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夕陽を浴びるニルギリ、同行した歌友の山口惠子さん提供
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/fb/cc4cbee607988cf3546315ac07c16224.jpg)
ジョムソンに着いた日の夜は月の出を待って、こんなふうに着ぶくれて戸外にいた
顔も寒いのでスカーフを巻いている。向かって左が寺戸和子さん、右が鹿取
私が見たのはピンポン球のように小さくて白い月だった。
がっかりして部屋に戻ってすぐに寝てしまったが……
どうも夜中にはホテルの部屋から大きな月が見えたらしい。
日付が間違っているが、2003年11月8日
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/8f/14d993611c34d116ed014e840f0c3e41.jpg)
山口惠子さん提供、ニルギリは写っていませんがこの日の満月だそうです
馬場あき子の外国詠15(2009年1月実施)
【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)81頁~
参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)
128 ムスタンの満月ただにしろじろとニルギリを照らす一夜ありたり
(レポート)
井上靖の「ヒマラヤの満月」という短編小説にヒマラヤの風や霧やその匂いが読んでいるページにただようように書かれていて、出会えた月を「天の一角に白銀の欠片がおかれている」とあるらしい。掲出歌の「満月ただにしろじろと」とあるように、どうやらネパールで見る月は白いのかもしれない。さてその月をたずねた地名と共に「ムスタンの満月」と初句に置き、俳句の土地への挨拶にならったのかと思ったが、それのみではない。ムスタン、ニルギリと固有名詞を二度までうたいながら、一首が騒々しくなるどころか、静けさや荘厳が感じられ、「ニルギリを照らす一夜ありたり」とはそこに作者がいあわせたことをうかがわせて、表現に妙味がある。(慧子)
(まとめ)
「ムスタン」という語はジョムソンを含む広域の呼び名で、知名度はジョムソンよりムスタンの方が格段に高い。そのムスタンに満月が照り輝き、一夜だったがその光景に遭遇して感銘を受けた。その貴重な一夜に巡り会えた尊さを言っているのだろう。(鹿取)
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