2023年版渡辺松男研究⑩(13年11月)まとめ
【からーん】『寒気氾濫』(1997年)36頁~
参加者:崎尾廣子、鈴木良明(紙上参加)曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子
司会と記録及びまとめ:鹿取 未放
82 ひとを待つあいだは紅葉見あげては皮裏(ひり)のくれない濃くしてゆけり
(レポート)
「皮裏(ひり)」がいかにも身体的なので「くれない」に血液を思い、それから想念を連想する。「ひとを待つあいだ」の身体的ドラマが感じられ味わいに深みが生まれる。 (慧子)
(当日発言)
★早く会いたいとか、だんだんこころが濃くなっていく感じかな。(曽我)
★「皮裏(ひり)」にすごく作者の思いがあるんでしょう。紅葉の赤い色が待つ心を育て
ていく。そして人を思う思いも熱くなっていく。(崎尾)
★この歌の内容そのものは分かりやすい恋の歌ですよね。皮裏は造語かと思ってい
たが辞書に「皮膚の内側、転じて心」と載っています。紅葉を見上げてその色の
反映のように皮膚の内側から紅くなっていく、はにかんだ男の人の気分というも
のがよく出ている。心という意味もあるというから、崎尾さんのように待ちなが
らドキドキしていく純情なイメージ。(鹿取)
【からーん】『寒気氾濫』(1997年)36頁~
参加者:崎尾廣子、鈴木良明(紙上参加)曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子
司会と記録及びまとめ:鹿取 未放
82 ひとを待つあいだは紅葉見あげては皮裏(ひり)のくれない濃くしてゆけり
(レポート)
「皮裏(ひり)」がいかにも身体的なので「くれない」に血液を思い、それから想念を連想する。「ひとを待つあいだ」の身体的ドラマが感じられ味わいに深みが生まれる。 (慧子)
(当日発言)
★早く会いたいとか、だんだんこころが濃くなっていく感じかな。(曽我)
★「皮裏(ひり)」にすごく作者の思いがあるんでしょう。紅葉の赤い色が待つ心を育て
ていく。そして人を思う思いも熱くなっていく。(崎尾)
★この歌の内容そのものは分かりやすい恋の歌ですよね。皮裏は造語かと思ってい
たが辞書に「皮膚の内側、転じて心」と載っています。紅葉を見上げてその色の
反映のように皮膚の内側から紅くなっていく、はにかんだ男の人の気分というも
のがよく出ている。心という意味もあるというから、崎尾さんのように待ちなが
らドキドキしていく純情なイメージ。(鹿取)