちの魚を買ってくれた日には眠れない時も何度もあったんだ」
「オレなんか奥さんの薄いブラウスにスカート姿を見ただけで、もう勃起してしまうようになっていたぜ」
「普通のおばはんは、嫌になるほど鮮度をしつこく調べて、一番、鮮度か良いのを選ぼうとするだろ。しかしこの奥さんは違うんだよな。そういう意地汚さを嫌って、だろうが、わざとくどくどと選ぼうとしないんだよなー。デリケートな性格なのに」
「オレなんか奥さんに、何度、お金なんかいりませんよ。そのかわり、また来て下さい、と言いたかったことか」
男達は口々にそんな心境の告白をした。
「しかし、素晴らしいプロポーションだな」
「大きな、おっぱいといい、ムッチリとした尻といい最高だ」
「まさに夢叶ったりだ」
男達は口々にそんな事を言いながら裸で立たされている静子を陶酔したような目で眺めた。「奥さん。毛がきれいに剃ってありますけど、それは自分で剃ったんですか。それとも夫に剃ってもらっているんですか」
静子は顔を真っ赤にして腿をピッチリ閉じた。
「お尻もムッチリしていてて素晴らしい」
「それにしても見事なおっぱいだ。奥さんのブラウスの胸の盛り上がりを見ると、俺はもうそれだけでメロメロになってたんだ。それがこんな素晴らしい実物を見れるなんてまるで夢のようだ」
男達は裸の静子を品評するように好き勝手な事を言った。静子は三方から取り囲まれているため、どうすることも出来ない。見ないで、などと哀切的な嘆願をする事は、余計、彼らの欲情をかきたてるだけである。静子は、後ろ手に縛められた手の親指をギュッと握りしめた。たとえ親指でも力強く握り隠すことによってこの屈辱に耐えるしかなかった。
「奥さん。申し訳ないが写真を撮らせてもらいます」
そう言って男の一人がデジカメを静子に向けた。
「や、やめてー」
静子は真っ青になって身を捩った。
「奥さん。申し訳ないが、奥さんほどの美しい人のヌード姿は、素晴らしい芸術だと思います。芸術は人類の貴重な財産で、しっかり撮られ、保存され、後世に残されるべきではないでしょうか。奥さんほどの美しい容姿は奥さんだけの所有物ではなく、世の中の所有物だと思うんです」
男はそんな事を言って、裸で後ろ手に縛られて立っている静子をパシャパシャと写真に撮った。20枚位とって、やっと男は撮影をやめた。
男は、ふー、とため息をついて座り込んだ。

