古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その三十九

2012年06月21日 07時20分38秒 | 古文書の初歩

 

 

濱着口上書、第十一ページ、上の画像の五行目六行目

解読 いたし度相働候内、登り汐早く廿三日

    夜半過樫野崎近く流来り、同廿四日朝

読み いたし度相働き候内、登り汐早く二十三日  

    夜半過ぎ樫野崎近く流れ来たり、同二十四日朝

解説 「以多し度」・・・致したく。「以」は「い」。「多」は「た」の変体仮名。「度」は消えていますが、文意から推定します。 「働」の次の点は「候」。 「登り汐」・・・東から西へ流れる潮流。「登り」は何度も出ました。形で覚える字。 「廿三日」は一行目の最後と同じです。 「夜半過」・・・「夜」はともかく「半」はかすれています。「過」も難しい。形で覚える。 「樫野崎」・・・「樫」はともかく「野」は判読困難です。現串本町大島東端の一集落で、日本最古の石造り灯台が有ります。明治二十三年九月トルコ軍艦エルツールル号が樫野崎近くで沈没した史実が有ります。 「近く」・・・形で覚える字。 次は書き間違えて、文字の上からなぞっていて読めたものではありません。「流来り同」と読みます。 最後は「朝」これも形で覚える字です。