古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その三十一

2012年06月13日 07時33分50秒 | 古文書の初歩

 

 

濱着口上書第九ページ、上の画像の五行目六行目

解読 相成り、取楫之方打破られ、否面楫江

    荷寄いたし、入アカ五六尺も暫時ニ打込

読み 相成り、取り舵の方打ち破られ否やおもかじへ

    荷寄りいたし、入りアカ五六尺も暫時に打ち込み

解説 (高浪に)「相成り」・・・「相」が小さくて分かりにくいです。 「取楫の方」・・・とりかじの方。舟の左舷側。 「破られ」・・・かすれていて読みにくいですが、「破」「ら」「連」・・・「連」は変体仮名の「れ」。 「否」・・・否や。ただちに。すぐに。 「面楫江」・・・おもかじ。舟の右舷側。「江」は、その方向へ。接尾語。現代では「とこそこへ」と「へ」と表記する。 「荷寄」・・・読みにくいです。よく見つめなければ分かりません。 「以多し」・・・変体仮名で、「いたし」。 「入アカ」。アカは船内に沁みだして入ってくる水の事。サンズイヘンに金と書きます。 「汲捨」を消して、「五六尺」と入りアカの深さを書き表しています。 「暫時ニ」・・・しばらくの内に。あっと言う間に。 「打込」・・・小さい文字で分かりにくいですが、よくにらんでください。見えて来ます。