濱着口上書第五ページ、上の画像の七行目
解読 尚又、追々刎捨候儀ニ付、凡六百駄余も打捨つ
読み 尚又、追々刎ね捨て候儀に付き、凡そ六百駄余も打ち捨つ
解説 尚又の次は「追々」です。 「刎捨」・・・はね捨て。 次の小さい点は「候」です。 「儀に付」・・・何々の件につき。 積み荷はシケで海中へ崩れ込んだ上に、更に次々と海中へ刎ね捨てた件については。 「凡」・・・およそ。中に点のある場合とない場合が有ります。 「六百駄」・・・「駄」は積み荷の樽の数の単位。広辞苑によれば、酒三斗五升入りの樽二樽が一駄とありますから、四五百駄が海中へ崩れ込み、更に刎ね捨てたのが、六百駄ですから、相当な分量になります。 「駄」の次は「余」・・・あまり。余り。 「打捨つ」・・・「打ち」は接頭語、次の動作を強調する場合に付ける言葉。 「捨つ」・・・「捨てる」の文語体。