欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

平将門公の家と風水

2020年06月01日 10時38分35秒 | 建築のうんちく

風水というのは、単なる『占い』ではありません。

 

人が生活しやすいように考えられた『環境工学』なのです。

 

 

家を建てる場合、キッチンを南側に配置すると、夏は暑すぎて、食材が腐ってしまいます。

なので、南側ににキッチンを配置するのは、凶と考えます。

 

 

同様に、北側にお風呂場、トイレ、玄関を配置するのも、凶です。

日当たりの悪い北側は湿気が多く、カビやすいので、水場は配置しないのが良いからです。

 

昔の人は、こんなことを生活の知恵として知っていました。

 

今から約1,000年程前に、平将門という武将がいました。

彼は、生活に苦しむ民衆のために、当時の天皇に弓を引いた英雄であります。

 

 

この平将門公の屋敷の跡は、茨城県の旧岩井市にあります。

 

屋敷の中央あたりは、児童公園になっています。

 

この公園から見て、北東(鬼門)には、寺を作り、南東には井戸などの水場を作っていたようです。

 

そしてこの井戸なのですが、1,000年前では、他に類を見ない『うちぬき井戸』だった可能性があります。

 

伝説では、「平将門公が井戸を掘っても水が出ず、困っていたら、白髪の杖をついた老人が現れ、持っていた杖で、岩をコンコンと叩くと、その岩から水がほとばしり出た」とされています。

 

現代のうちぬき井戸では、井戸掘り用の金属機器で、岩に穴を開け、水脈まで掘り進みます。

 

おそらく、平将門公も、うちぬき井戸を掘る技術を持っていたと考えられます。

 

現在の平将門公の屋敷跡の水場には、白髪の老人が杖で岩を叩いた時に、一言「水」と言ったので、『一言神社』という神社があり、この神社は現在も存在します。

 

家というのは、風を取り入れ、水脈を得て、はじめて人が生活できる場となるのです。

 


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