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ノーベル物理学賞の政治利用憂う

2024-05-29 03:17:45 | Weblog
ノーベル物理学賞の政治利用憂う。

産経新聞 2021年10月26日付「正論」に掲載

今年のノーベル物理学賞に、真鍋淑郎先生=米プリンストン大学上席研究員=の受賞が決まった。地球温暖化の将来予測計算の先駆としての業績が認められた。

だがいまや温暖化は科学というより政治問題になっている。今回の物理学賞も利用されている。

今回の受賞をもって「温暖化の科学は決着した」「CO2削減は待ったなし」と言う人々がいる。だがそれは違う。

さて今般、グーグルは温暖化には「確立された科学」があり、それに反するネット記事が広告収入を得ることを禁止する、という方針を発表した。だが「確立された科学」など、定義不能である。

地球の気温は過去170年で1度程度上昇したとされるが、これすら結構な誤差がある。今後起きることはネット支配者による恣意(しい)的な言論弾圧のようだ。ガリレオ時代の宗教裁判の復活だ。

リベラルのアジェンダ(議題)である温暖化対策の推進のためにノーベル物理学賞が利用された、という見方もある。オバマ元米大統領が何の実績もない大統領就任直後に受賞したように、ノーベル平和賞のリベラルな党派性は明らかだった。それが物理学賞にまで及んだのかもしれない。

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