かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 420

2024-11-19 10:07:51 | 短歌の鑑賞
2024年度版 馬場あき子の外国詠58(2012年11月実施)
    【ラインのビール】『世紀』(2001年刊)213頁
     参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子(紙上参加)、
        T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
     

420 ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて菩提樹の疎林に遊ぶ

        (まとめ)
★「ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて」までの措辞はかなりの字余りである
 し、かなり散文的な歌だ。「ローレライの岩は絶壁(で)その上にバス止め(て)」な
 どと( )部分の助詞を省けば少しは定型に近くなるのに、わざとなのだろう、それ
 をしない。なるほど古歌の通りローレライの伝説の岩は絶壁だった。その岩の上は平
 らで広場のようになっていた。そこにバスを止め、しかしライン川の絶景を眺めるの
 ではなく、岩や川とは反対方向に広がる菩提樹の疎林を散策した。さまざまな文学作
 品を思わせて疎林も魅力的ではあるが、敢えて川の方向に背を向けたのはなぜなの
 か。ライン川に沿って長くバスが走ったので、その風景は十分見たとうことか。ある
 いは菩提樹の疎林がよほど魅力的だったのかもしれない。(鹿取) 
  

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