渡辺松男研究2の5(2017年10月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
【白根葵】P28~
参加者:曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
34 尾瀬唐檜(おぜとうひ)見上げてわれらめまいせり恋人よいかに近くとも雲
(レポート)
高木である尾瀬唐檜を見上げていてわたしたちはめまいした。実景であろうが、その高さに理想や志などを作者はかさねていよう。そこから「恋人よ」と言葉をおき、「いかに近くとも雲」と告げたかどうか、とにかく作者の胸中をここに示す。私達はこんな近くいるが互いに雲のようなものだ。うつろいやすく、消え去りやすく、掴みがたい…と。(慧子)
(当日意見)
★尾瀬唐檜は40メートルくらいになるそうです。そんな高木を見上げて〈われ〉と恋人はめまい
をした。そこから雲にいくには飛躍がありますよね。そんな高い木だから雲が降りてきたらとて
も距離が近くなる。だから「いかに近くとも」と言っているのは直接には木と雲の距離だと思
うのですが。(鹿取)
★恋人との関係が雲のようだと言っているのではないですか。(曽我)
★雲のようだは比喩だとしたら具体的にはどうだというのでしょう?(鹿取)
★木はしっかり高く立っているが、私達の関係はそんなにしっかりしていない。だから雲のよう。
(慧子)
★うーん、作者、そういう理屈や対比では歌は作らないと思います。(鹿取)
【白根葵】P28~
参加者:曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
34 尾瀬唐檜(おぜとうひ)見上げてわれらめまいせり恋人よいかに近くとも雲
(レポート)
高木である尾瀬唐檜を見上げていてわたしたちはめまいした。実景であろうが、その高さに理想や志などを作者はかさねていよう。そこから「恋人よ」と言葉をおき、「いかに近くとも雲」と告げたかどうか、とにかく作者の胸中をここに示す。私達はこんな近くいるが互いに雲のようなものだ。うつろいやすく、消え去りやすく、掴みがたい…と。(慧子)
(当日意見)
★尾瀬唐檜は40メートルくらいになるそうです。そんな高木を見上げて〈われ〉と恋人はめまい
をした。そこから雲にいくには飛躍がありますよね。そんな高い木だから雲が降りてきたらとて
も距離が近くなる。だから「いかに近くとも」と言っているのは直接には木と雲の距離だと思
うのですが。(鹿取)
★恋人との関係が雲のようだと言っているのではないですか。(曽我)
★雲のようだは比喩だとしたら具体的にはどうだというのでしょう?(鹿取)
★木はしっかり高く立っているが、私達の関係はそんなにしっかりしていない。だから雲のよう。
(慧子)
★うーん、作者、そういう理屈や対比では歌は作らないと思います。(鹿取)
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