男達は酩酊した表情で、しばらく太腿をピッチリ閉じて立っている静子を眺めていたが、だんだん鼻息が荒くなってきて、ズボンの股間の膨らみをさすりだした。
「も、もう我慢できない」
そう言って、男の一人が膝立ちして、静子の腰に手をかけた。そして鼻先をきれいに剃られた女の所に近づけた。
「ああっ。やめてー」
見られる事は何とか覚悟できていた静子だったが、こんな事には、とても耐えられず大声で叫んで腰を引こうとした。だが男はラグビーのタックルのようにガッシリと静子の太腿をつかんでいるので静子は逃げようがない。男は鼻先を静子の女の部分にあてがってクンクンやりだした。
「ああー。いい匂いだ」
男は酩酊した表情で感嘆の声を上げた。静子は顔を真っ赤にした。全身がプルプル震えている。
「も、もうガマン出来ない」
見ていた残りの二人も立ち上がって静子の体に抱きついた。
三人は寄ってたかって、憧れの女性の体を触りまくった。
一人は念入りに胸を揉み、一人は電車の中の痴漢のように、わざといやらしく静子のムッチリした大きな尻を撫で回した。静子の前の男はピッチリ閉じ合わさった静子の太腿に無理やり手を割り込ませ、女の穴をまさぐり当てると、中指を押し入れた。静子は、
「ああー。やめてー」
と驚天動地の悲鳴を上げて激しく身を捩った。だが、どうする事も出来ない。男は淫乱な目つきで静子を見ながら、ゆっくりと女の体の中に入れた指を動かし出した。
「ああー」
静子は眉を寄せ、苦しげな表情で身悶えした。だんだん男達は興奮して鼻息を荒くしだした。
「も、もうガマンできない」
そう言って一人の男が服を脱ぎだした。シャツとズボンを脱ぎ、パンツも脱いで丸裸になった。男のマラは天狗の鼻のように激しくそそり立っていた。男は静子の体を触りながらそそり立ったマラを静子の女の部分におしつけた。他の二人も服を脱いで丸裸になった。そして、そそり立ったマラを静子の尻の割れ目や太腿におしつけた。男達の興奮は激しくなっていき、ハアハアと鼻息が荒くなりだした。男達は静子の体を触りながら、自分のそそり立った物を激しくしごきだした。
「ああー。出るー」
そう叫んで一人が射精した。それにつづいて残りの二人も、
「ああー。いくー」
と叫んで、射精した。体に溜っていたものを全部だしきると三人は虚脱したようにガックリと畳に座り込んだ。三人は、しばしハアハアと息を切らしていたが落ち着きを取り戻すとティッシュで自分のマラや畳に飛散した白濁液を拭いた。静子の体についた白濁液もきれいに拭いた。男達は、各々、自分の服を着た。静子は黙って項垂れてうつむいている。
「奥さん。ありがとう。奥さんも立ちっぱなしで疲れたでしょう」
そう言って一人が椅子を持ってきて天井の梁の縄を解いた。一人は布団を敷いた。男達は、後ろ手の静子を布団に寝かせた。静子はガックリと虚脱したように動かなかった。男達は静子の体を濡れタオルで丁寧に拭いた。
「しかし、きれいだなー」
一人が静子の体を拭きながら感嘆したように言った。
「もう、これが見納めになるのかな」
「いや。写真をたくさん撮ったじゃないか。写真で奥さんの美しい姿を見る事は出来るじゃないか」
一人が意味ありげな口調で言った。
男達は顔を見合わせてニヤリと笑った。
「奥さん。今日は最高の一日でした。どうもありがとうございました。さあ、立ってください」
男達に肩を持ち上げられて静子は立ち上がった。
「女物の服がなくて申し訳ない。これで我慢して下さい」
そう言って男は後ろ手に縛られた裸の静子にコートをはおらせた。
「おい。山田。静子さんを家に送ってやれ」
「おう」
山田は意気のいい返事をしてから静子に顔を向けた。
「さあ。静子さん。家にお送りしますよ」
そう言って山田はコートを羽織った静子の肩をつかんで、玄関に連れて行き、サンダルを履かせた。
外には静子を連れてきたライトバンがあった。
山田は車の助手席のドアを開け、静子を助手席に乗せた。
山田は助手席のドアを閉め、反対側に回ってドアを開け、運転席に乗った。
そしてエンジンをかけ静子の家に向けて車を出した。

車はすぐに静子の家についた。山田は急いで静子を降ろしコートをとり、後ろ手に縛られた裸の静子の縄尻を、前と同じように鉄門に縛りつけた。
「奥さん。今日の事はどうかご内密に・・・」
山田は、へへへ、と笑い、急いで車にもどりエンジンをかけ、逃げるように走り去った。

日が暮れてきた。
純が帰ってきた。純は静子を見つけるとニヤリと笑った。そして鉄門に繋がれている静子の後ろ手の縄尻を、鉄門からはずした。そして静子を連れて家の中に入った。純は静子を横にしてタオルを濡らして、美子の足の裏を丁寧に拭いた。そして、静子の手首の縄を解き、静子にブラジャーをつけ、パンティーを履かせた。そしてブラウスにスカートを履かせた。静子は魂のない人形のように呆然としていた。
「静子さん。どうでしたか。誰かに見られましたか。スリルがあって面白かったでしょう」静子はわっと、泣き出して純にしがみついた。
「純君。ひどい。私、もう街を歩けないわ」
静子は泣きながら言った。
「どうしたんです。誰かに見られたんですか」
純が聞いたが静子は答えない。
「わかりました。何があったか知りませんが、ちょっと静子さんには刺激が強すぎましたね。もう、あんな事はしませんから、安心して下さい」
「本当ね。本当に、あんな事もうしないでくれる」
「ええ」
「ありがとう」
その時、美子が帰ってきた。
「ただいまー」
階下から美子の元気な声が聞こえた。静子は階下に降りた。純も降りた。
「お帰りなさい。美子ちゃん」
そう言って静子は美子の頭をやさしく撫でた。日が暮れて外が暗くなった。美子は食卓についた。美子の腹がグーと鳴った。
「お母さん。夕御飯まだ?私、お腹ペコペコ」
純も部屋から降りてきて食卓についた。
「ご、ごめんなさい。今日、ちょっと用事があって夕御飯つくってなかったの。出前物でいい?」
「うん」
「お寿司でいい?」
「うん。いいよ」
静子は寿司屋に電話して、江戸前を三人分、注文した。すぐに寿司屋の出前が来た。食卓に豪華な江戸前寿司がならんだ。
「いただきまーす」
美子と純は嬉しそうに言って食べ始めた。
「おいしいわね」
静子は食べながら言った。
「うん。お母さんの料理の方がおいしいけど、これもすごくおいしい」
美子は寿司を頬張りながら言った。
「そ、そうよ。私のつくる料理なんて、全然だめ。プロのつくる料理には、とてもかなわないわ」
静子は焦って言った。
「あ、あの。美子ちゃん。純君」
「なあに」
「し、しばらく夕御飯は出前で許してもらえない」
「うん。いいよ。でも、どうして」
「ご、ごめんなさい」
静子がことさらペコペコ頭を下げて謝るので、美子はそれ以上、くどく理由を聞こうとしなかった。
それから数日は夕食は出前になった。
毎日、出前の夕御飯がつづくので、黙ってはいるが美子は疑問と心配の目で母親を見た。
「お母さん。どうしたの。何かあったの」
「う、ううん。何でもないのよ。心配しないで」
静子は焦って言った。
「何かあったの。悩み事があるなら話して」
母親を見る美子の目には確信に近いものがあった。

