古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その三十

2012年06月12日 07時27分25秒 | 古文書の初歩

 

濱着口上書第九ページ、上の画像の三行目四行目

解読 勢州地凡五拾里程之遠沖へ吹流サ連

    登り汐至而はやく追々やませ大せらへ高浪ニ

読み 勢州地凡そ五十里程の遠沖へ吹き流され

    登り汐至って早く、追々やませ大せらえ高浪に

解説 「勢州」・・・伊勢の国。江戸時代の国名の略称。紀伊の国は「紀州」、信濃の国は「信州」など。「州」は難解です。次は「地」これも難しい。伊勢の国の土地。 「凡」・・・上に点が有り、中には点が有りません。 「遠沖」・・・「遠」も最難解字です。形で覚える。 「沖」の次の点は「へ」。 「吹流サれ」・・・「連」は変体仮名の「れ」。 「登り汐」・・・「登り」も読めませんが、この文書では先に出ました。 「至而」・・・「而」は「て」と読みます。「至って」。 「はやく」・・・「は」は「者」の変体仮名です。 「追々」も難しいが、前に出ました。何とか想像は出来ます。 「やませ」・・・当地方では、やまぜと言い、南西の風の事。天気の悪いときの風。 「大せらへ」・・・宿題のままです。 次は小さいので読みにくいですが、「高浪ニ」です。