古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その三十五

2012年06月17日 07時20分14秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

濱着口上書第十ページ、上の画像の五行目六行目

解読 大願等申籠、入アカ汲捨漸相凌つかせ

  居候由之處、地方山曾不相見、同廿二日

読み 大願等申し籠め、入りあか汲み捨て漸く相凌ぎつかせ

 居り候由の処、地方山曾而『かつて』相見えず、同二十二日

解説 「大願」・・・神仏に助けをお願いする事。 「願」の次は「ホ」で「等」の崩し字です。 「申籠」・・・申し籠め。申すの次は竹冠に龍で『こむ』集中すると言う意味で使っています。 「入りアカ」・・・「アカ」はサンズイヘンに金と書き、舟の中に入ってくる海水の事。 「汲み捨て」の次の字は「漸」で『ようやく』、かろうじて。やっとの事で。 「相凌ぎつかせ」・・・凌ぎ尽くす事。 「居」の次の短い縦棒は「候」で、続いて「由之処」。「處」も形で覚える崩しです。 「地方山」・・・『じかたやま』陸地の方角の山の姿。 「曾而」・・・『かつて』。全然。 「不相見」・・・相見えず。