かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 1の55

2020-07-26 19:50:44 | 短歌の鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究⑥(13年6月) 『寒気氾濫』(1997年)橋として
       参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      司会と記録  鹿取未放
                   

55 児がじっと見ている沼の奥みれば真っ黒き木の沈みてゆけり

 ★私は真っ黒き木が何なのかさっぱり分からなかった。でも子供が見るものって
」  意外と本質を掴んでいるんですよね。その関係も考えてみたが分からない一首
  でした。(慧子)
 ★真っ黒き木ってかなり腐食した木のことではないですか。だから見えなくなる
  まで沈んでいく。(曽我)
 ★腐食していたら軽すぎて沈んでいかないかも。真っ黒き木は、不安とか死とか
  そういうものの暗示でしょうか。子はそういうものを直感しているのかもしれ
  ない。沼というのも象徴的ですね。人気の無い山奥の沼みたいなイメージです
  が、実景でも空想でもいいんだろうと思います。(鹿取)

コメント
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