古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その二十九

2012年06月11日 07時13分08秒 | 古文書の初歩

 

 

濱着口上書第九ページ、上の画像の一行目二行目

解読 滞舟、同日四ツ時頃天気能、同所出帆順々

    乗下り居候内、同夕四ツ半頃北風強相成り

読み 滞舟、同日四つ時頃天気能く『よく』同所出帆順々

    乗り下り居り候内、同夕四つ半頃より北風強く相なり、

解説 「滞舟」・・・「たいしゅう」又は「たいせん」。船が港に滞ること。「滞」は「とどこおる」。この文書では、「舟」は「船」と同じ様に使っています。 「夕四つ時」・・・夜十時頃。 「天氣」・・・「氣」は「気」の旧字体です。形で覚える字。 「能」・・・送り仮名は有りませんが、「能く」『よく』と読みます。 最後の二文字は「順々」です。順調に。 二行目最初は「乗下り」・・・乗り下り。 「居」の次の点は「候」です。 「四ツ」の次は「半」で、「夕四つ半」は午後十一時頃。 「頃」の次の字は合成字で「より」。 「強」・・・この「強」の弓偏は崩し過ぎです。 「相成り」・・・「成」の次は読めませんが、「り」。北風が吹くと、進行方向とは反対の、紀伊半島から南の方へ流される事になり、陸地が遠くなります。