かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠  269(韓国)

2019-11-18 19:38:25 | 短歌の鑑賞
 馬場あき子の外国詠 35(2011年1月)【白馬江】『南島』(1991年刊)P78 
    参加者:K・I、N・I、佐々木実之、崎尾廣子、T・S、曽我亮子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:佐々木実之 まとめ:鹿取未放


日本書紀では白村江(はくすきのえ)。天智二年秋八月、日本出兵して
    ここに大敗したことを太平洋戦争のさなか歴史の時間に教
                へた教師があつた。その記憶が鮮明に甦つてきた。

269 白馬江美しすぎて歴史より長き命をうたたやさしむ

(レポート)
 普通「美しい」ものを「美し」と詠んでは、おもしろくない。この一連は白村江の戦を詠んでいる。そして「我」が白村江古戦場に旅したという設定である。しかしながら白馬江は白村江の戦以前から流れていて、その戦の後も今にいたり美しく流れている。白村江も日清戦争以来の日本の諸々も朝鮮戦争をも放下して「うたた」と呼び、大自然の美しさを、「美しすぎて」といいきってしまっているところが潔く心地いい。(実之)


(当日発言)
★「うたた」は「程度がはなはだしくなる様。ますます。いよいよ。」の意味。人間の誕生以前か
 ら在り、国家間の戦争や憎しみなどを超えたところで悠然と美しく流れている白馬江を「うたた
 やさしむ」と讃美している。(鹿取)






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