かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  332

2021-10-16 17:40:34 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研究40(2016年7月)『寒気氾濫』(1997年)
    【明快なる樹々】P136~
     参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取 未放


332 寝てあれば虫の音だけのまっくらな闇の浮力を背中に感ず

     (レポート)
 真っ暗闇のなかにいると、自分を支えているベッドや床の存在も闇に溶け込み、在るのはただ暗闇だけと感じる。暗闇で冴えた聴覚に虫の音だけが届くと、この闇の構成成分は虫の音だけ、という感じがしそうだ。寝ている作者を闇の力が押し上げてくる、そんな背中の感触が伝わってくるようだ。(真帆)


      (当日意見)
★自分が2階にいれば虫は2階で鳴いている気がするし、4階にいると4階で鳴いている気がする。
 それを2階とか4階とか言わないで、虫の音のことを闇の浮力と言ったところが素晴らしいなと
 思います。(慧子)
★いや、虫の音を「闇の浮力」といっているのではないですね。真帆さんが書いているように闇の
 中に虫の音だけが聞こえていて、背中で「闇の浮力」を感じている。寝ていると全てがフラット
 な感じになって、何か中空に浮いているような頼りなげな感覚を言っているのかな。それとも、
 もっと強力な押し上げる力なのでしょうか。(鹿取)
★自分で感じられるのは呼吸だけなんですよね。吸い込んだ時は浮力を感じて体が浮くような感じ
 がする。テレビなんかでそういう映像を見ますが、たとえば吸い込むと富士山などの景色がグー
 とズームになって、吐き出すと富士山が遠くなる。暗闇で寝ているとそういう浮力を感じますね。
 寝ていると視力とか働かないから、浮力とか受けやすくなるのかなと。(鈴木)


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