いつまでも、夕御飯を出前で続けるわけにはいかない。美子や純を心配させる事もできない。
ついに、ある日、静子はおそるおそる商店街に行った。
静子は車の免許を持っていない。郊外に大きなスーパーがあるが歩いて行くには遠すぎる。以前、駅前に小さなスーパーがあったのだが、郊外に夜11時まで営業の大きなスーパーが出来てから、客が郊外のスーパーに移り、売り上げが伸びず、閉店してしまったのである。だから食料品を買うには、商店街に行くしかないのである。行き付けの美容院も、かかりつけの医院も、静子が教えている茶道教室も商店街の中にある。いつまでも避けつづける事は出来ない。

そういうわけで静子はおそるおそる商店街に行った。

魚屋のおやじが、静子を見つけるとニヤリと笑った。
「奥さん。この間はどうも」
静子は真っ赤になった。
「ちょっと休んでいきませんか。お茶をいれますから」
「い、いえ。いいです」
「まあ、そう固い事言わないで。裸を見せ合った仲じゃないですか」
そう言って魚屋のおやじは、静子を家に入れた。
「この間の縄で縛らせてもらいます」
そう言って魚屋のおやじは、静子を後ろ手に縛って柱につなぎ止めた。魚屋のおやじは、八百屋のおやじと、肉屋のおやじを連れてもどってきた。
「へへ。奥さん。私達はもう奥さんとは他人じゃないんですから」
と夷顔のおやじが言った。一人が縄尻を柱から解いた。三人は後ろ手に縛られて畳に座り込んでいる静子の髪を撫でたり、豊満な胸やムッチリした尻を服の上から思うさま、触った。
「ふふ。この前は丸裸だったが、こうやって服の上から触るのもいいな」
「ああ。奥さんを見る度に、一度でいいから、あの体に触ってみたい、というが激しい欲求だったからな。このシチュエーションの方がまさに夢、叶ったりだ」
一人が静子のスカートの中にそっと手を忍び込ませた。
「ああっ」
静子は思わず声を出した。指はだんだん奥に進んでいく。
「ふふ。オレはこうするのが夢だったんだ」
そう言いながら、男はわざと目的地を触れないで、見えないスカートの中で手を這い回せた。この焦らし責めに静子はいいかげん参ってしまった。もう頭が混乱して、どうなってもいいという捨て鉢な気持ちになっていた。
「も、もう。どうとでもして」
そう言って静子は畳の上に倒れ伏した。美しい黒髪がばらけ、起伏に富んだ悩ましい女の体が男達の目の前に横たわった。男達はゴクリと唾を呑み、ニヤリと笑った。
「じゃあ、もう一度、奥さんの体を網膜に焼きつかせてもらいます」
そう言って男の一人が静子の後ろ手の縄を解いた。手の拘束が解かれ自由になったが静子は目を瞑って人形のように動かない。
「さあ。奥さん。脱ぎましょうね」
そう言って男達は静子のブラウスのボタンを外していった。楽しむため、わざとゆっくりと。ブラウスを広げると豊満な乳房をピッチリと包んでいる純白のブラジャーが顕わになった。
「す、素晴らしい」
男達は息を呑んで言った。一人がそっと、静子のスカートのホックを外し、スカートをゆっくり降ろしていき、足から抜きとった。女の腰部にピッチリと貼りついた純白のパンティーが顕わになった。パンティーの後ろは静子の大きな尻にピッチリと張りつき、前は、その弾力によって、悩ましい小さな盛り上がりが出来ている。男達は、おおっ、と息を呑んで、男達の視線はそこに釘づけになった。
「す、素晴らしい」
男達はゴクリと唾を呑み込んで、しばらく我を忘れて、そこを凝視した。男達の前にはブラジャーとパンティーだけを身につけた静子が目を瞑って横たわっている。
「裸もいいが、この姿もいいな」
男達はしばらく我を忘れて、下着姿の静子を眺めた。
「おい。そろそろ下着もとろうぜ」
一人が言った。別の男がニヤリと笑った。
「静子さん。それでは下着もとらせてもらいます」
