かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  149

2021-09-18 16:10:20 | 短歌の鑑賞
 ブログ版清見糺鑑賞 22  かりん鎌倉なぎさの会  鹿取 未放
     
149 雲のような昼寝にしずむにんげんを減らす戦争の絶えぬはつなつ
              「かりん」2000年7月号

 二句切れの歌。四句でも切れて、間に「にんげんを減らす戦争の絶えぬ」が挿入されている。昼寝にはもってこいのよい気候のはつなつ、作者はソファかどこかで雲にしずむような感覚で昼寝をしている。
 しかし、世界は戦争だらけだ。もしかしたらつけっぱなしのテレビで戦争のニュースを流しているのかもしれない。戦争は人間を減らす行為だろうか、という苦い認識が頭をかすめる。かつてペストが大流行して世界の人口は激減した。そして二十世紀、戦争で大量の人間が死んだ。来年からの二十一世紀はどうなるのか、大量どころか、人間は死に絶えるのか?

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