古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その三十八

2012年06月20日 06時54分49秒 | 古文書の初歩

 

 

濱着口上書第十一ページ、上の画像の三行目四行目

解読 次第地方近寄、同夜七ツ時頃太地崎と

    見受ハシリ付候由、何連之浦方なり共入津

読み 次第地方近寄り、同夜七つ時頃太地崎と

    見受けハシリ付き候由、いずれの浦方なりとも入津

解説 (相見え)次第。「第」の最後のハネが左下へ長く伸びているようです。 次は「地方」・・・陸地の方。「地」がかすれています。 以下比較的読みやすい文字が続きます。 「頃」が何度も出ますが、形で覚える崩しです。 「太地崎」・・・古式捕鯨発祥の町、現在も日本で数少ない小型捕鯨の許されているところ。「太地崎」という岬は無く、「燈明崎」か「梶取崎」と思われます。 四行目、「ハシリ付」の次の点は「候」。「ハシリ」は舟扁に風旁で「帆走する」。 「何連之」・・・いずれの。「連」は変体仮名「れ」。 「浦方」・・・浦。港。この場合の「方」には特に意味は有りません。語調を整える程度の用法です。 「なり共」・・・分かりにくいですが、「り」が右側で、左の縦棒は「共」の字が突き出ています。 「入津」・・・『にゅうしん』「津」は港。入港する。