そう言って男は静子のブラジャーをとり、パンティーも降ろして足から抜きとった。丸裸になった静子を男は起こし、両手を背中に廻して手首を縛った。
「さあ。立って下さい」
言われて静子はヨロヨロと立ち上がった。男はこの前と同じように天井の梁に縄尻をかけた。
「奥さん。奥さんのために作っておきました」
そう言って一人の男が木馬を持ってきた。細めの丸木に四つの脚のついた簡単なものだった。
「静子さん。立ったままでは疲れるでしょう。これに乗って下さい」
男が促した。だが静子は躊躇ってピッチリ太腿を閉じ合わせて、乗ろうとしない。
「静子さん。木馬に乗れば恥ずかしい所が、隠せますよ」
一人がそんな揶揄をした。
「さあ。乗って下さい」
静子がなかなか乗ろうとしないので男は痺れをきらせたように強引に静子を木馬に跨がせた。
「ああっ」
静子は思わず声を出した。木馬の背は高く、足が畳に十分とどかず、かろうじてピンと脚を伸ばしきった足指の先が触れる程度だった。そのため、木馬の背がもろに静子の敏感な女の谷間の所にめり込んできたのである。確かに木馬の背には恥ずかしい所を隠す役割が多少あった。一度、乗ってしまった以上、降りるのは出来にくい。そのため静子は足を一直線にピンと伸ばし、足指の爪先で何とかバランスをとろうとした。足首がピンと伸びて、かろうじて床に触れている爪先がプルプル震えている。
「ふふ。静子さん。よく似合っていますよ」
「恥ずかしい所は木馬に隠れて見えませんよ。でもお尻の割れ目に深く食い込んでいますよ」
「敏感な所に食い込んで気持ちいいでしょう」
男達はそんな揶揄をとばした。
「美しい体が足首まで伸びきっている姿はとてもセクシーだな」
「木馬の背がお尻の割れ目に食い込んでいるのも、すごくセクシーだ」
男達は爪先立ちで木馬に跨って、一直線に体を伸ばしている静子をしげしげと眺めながら、そんな賛辞のような揶揄のような事を言った。

男達にそんな事を言われているうちに、静子の心に微妙な変化が起こり始めた。それは、怖れていたものに、逆にひきつけられてしまうような。目をそらそうとしていた怖いものの中に逆に入ってしまいたいような。そして自分の中にある嫌がりつつも引きずられるように魅せられてしまう曖昧としたものの正体を知りたいような。自分の本当の姿を知りたいような。静子は、暗く気味の悪いものでありながら、自分をひきつけている得体の知れないものに、だんだん吸い寄せられていった。静子は、もはや、それを求めずにはいられないようになっていた。その思いはどんどん激しくなっていった。もはや静子は自分をおさえることが出来なくなってしまった。
「み、見て。私の恥ずかしい姿をうんと見て」
とうとう静子は声を張り上げて叫んだ。男達はニヤリと笑った。
「ふふ。奥さん。とうとう言いましたね」
「言われずとも、しっかりと見てますよ」
男達は顔を見合わせて立ち上がった。そして、木馬に跨った爪先立ちの静子を取り巻いた。男達は静子の体を触りだした。豊満な乳房を揉んだり、柔らかい尻を撫でたり、と男達は三人で縛められた裸の静子を触りまくった。
「ああっ。いいっ」
静子はピンと足を伸ばして叫ぶように言った。
「ふふ。奥さんは、本当は、こうやって縛られて、寄ってたかって弄ばれることが嬉しいんでしょう」
そう言って男達は縛られた裸の静子を触りまくった。

数日後。
商店街に行った静子を見つけると魚屋のおやじはニヤリと笑って静子を呼び止めた。
「奥さん。ちょっと休んでいきませんか。お茶をいれますから」
静子は頬を赤らめて、「はい」と答えた。


平成21年5月27日(水)擱筆



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