渡辺松男研究33(15年12月実施)
【全力蛇行】『寒気氾濫』(1997年)112頁~
参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、藤本満須子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取 未放
272 われらふぐりが膨らんでゆき綿雲のああふんわりと浮くあきの空
(レポート)
【解釈】僕らのふぐりは膨らんでゆきふんわりする、まるで秋空に浮かんでいる綿雲の心地だ。
【もう一つの解釈】作者の心はいま「ふぐり」と同化しているのだろう。綿雲がふんわりふんわり浮く秋空。みているとその綿雲もふぐりのように見えてくる。(真帆)
(当日意見)
★「われらふぐりが膨らんでゆき」で切れる2句切れだと思います。それから評者が
悩まれた初句は「われら」=「ふぐり」ではなく、われら「の」ふぐりという所有
格の「の」が省略された形だと思います。われのふぐりが、と単数だったら分かり
やすいんだけど、複数になっているからどういう場面を想像したらいいのか、難し
いですね。少年期の男の子の歌って読めばまあ分かるけど、たぶんそういう解釈で
はないと思うし。(鹿取)
★ふぐりから秋の空に繋げるところが詩的で面白いですね。そんな難しく考える歌ではな
いと思います。(曽我)
★すると、われらのふぐりが膨らんでいく身体感覚と、空にはふぐりに似た雲がふわふわ
と浮いているなあという感慨。それだけ?(鹿取)
【全力蛇行】『寒気氾濫』(1997年)112頁~
参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、藤本満須子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取 未放
272 われらふぐりが膨らんでゆき綿雲のああふんわりと浮くあきの空
(レポート)
【解釈】僕らのふぐりは膨らんでゆきふんわりする、まるで秋空に浮かんでいる綿雲の心地だ。
【もう一つの解釈】作者の心はいま「ふぐり」と同化しているのだろう。綿雲がふんわりふんわり浮く秋空。みているとその綿雲もふぐりのように見えてくる。(真帆)
(当日意見)
★「われらふぐりが膨らんでゆき」で切れる2句切れだと思います。それから評者が
悩まれた初句は「われら」=「ふぐり」ではなく、われら「の」ふぐりという所有
格の「の」が省略された形だと思います。われのふぐりが、と単数だったら分かり
やすいんだけど、複数になっているからどういう場面を想像したらいいのか、難し
いですね。少年期の男の子の歌って読めばまあ分かるけど、たぶんそういう解釈で
はないと思うし。(鹿取)
★ふぐりから秋の空に繋げるところが詩的で面白いですね。そんな難しく考える歌ではな
いと思います。(曽我)
★すると、われらのふぐりが膨らんでいく身体感覚と、空にはふぐりに似た雲がふわふわ
と浮いているなあという感慨。それだけ?(鹿取)