かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の短歌鑑賞  162 163

2021-11-13 15:04:13 | 短歌の鑑賞
   ブログ版清見糺鑑賞 24       かりん鎌倉なぎさの会 


162 雪うすくかずく大阿蘇のカルデラの裾のなだりに春はひろがる
     「かりん」2001年5月号

 若山牧水の故郷を歌仲間と訪れた時の歌。大阿蘇の雄大なカルデラ型の山、その上部はまだ雪を薄く被っているが、なだらかな裾のあたりは春が広がっているという。もう緑が萌え出ているのだろうか。おおらかで気持ちの良い風景である。


163 日向なる尾鈴の尾の上やわらかにながれゆくなりきさらぎの霧
     「かりん」2001年5月号

 古典的なゆったりとした声で、の、のと尾鈴の山のようになだらかなしらべで、2月のわりに穏やかな風景を歌っている。若山牧水の故郷を訪れ、牧水が眺めて暮らした尾鈴山を見ての感慨。牧水は宮崎県東臼杵郡坪谷村(現 宮崎県日向市東郷町坪谷)に生まれた。牧水が尾鈴山を歌った次の歌は有名。
 ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り

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